新入社員研修にインバスケットがおすすめな3つの理由
2020.12.22
ツイートインバスケットとは何か?
インバスケットは、「未処理箱」を意味し、もともとは1950年代にアメリカ空軍の
人事・教育研究所で導入されたシミュレーションゲームです。
普段の自分とは異なる環境・ポジションに身を置き、限られた時間の中で「未処理案件」を
的確かつ迅速に、精度高く処理しなくてはなりません。
インバスケットに絶対の正解はありません。
その時々の状況、事象の背景、人物の考え方によって対処法が変わり、
何が最善であるかを評価することは非常に難しいのです。
そのため、インバスケットでは対処結果だけではなく、
その判断に至るまでのプロセスも重要視されています。
インバスケットは一般的に昇格試験や人事考課の一部に採用されることが多く、
受講者は中堅社員である場合がほとんどです。
しかし、当社では新入社員研修の総仕上げとして、
インバスケット研修を提案し、導入いただくケースも少なくありません。
それは、一体なぜでしょうか。
新入社員研修にインバスケットがおすすめな3つの理由
インバスケットの様々な案件を適切に処理していくためには、様々な能力が求められます。
代表的な例を挙げれば、「問題解決力」、「タスクマネジメント」、「ヒューマンスキル」等です。
複合的な能力が必要となるために、新入社員にとっては難易度が高いと思われがちですが、
裏を返せば、ビジネスの現場で求められる上位スキルを早期に身につけるチャンスでもあるのです。
ここからは新入社員研修にインバスケットを推奨する具体的理由を3つ、ご紹介していきます。
①視座が高まり、視野が広まるから
インバスケットでは架空の人物、役割、状況に身を置いて複数の案件に対処しますが、
現状の新入社員ではなく、中堅や管理職層といった自身より上のレンジの人物になりきります。
目の前のことだけに取り組む視野狭窄的な観点では、なかなか問題は解決できないため、
自然と視座が高まり、他の案件との関連性や因果関係などにも注意が働くようになります。
振り返りでは、上司や先輩の立場から物を見ることの重要性にも考えが及ぶため、
実際に現場配属された後に、相手の意図を想像しながら仕事の指示を受けることができるようになります。
この仕事の目的、ゴールは何だろうか?
相手から期待されていること、求められていることは何だろうか?
こうした観点を持ちながら業務を遂行できているか否かは、
その後の本人の成長スピードに大きな違いをもたらします。
②ストレス耐性が身につくから
インバスケットにおける様々な相談や依頼は組織内外から持ち込まれるもので、
初めて見聞きする内容であったり、今まで経験したことのない事柄ばかりです。
しかし、これは実際の業務においても全く同じことが言えます。
新入社員は何もかもが初めての経験であり、何事にもチャレンジ精神をもって、
自ら意欲的に取り組んでいく姿勢が何よりも求められます。
分からないから無理だ。やったことがないからできないと投げ出すのではなく、
何とか自分なりに解決策を考えることで、困難へのストレス耐性が徐々に身についていきます。
そのため新入社員研修の段階で、こうしたストレスフルな状況をあえて与えることで、
実際の職場で業務にあたる本番でも、心が折れることなく粘り強く挑戦することができます。
③仕事における優先順位の基本的な考え方を習得できるから
仕事は何でもかんでも目の前のことから取り組んでいけばよい、というものではありません。
適切な順序と手順で遂行していくことで、効率よく進めていくことができます。
その一つの方法が仕事に優先順位をつけることです。
業種や業態、企業によって優先順位の付け方は様々ですが、
一般的には重要度と緊急度の二軸で判断するやり方ではないでしょうか。
現実世界もそうですが、インバスケットには制限時間があります。
その限られた時間の中で、より高い成果を上げるためには優先順位をつけることが必要不可欠です。
この観点が抜けてしまうと、毎日が「今日中に済ませなければならない仕事」だけで過ぎていってしまいます。
新入社員のうちから重要度と緊急度の判断はすべきではない。
まずは上司や先輩に相談して、指示を仰ぎながら一つひとつ進めていくべきだ。
との反論も聞こえてきそうですが、全くもってその通りです。
当社の新人研修内でお伝えしているのは、上記を前提としつつも、
自らの頭の中に重要度と緊急度のマトリクスを持ち、
そのマトリクスをもって自分なりに仮説で考えてみることが
ビジネスパーソンとしての成長を促すのだ、ということです。
①の項目とも少し重なる部分ではありますが、
思考停止でただただ上司や先輩の指示を仰ぐだけでは、
ロボットと変わらず、指示待ち人間になってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際に新入社員研修でインバスケットを提案すると、
はじめは新入社員にインバスケットは早すぎる、やっても効果が見込めないと思われるのですが、
上記を説明すると、それが単なる先入観や固定観念であったことにお気づきいただけます。
確かにインバスケットは、案件量も多く制限時間というプレッシャーとも
闘わなければならないため、通常の研修よりも心身の疲労度は大きいでしょう。
しかしながら、その疲労度に見合った分だけの学習効果は得られます。
新入社員研修の総仕上げとして導入することは非常におすすめですので、
ぜひとも検討してみてはいかがでしょうか。
プログラム詳細は下記からご参照ください。
※オンラインでも実施可能です
インバスケット研修