大切な「アピール」
ビジョンを考え、組織化してプロジェクトを進行させ、上司ともよく相談し方向性を合わせて、計画通りに仕事が達成できたとしたら、次に行う大切なことがあります。
それは、成果と成果に至った考え方やプロセス、苦労したことなど、他者に分りやすくアピールすることです。
実は、このアピールを日本人は得意としません。
日本には、自分の美徳や優位な点を、他人には威張ってはいけない、謙譲を美徳とする風土が根付いています。
しかしこのアピールは、自慢をすべきというのではなく自分の努力と成果を共有し、分かってもらおうというもので、現在では、プレゼンテーションと言い換えることもできます。
ただ、プレゼンテーションだけを取り上げると、なぜだか、「よいプレゼンテーションの仕方」や「効果的なプレゼンテーションの仕方」といった、表現だけの技術に特化してしまいがちです。また、パワーポイントのような便利な発表ツールが発達して、どうしても、テクニックだけに偏る傾向があります。
確かに、プレゼンテーションのテクニックも重要ですが、肝心なことは、ダイヤのようにきらきら光る仕事を成し遂げることです。そのあとに、それを理解してもらうために、プレゼンテーションを行うというプロセスこそが大切です。
どう表現するかも難しい
たとえば、10冊の本をすべて異なる順番に並べる方法は幾通りあるでしょうか。何気なく、聞いてみると、100とか、1000通りとかいう答えは返ってくるのですが、この正解は、なんと230万通り以上の数字になります。
単純に並べる順番だけでも、このくらいの多様性があるのですから、言葉や、文字などその他のファクターを加えると天文学的な数字になります。つまり、全く同じ成果を伝える方法でも無限大にあるということです。
無限大にある方法を駆使して、他者へ自分の考えを思い通りに伝えることは、非常に難しいことです。しかし、伝えなければ評価も得られません。
アピールはやはり必要だと言えます。
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