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あゝ人材教育!3分ななめ読み

コロナ禍から見えてくるネガティビティ・バイアスの危険性

2021.01.27

ネガティブな誇張表現

この一年近くテレビやネットニュースで
コロナウイルス感染者数の報道を見ない日はありません。

ただ、この報道の仕方について少し気になることがあります。
それは感染者数の表現についてです。

「〇曜日において過去最高」
「〇県において過去最高」
「〇〇が始まってから過去最高」

などなど。

もちろんデマ情報というわけではないですが、
そもそもの母数である検査数がどれだけ増えているかもわからないのに
感染者数が増加していることだけを報道したら、
「状況がどんどん悪くなっているのか」と思ってしまうのが
ごく普通の考え方だと思います。

 このように挙げ出すとキリがないですが、いつも思うのは
「なぜ、こんなに不安を煽るような表現をあえてするのか?」
ということです。

答えはシンプルで良いニュースより悪いニュースの方が
視聴率・クリック数が獲得できるからです。

実はこれ、人間の脳の特徴が大きく関係しているんです。

ネガティビティ・バイアスとは

人間の脳はポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に意識を向けやすく、
記憶にも長く残りやすいという性質を持っています。
これを「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。

例えば、気になっていた商品の口コミやレビューの中に
少しでも評価の低いものがあると、購入をためらってしまう
という方も多いのではないでしょうか?
これもネガティビティ・バイアスが作用しているからなのです。

ただ、このようにネガティビティ・バイアスには
いち早くリスクを察知し、それらを回避するというメリットもありますが、
その一方でネガティブな出来事がずっと頭に残って
悩み続けてしまうというデメリットもあります。

実際に、冒頭でお話ししたようなネガティブな話題ばかり見ていると、
不安や心配といった負の感情がどんどんと蓄積していき、
ネガティビティ・バイアスによってその感情を引きずってしまうことになります。

そして、ネガティブな感情ばかりに支配され続けると、
その他の部分にも悪い影響を及ぼしてしてくるようになります。
その中でも最も多いのが人間関係の問題です。

人間関係にネガティビティ・バイアスがかかると、
他人の嫌な部分ばかりが目について、減点法で人を判断するようになり
その結果、人間関係を悪化させてしまうことにもつながります。

ネガティビティ・バイアスとの上手な付き合い方

それはズバリ、ネガティブ感情は必ずしも悪ではないということを理解することです。

まず、ネガティブ感情には、
事実と向き合い、自己認識を助けてくれるネガティブ感情と
いわれのないネガティブ感情の2種類があります。

このうち、前者は必要なネガティブ感情であり
後者は不必要なネガティブ感情と言えるでしょう。
(いつまでもクヨクヨしてんなよ!ってやつですね)

例えるならば、ネガティブ感情とは
車で言うところのブレーキの役割を果たすものです。

要するに、時にはブレーキも必要だけど、
ブレーキばかり踏んでいると前に進めないよってことです。

また、ネガティブ感情との付き合い方で誤ってはいけないのは、
ネガティブ感情を完全否定し、ポジティブ感情だけで生きていこうとすることです。
先ほどの例で考えると、ブレーキ無しの車ってことです。

だからこそ、ネガティブ感情とは適切に付き合っていくことが大切なのです。

とはいえ、ネガティブ感情が大きくなると、
自分でコントロールできないことを心配し続けてしまいがちですよね。
(「反芻思考」なんて呼ばれます)

そんな時は、自分がしていることが無意味かつ有害なことであると
認識することが最も重要です。

こういった状況の中、先行きが見えない不安に襲われて動きだせないという人は、
今一度自分を見つめ直して、自分のコントロールできる部分のみに注力していきましょう!

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