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オンライン時代に浮き上がる「対面コミュニケーション」の意義

2020.05.29

新型コロナウイルス感染拡大によって、世の人々は否応なくオンライン環境に向き合い、「対面」を避ける生活を強いられることになりました。そんな今だからこそ、本来「対面」がもつ意味を再認識してみましょう。

「対面=コミュニケーション」は「言語」と「非言語」からなる

対面でやり取りするコミュニケーションは、大きく分けて「バーバル(言語)コミュニケーション」と「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」の2つで構成されます。

バーバルコミュニケーションとは文字を読んだり、言葉を聞いたりして行う対人間でのやり取りのことです。つまり、言語を知覚で認識するコミュニケーションです。

ノンバーバルコミュニケーションは、「身振り、手振り」といったボディランゲージと、「表情、声のトーンや大きさ」などから情報を得るやり取りです。視覚や聴覚を使って得られる情報だといってもよいでしょう。

人同士が対面で向き合うときは、五感を総動員して言語と非言語の情報を取得し、総合的に判断しながらその後の話の進め方を瞬時に決めていきます。

米国の心理学者であるアルバート・メラビアンは、1971年に「メラビアンの法則」を提唱しました。この法則では、話し手が聞き手に与える情報の影響力の割合を、次のように数値化しています。

〈言語情報:7%〉+〈視覚情報:55%〉+〈聴覚情報:38%〉=100%

対面によるコミュニケーションで得られる情報量を100%とした場合、オンラインを介したコミュニケーションで得られる情報量はどれほどなのでしょうか?

「バーバルコミュニケーション」情報はメールやチャットで一部代用できる

バーバルコミュニケーションで得られる情報、つまり言語情報は、メールやチャットなどのコミュニケーション代替ツールで十分代用できます。場合によっては、対面によるコミュニケーションより、事実を過不足なく伝えられるメリットのほうが大きいかもしれません。

ただし、メールやチャットなどのオンラインに依存した言語コミュニケーションツールでやり取りされる言葉は、対面の場合に比べてかなり少なくなります。

オンラインで使用される語彙数は、日本人が日常的に話したり、聞いたりする語彙数の5分の1にしかならないという研究結果 もあります。

本来、対面コミュニケーションで得られる情報量のうち7%が言語情報であり、そのうちの5分の1、つまり1.4%程度の情報量しか、オンライン言語ツールからは得られないという特性を覚えておくことが重要です。

メールやチャットなどを使う際には、それぞれ必要最小限の事実を端的に伝えるツール、雑談するツールとして捉えたほうが賢明でしょう。

「ノンバーバルコミュニケーション」で得られる情報は、本来対面だから得られる情報

対面コミュニケーションで得られる情報量のうち93%を占めるのが、ノンバーバルコミュニケーションから得られる視覚情報と聴覚情報です。

こうした非言語情報によって、相手の感情やその場の空気感など、言語に含まれない情報を汲み取ります。肌で感じる独特の緊張感も、対面だからこそ感じられる情報です。

相手が話を聞きながらうなずいていれば話に興味をもっている、大きな身振りをつけて話しているなら伝えたい気持ちを強くもっている、小さな声で時々相槌を打つだけならあまり興味がない、相手の視線が泳いでいれば話に気が乗っていないなど。

このような情報を目と耳から感じ取ることができれば、その後のコミュニケーションを円滑に進めるための対策を講じることができます。アイスブレイクや雑談でその場を和ませる 、あるいはテーマを変えることもできるでしょう。相手の関心を惹きつけるために、積極的に話しかけたり、大きな声で話したりすることも考えられます。

注意したいのは、全体の93%にものぼる非言語情報は、オンラインによるやり取りだと不十分になりがちである点です。

WEB会議や電話ならノンバーバルコミュニケーションを不完全ながら補える

WEB会議や電話は、完全ではないにしろ、ノンバーバルコミュニケーションを補うことができるツールです。

WEB会議は、メールやチャットと違って、相手の表情や声のトーン、間の取り方を視覚と聴覚を使って直接確認することができます。それによって、相手の感情を読み取ることが可能になるので、コミュニケーションをスムーズに進めるのに役立ちます。

電話はバーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションの中間に位置しており、言語による情報だけでなく、相手の声の強弱や話し方などの聴覚情報も得られます。

オンラインでは対面で得られる情報を補完できない

WEB会議や電話には、わざわざ移動時間と交通費をかけて現地に赴いたり、参加者が都合を合わせたりしなくてもよいというメリットがあります。上述のように非言語情報も入手できます。それでも、WEB会議や電話が対面によるコミュニケーションに完全に取って代わることはないはずです。

対面コミュニケーションでは、言語情報と非言語情報を総合的に関連付けることで、相手の感情を認知する、もしくは信頼感の醸成が可能になります。

裏を返せば、ITやAIがどれほど進化しても、情報量として数値化できない対人関係のエモーショナルな部分を完全に埋め合わせることは難しいのです。

対人間の信頼関係や好意的な感情に基づく決定には、対面が有効

AI時代が到来しても、営業職はAIに取って代わられることはないといわれています。それは、人と人の感情や信頼関係が判断や決定に多分に影響を及ぼすからです。

コロナ禍によって、仕事や教育の場で対面による活動が制限されています。オンラインでは十分に補えないエモーショナルな情報は、対面でコミュニケーションできる時を待つ、またはより丁寧で綿密なやり取りを繰り返すことで補完することになるでしょう。

オンライン時代の「百聞は一見にしてならず」とは、「何回ものオンラインコミュニケーションで得られる情報量は、1回対面することで得られる情報量には及ばない」と読み替えることができそうです。

 

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