実行力とは何か

まず、実行力の強化を考えるために、そもそも、実行力とは何かを整理してみましょう。この抽象的な表現である「実行力」、これを考えておくことは、話の第一歩として重要なことです。

プロのスポーツ選手の場合、個人で優秀な成果を上げることが求められるでしょう。しかし、良い成果を上げたところで「あの選手は実行力がある」とは、言いません。

サラリーマン社会では、運動選手と違い、組織的に成果を上げることが第一義として求められます。営業部隊のように、個人の成績の積み重ねが、組織の成果につながる場合もありますが、組織の成果が上がったとしても、「実行力がある」とは言わないのではないでしょうか。

実行という以上、何かクリアすべきわかりやすい課題を、達成目標を明確にし、周囲の期待通りか、もしくは、期待以上の成果を上げてクリアできると、「実行力がある」、と言えるようになると思われます。

簡単に言い換えると、実行力とは、掲げたビジョンに向けて、戦略を策定し計画通りに達成していく力と言えるのではないでしょうか。そして、目指す課題は、誰にでもできる簡単なものではなく、達成すれば「すごい」と思われる難易度の高いチャレンジであることが重要になりそうです。

実行力を上げるために

こう考えてみますと、実行力とは、付け焼刃のように、一度の得策で得られるものではないようです。そこに至る仕事のコツや、進め方、考え方が「実行力」を生み出す重要な要素になると思われます。

それでは、仕事との向き合い方、行い方を切り口を変えながら触れていき、手順を踏みながら解明してみることにしましょう。

ところで、実行力のない人は存在するでしょうか。

現実社会には、仕事を一応こなしてはいるものの、他人から見ると実行しているとは感じられない人がいます。もしかすると、実行へ向けての考え方や、仕事の進め方を教えてもらっていないかもしれませんし、先輩の見様見真似で育ってきたのかもしれません。先輩とて、いい見本ばかりとは言い切れないのも現実です。

それでは、この、抽象的ながらも、誰もが向上させたいであろう実行力の強化の仕方を考えていくことにしましょう。