ヒップスターゲート

あゝ人材教育!3分ななめ読み

コルブの経験学習モデル

2022.09.14

「トライアンドエラー」とは、人生における学びの大切な過程であると言えるでしょう。私たちは、さまざまな挑戦を通して得た経験を糧に、次の課題に立ち向かい、そこで得た知見を蓄積していくことで、着実に成長していくことができます。この「経験学習」の過程は、私たちが新しいことに挑戦し、失敗を恐れずに前に進んでいく上で欠かせない要素なのです。つまり、失敗を恐れずに経験を積み重ね、そこから学び取ることが、私たちが着実に成長していく上で不可欠なのです。

経験学習とは

経験学習とは、実践を通じて得た知見を次の経験に活かしていく学習プロセスを指します。このアプローチは、経験主義者のデイヴィッド・コルブによって提唱されており、「コルブの学習モデル」としても知られています。

このモデルでは、ある経験から得た洞察を他の状況にも応用できるかどうかを慎重に検討し、その考えを実際の行動に移すというサイクルを繰り返すことで、経験が知識として蓄積されていきます。つまり、単に経験を積むだけでなく、その経験を吟味し、活用する方法を学んでいくのが経験学習の特徴なのです。

このように、経験学習は実践と理論の往復を通じて、より深い理解と応用力を身につけていくアプローチと言えるでしょう。学習者が自らの経験を主体的に振り返り、その意味を探求していく過程が重要なポイントとなっています。

経験学習モデルを構成する4つのステップ

1ステップ-具体的な経験

経験学習モデルの初期段階では、まず「具体的な経験」を積むことが重要です。特に、これまでに経験のない業務や分野の仕事を行う際は、マニュアルや指示に沿って行動することが一般的でしょう。しかし、単に指示通りに行動するだけでは、真の理解や習熟には至りません。

なぜそのような指示がなされているのか、マニュアルにはどのような意図が込められているのかを、「なぜ、なぜ」と深く考えることが欠かせません。このように、単なる表面的な行動ではなく、その背景にある理由や意図を理解しようと努めることが、経験学習の核心部分となります。

また、新しいことに取り組む際には、これまでの知識が活かせず、失敗することもあるでしょう。しかし、そのような失敗経験は、次にうまく成功させるための貴重な機会となります。自分の行動を振り返り、何を改善すべきか、あるいは新たに何を学ぶべきかを内省することで、確実に成長につながるのです。

2ステップ-内省

経験学習モデルの2ステップは「内省」を行うことです。この段階では、これまでの行動や結果を振り返り、深く考察することが重要となります。

失敗した場合は、その失敗の根本的な原因を徹底的に探り、何が問題だったのかを明らかにしましょう。一方で成功した場合は、どのような要因が功を奏したのかを詳細に分析することで、次につなげられる貴重な学びが得られるはずです。

この内省の過程を丁寧に行うことで、得られた洞察を確実に今後の行動に活かすことができます。単に結果を振り返るだけでなく、その背景にある要因を明確にし、言語化することが肝心なのです。この内省の段階を経ることで、より深い学びと成長につながるのです。

3ステップ-教訓を概念化

経験学習モデルの3ステップは、自身の経験から得た学びや洞察を他の状況にも適用できるかを慎重に検討することです。この過程において、個人の学びを他者にも理解しやすいレベルまで一般化・抽象化することが重要となります。

このようなアプローチを通じて、一人ひとりが獲得した知見をチーム全体で共有し活用することができるようになります。つまり、個人の経験を適切に概念化することで、その学びを多岐にわたる場面で生かすことが可能となるのです。たった1つの経験から得られた教訓を、このように体系化することで、より多くの人々がそれを活用し、ひいてはチーム全体の能力向上につなげることができるのです。

4ステップ-実践に活用

経験学習モデルの4つ目のステップは「他で実践をしてみること」です。

3ステップまでで、経験を振り返り得た気づきが、正しいかどうかを他で実践することで、
更なる改善点を発見することが出来ます。

経験学習モデルのメリット

誰にでもできる

年齢、性別、役職といった属性にかかわらず、誰もが経験学習モデルのプロセスを実践することが可能です。単に仕事のみに囲われるのではなく、日常生活の中でも新しいことに取り組むことで、どのような気づきが得られ、それをどのように次の行動につなげていくかを考え、実際に行動に移すことで、更なる成長が期待できるのです。このように、生活全般にわたって経験学習を重ね、それをより良い方向に活かしていくことが重要なのです。

業務効率が向上する

経験学習モデルは、振り返りと次の行動を検討するサイクルを含んでいるため、業務の改善点を見出すことができる可能性が高いと言えます。このモデルを継続的に実践していくことで、段階的に業務の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。具体的には、過去の経験を振り返ることで、より適切な行動を選択することができるようになり、徐々に業務の質的・量的な改善につながっていくことが考えられます。つまり、経験学習モデルを活用することで、継続的な業務改善が期待できるのです。

まとめ

経験学習モデルは、実践的な側面があるため、一部の人にとっては取り組みにくい印象を持たれているかもしれません。しかし、日々の業務の中で行っている様々な活動から得られた知見を、さらなる改善につなげようとする姿勢は、意外と多くの組織で見られるものです。

このような個人レベルでの気づきや学びを、概念化して周囲にも共有していくことで、組織全体としての成長につなげていくことができるのです。つまり、経験学習モデルは、個人の実践的な取り組みから始まり、それを組織全体の成長につなげていくという、重要な役割を果たすのです。

 

お気軽にお問い合わせください!月-金/9:00-18:00

お電話でのお問い合わせ 0354650506 メールでのお問い合わせ お問い合わせフォーム