2021.03.23

プロ講師が使っている 朝礼・スピーチの「つかみ」話材

読書マニアE氏の推薦ビジネス書

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「つかみ」こそ最も重要

私たちは初めて会う人に対しての第一印象を即座に判断します。
その判断に要する時間は、3秒~15秒程度であるとする説が多いようです。

優しそうな人だ、爽やかな人だ、こうした初めに感じた第一印象というものは、
なかなか簡単には覆らず、 第一印象で受け取ったイメージを後々まで引きずります。

例えば、最初に素敵な人だと感じれば、ちょっとダメな所を目撃しても
「抜けているところもあるけど、それもまた素敵」と良い方向に解釈をします。

逆に第一印象で苦手な人だと思えば、良いところが見えても
「何だかいけすかない人」というような評価を下してしまうものなのです。

こうしたことは初対面の人との付き合いだけにとどまりません。
研修においても第一印象はとても大切です。

研修講師と登壇する際には、身だしなみはもちろん気を付けているでしょうが、
最初の「つかみ」にも力を入れるようにしたいものです。
はじめの語りがつまらないものであれば、どんなに研修の内容そのものが良くても
「この研修はつまらないな」というマイナス評価のまま進行してしまうことになります。
先ほどの第一印象が簡単に変わらないという話と全く同じです。

研修受講者にとっては本題も重要なのですが、それと同じくらいに、
はじめに何が語られるのか、どのような「つかみ」をされるのかも非常に重要なのです。
そんな「つかみ」の技法について、今回は一冊の推薦書をご紹介します。

著者:安宅 仁
出版社:日本実業出版社 (2008年7月発売)

要約

◆比喩を効果的に使う
SMAPの「世界に一つだけの花」が大ヒットした要因の一つは、
花を比喩に使ったことが心に響くきっかけになった。

◆自然界の情報を集めよ
自然の営みと絡めた話は不思議と腑に落ちる。
ビジネスや人生とうまくリンクさせる話はウケやすい。

◆つかみが成功すれば、本題もうまくいく
例えばリーダーが部下を厳しく指導する際にも、
初めにインパクトあるネタで部下の気持ちをつかんでから話す。
すると、多少厳しい塩津であっても部下は前向きに受け止めやすい。

◆個性的な話し方が心に残る
「つかみ」のネタそのものも重要ではあるが、
特徴的で個性的な話し方もまた、つかみの成功率を上げる。
ロジカルに流暢に話すより、噛んだり、訛ったり、声が裏返ったりする話し方も
人の記憶には残りやすいもの。

◆つかみのネタはそこら中にある
通勤途中の他人の会話、買い物中でのワンシーンなど、
普段の生活で見聞きする情報の中にも、つかみのネタは転がっている。

E氏の私見

本書の9割は実際に朝礼やスピーチで使える「つかみ」のネタ帳です。
自らの強みを最大限に活かしてほしいときに話すならこの「つかみネタ」、
成長するためにリスクを恐れないでほしいという話をするならこの「つかみネタ」、
という具合です。

そのため上述の要約は、要約のようで要約でない、なんとも消化不良な形となっています。
この点は申し訳ないのですが、内容が気になる方はぜひ本書を手に取って読んでみてください。
本書に記載のことをそのまま話しても、十分に効果が得られるはずです。

研修講師以外にも、人前で話をする場面において、「つかみ」は重要です。
朝礼、プレゼンテーション、商談などビジネスシーンで使える場面は多いはずです。

なかなか他人のつかみネタを実際に見聞きできる機会は少ないでしょうから、
本書は大変有益な参考書となるでしょう。

私自身も年に数回、講師として人前に立つ時があります。
大勢の聴衆を前にして話すのは、単に伝える技術だけが優れていればよいわけでありません。
聴講者を惹きつけ、興味関心を持ってもらわねばなりません。

相手の話は本当に聴く価値があるのか、聴講者は一瞬で判断します。
その判断を決めるのが、まさに最初の「つかみ」。
自分の持ちネタがない、定番ネタが古くなってきた、つかみが弱いと感じている人は、
本書を読んで、つかみのネタ作りをしてみてはいかがでしょうか。

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