必要な雑談力=人間力
営業力を強化するために、必要な要素を、顧客としての立場から、お話してみることにしましょう。
とかく、営業力強化というテーマになると、営業テクニックに偏りがちですが、ここは、視点を変えて、顧客として営業に期待することを取り上げ、営業パーソンは顧客にとってどのような存在になればいいのかを理解してもらうことにしましょう。
もちろん、画一的な「べき論」をお話するつもりはありませんが、それぞれに置かれた条件の下で、少なくとも、こういうときには、こうあればよいのだというくらいにとらえてくだされば幸いです。
顧客も一人の人間であって、初めて会う際に、いきなり商談を始めては息苦しいというものです。
たとえばサラリーマンの業績評価の一つに「面談」がありますが、上司の中には、面談の緊張感や気分を和らげる「アイスブレイク」を準備する方がいるくらいです。日ごろ、同じ企業で一緒にいる、上司と部下でさえそうなのですから、社外の、しかも初めて会う人がいきなり仕事の話を始めたのでは、聞く方も緊張感を持ってしまい、身構えてしまうものです。
かといって、ざっくばらんな世間話ばかりでは、その後の商談は大丈夫なのかといった、印象上の誤解を与えてしまうことになります。
雑談とは型にはまった定型句ではなく、相手との共通点や考え方など、あるきっかけを見つけて気楽に交わす会話を指します。お互いにちょっとした笑いが出るくらいに雰囲気を盛り上げたいものです。
それができると、会って、話すのが楽しいという時間になります。一回目で好印象を与えることができれば、次も会いたいということになり、商談そのものも分割して話を進めていけばよいことになるかもしれません。
的確な雑談は人間力につながります。必要なのは、幅広い教養や経験、人間としての奥深さでもあったりします。
これらは、一朝一夕に培えるものではありませんが、一流の営業パーソンを目指すならば、少なくとも、商品さえ良ければ顧客に受け入れてもらえると考えてはいけません。
営業の現場では、人と人が出逢い、互いに納得があって売買が成立します。
人間同士のお付き合いができ、マナーを押さえ、笑顔でともに良い時間を持てたという印象を作れる場を作ることが大切です。
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