2021.05.24

“研修の4:2:4” これ何の数字か知っていますか?

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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研修効果を高めるうえで重要なタイミングの比率

結論から申し上げますと、タイトルにもある4:2:4とは、
ロバート・ブリンカーホフ博士がASTDと呼ばれる
世界最大規模の人材開発研究機関で発表した
研修効果を高めるうえで重要なタイミングの比率のことで、
その具体的な内容が以下の通りです。

・研修前=40
・研修中=20
・研修後=40%

おそらく、多くの企業ではプログラム内容や当日のグループ振り分け等、
研修中に関する部分を最も入念に準備・計画されるかと思いますが、
実はこれ、研修効果を高める要因のうち、なんと20%に過ぎないのです。
結構、衝撃的な事実じゃないですか??

研修を実施する・した際に良く遭遇するシーンとして・・・

<研修前>

「上司に言われたから来たけど、面倒くさいわ」
「てか、今日の研修って何やるの?」
「業務が忙しすぎて、正直研修とか受ける暇ないんだよね」

<研修後>

「○○さん(上司)への研修報告、何話したら良いか思いつかない」
「とりあえずモチベーションは上がりました!」
「内容は理解したけど、結局実践する余裕ないんだよね」

などなど

まず、研修の事前状態として、ネガティブかつ受け身な意識が強いと、
主体的な学習姿勢が確立できず、当日の学習効果は必然的に低下します。

また、研修中にタメになる話や講師の熱い話が聞けて
モチベーションが上がったとしても、それは一時的なものであることが大半で、
研修後の具体的な行動計画が立てられていない、
または、実践するための職場環境が整っていないという事後状態だと
せっかくの研修もただのイベントどまりになってしまいます。

そこで重要になるのが、“研修前後の仕掛け”なのです。
では、具体的にどのようなものがあるのか、例をいくつかご紹介します。

研修効果を高めるための研修前後の仕掛け

研修前の“受講動機づけを促す”仕掛け

1.受講者と上司の対話

受講者に対して直接の上司から、“今回の研修を受けてもらう理由”や
“研修成果に関心を持っていること”を明確に伝えることで、
受講者の研修に対するモチべーションが上がり、研修効果の向上が期待できます。

では、なぜ直接の上司がこれらを行う必要があるのでしょうか?
これは研修後の受講者の行動変容にも大きくつながる部分ですが、
上司が研修の意義を理解しているという事をしっかりと伝えなければ、
受講者は研修内容とOJT(現場指導)が連動されていないことを懸念し、
「研修で学んだことを実践してみよう」、とはなかなか思えないからなのです。

その他にも、以下のようなことを伝えてあげられると、より良いでしょう。

・どのような問題解決や課題達成のために実施するのか
・どのような状態変化や行動を期待するのか
・仕事や業績にどのような変化が起こればよいのか。

 など

2.事前課題の設定

研修に事前課題(主にインプット部分)を設定することで、
研修内容における自身の課題感や悩みを抽出することができ、
課題意識をもって研修に臨むことが可能になります。

さらに、事前課題の実施を必須化することで
受講者間の前提知識レベルの差を減らすことが可能となり
研修についていけない受講生を極力減らすだけでなく、
研修中のグループワークの質なども向上が期待できます。

研修後の“行動変容を促す”仕掛け

1.アクションプランの策定

先ほども悪い例として挙げたように、
ただ漠然と、モチベーションが上がった!
では行動変容はほぼ確実に難しいと言えるでしょう。 

研修をイベントで終わらせないためにも、学びを職場でどう実践するのか、
その具体的な行動計画=アクションプランを立ててもらうことは必須です。

そして、職場に戻ってから考えてみてね、ではなく
記憶が鮮明なうちにアクションプランを立てさせることが重要です。
→どうしても難しいようであれば、研修時間内でアクションプランを作成することも検討

さらに、このアクションプランをもって、
「どのように自分の行動が変わって、成果が出ているのか」、
「もしできていないのなら、障壁はどこにあるのか」、
などを定期的に受講者と上司が対話することで、より行動変容につなげやすくなります。

2.研修後の環境整備

研修で学んだ新たなスキルの現場実践機会を作ること、
またそれらに対して否定的な雰囲気を作らないことがポイントです。

なぜなら、失敗が許されない環境下では、
それらを実践するハードルが非常に高くなってしまうためです。

受講者の成長のためにも、
「チャレンジによる失敗はフォローするから大丈夫だよ」
という雰囲気を周囲が作ってあげることが大事です。

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