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「影響言語」で人を動かす

2021.05.25

あなたは目的志向型?問題回避型?

仕事をしていると、
「どうしたら、もっと自分の考えや気持ちが相手に伝わるだろうか」
「どうしてあの人は、こちらの言うとおりに動いてくれないのだろう」
と誰もが一度は思い悩んだ経験があるのではないでしょうか。

その悩み、もしかしたら言葉の遣い方をちょっと変えるだけで
スパっとマルっと解決するかもしれません。

言葉の遣い方といっても難しいことはありません。
あなたが発するメッセージが目的志向型なのか、問題回避型なのかを意識するだけです。

人が行動を起こそうとするとき、モチベーションの源泉は2つに大別できます。
「目標を達成したい」のか、「問題を起こしたくない」のかです。

目標を達成したい = 目的志向型

目指すべき目標に意識が集中しやすい人は、目的志向型といえます。
「得られる、達成できる、取得できる、到達する」のような言葉を好み、
それらの言葉を聞くことでモチベーションが高まります。

問題を起こしたくない = 問題回避型

一方で、避けるべき問題や課題に意識が集中しやすい人は、問題回避型です。
「避ける、取り除く、除外する」などのような言葉を好み、
何かしらの脅威から身を守る必要があると、モチベーションが高まります。

 

両者に優劣はなく、あくまでも傾向であるため、
常に目的志向型(または問題回避型)であり続けることはありません。
その時々の状況によって、この傾向は変化します。

分かりやすい例が「投資と保険」です。
例えば私たちがセミナーに通ったり、書籍を購入したりといった自己投資するとき、
多くの場合は「この投資をすることでもっと仕事で成功したい」と思うことでしょう。

逆に保険の場合、もしあなたが営業販売員ならどのようなセールストークをしますか?
おそらく大抵の人が「この保険に入ることで万が一のトラブルでも困ることがありません」
というような紹介になるのではないでしょうか。

このように商品や状況(コンテクスト)によって、適切な投げかけは変わってくるものです。
相手が納得してくれたり、動いてくれたりするのには、
こうした些細な言い回しの違いもあることを知っておきましょう。

採用や教育の現場でも使える

先ほどの事例では投資や保険といった営業のワンシーンでしたが、
人材採用や社員教育の場面においても、
目的志向と問題回避の言葉遣いは有効活用できます。

仮に人材を採用する場合には、
日々の業務が何か数字を追いかけるような目標達成に近しいものなのか、
それとも何かしらの問題を解決するようなものなのかに合わせて、
応募者の言葉に耳を傾けてみると良いでしょう。

この傾向を見誤ってしまい、例えば検品や原因調査といった品質管理が
主な職務のポジションに目的志向の人をアサインしてしまえば、
きっと潜在的な間違いや欠損等は見過ごされてしまう可能性が高いです。

職務と適性を見極めた人材配置にするためにも、
各個人の傾向はしっかりと把握しておくことが重要なのです。

他にも社員教育や部下指導といった場面でも、
目的志向と問題回避の言葉は役に立ちます。

目的志向型の人には、ぜひ目標を達成することで得られるメリットを
説明することで、仕事へのやる気がアップすることでしょう。
「このやり方だと仕事の能率が上がるよ」
「目標売上までもう少しだね」
「このプロジェクトが無事完結したら、ボーナスが出るよ」
こうした声掛けをすることで、相手は気持ちよく動いてくれます。

問題回避型の人には、解決すべき問題、改善すべき仕事を与えましょう。
今にも起こりそうな問題が目の前にあるほど、やる気に火が付きます。
「この問題がどうにかならないだろうか」
「すぐに解決しないといけないトラブルの対処をお願いしたい」
「この仕事が終われば、しばらくは残業しなくて済むようになるね」
という声掛けを意識をしたいものです。

言葉で人に影響を与えるのがLAB(ラブ)プロファイル

ここまで説明してきたものは、LABプロファイル呼ばれるものの一部です。
LABプロファイルの LAB は、Language and Behavior の頭文字をとったもので、
言葉(Language)と行動(Behavior)の関係性を分析したもので、
NLPのメタプログラムが進化して開発されました。

LABプロファイルは、「影響言語」とも言われていて、
仕事や日常の場面で、お客様との信頼関係構築、
人事、営業、マーケティング、指導などで
効果的に活用できるスキルです。

もっと詳しく学びたいという方は、
LABプロファイルのセミナーに参加したり、
書籍を読んでみたりすると良いでしょう。

興味がある方は、LABプロファイルの世界的な第一人者、シェリー・ローズ・シャーベイが書いた、
『Words That Change Minds』は人がどのようにモチベーションを高めるか、
人の根本的な考え方、
動機づけと行動パターンを分かりやすく紹介していますので、
手に取って読んでみることをオススメします。

タイトル:「影響言語」で人を動かす
著者:シェリー・ローズ・シャーベイ
出版社:実務教育出版 (2010年8月発売)

 

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