アンコンシャス・バイアスをご存じでしょうか?日本のジェンダーギャップ指数が、先進国の中で遅れを取っていることから注目を集めたキーワードですが、アンコンシャス・バイアスが生じる場面はジェンダーに関わる内容以外にも存在します。 今回は、アンコンシャス・バイアスについて確認したのち、職場でよくあるアンコンシャス・バイアスについてご紹介します。
アンコンシャス・バイアスとは?
そもそもアンコンシャス・バイアスとは、「無意識の思い込み」や「無意識の偏見」を指します。キーワードを聞く、人物を見るなどした際に、考える以前に瞬時に起こる知的連想プロセスであり、誰もがアンコンシャス・バイアスを持っています。 「高速思考」と言い換えられることもあり、過去の経験やこれまで見聞きした情報を踏まえ、脳が瞬時に判断しているのです。したがって、アンコンシャス・バイアス自体に良し悪しはないとされています。
なぜアンコンシャス・バイアスが注目されているのか?
良し悪しはないはずのアンコンシャス・バイアスは、なぜ今注目を集めているのでしょうか。 先にもお伝えしたように、アンコンシャス・バイアスそのものに良い、悪いはありません。しかし、無意識のアンコンシャス・バイアスが日々の言動や行動として現れた際に、相手にネガティヴな印象を与える場合があります。
相手にネガティヴな印象を与えるだけでなく、アンコンシャス・バイアスが起因となり相手を傷つける可能性もあります。また、自分自身の印象を下げてしまったり、視野を狭くしてしまっている可能性もあります。
したがって、今一度自身のアンコンシャス・バイアスを認識する必要が生じているのです。
研修項目として実施する企業も存在
アンコンシャス・バイアスが世間に浸透した理由のひとつに、Googleやマイクロソフトといった大手IT企業が研修として実施していることが挙げられます。 ダイバーシティや多様性といったキーワードと共に、様々な人々が融合する企業経営を行っていく上で、非常に重要な概念とされています。 一時の研修ではなく、定期的にアンコンシャス・バイアスを意識させることで、常に自身のアンコンシャス・バイアスを認識できるような研修が世界各国の社員を対象に実施されているため、国籍を超えた共通認識を持つことができているのです。
職場でよくあるアンコンシャス・バイアスの具体例
では、実際に職場ではどのようなアンコンシャス・バイアスがあるのか、具体例を見ていきましょう。
ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアス
ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアスは、現在も日本社会に色濃く残っています。ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアスは女性に関する内容が多く、「女性だから~~~だろう」「女性だから~~~得意だろう」という内容がしばしば語られます。 具体的な業務例を例に挙げると、「女性は気が利くから、秘書にするなら女性が良い」「細かい作業を積極的に行ってほしいので、庶務は女性の方が良い」といった内容は、アンコンシャス・バイアスです。 女性だからという理由で、全ての女性が気を利かせることができることを強みにはしていませんし、細かな作業が得意とは限りません。また、男性であっても気が利く方はもちろんたくさんいますし、細かな作業が得意という方もたくさんいます。 個人のキャラクターではなく、ジェンダーで物事を判別するのはアンコンシャス・バイアスのため、注意が必要です。
恋愛や結婚に関するアンコンシャス・バイアス
アンコンシャス・バイアスについて語られる際に、マイノリティについても非常に多く議論されます。「恋愛は異性とするもの」「適齢期が来たら異性と結婚するもの」といった認識が、アンコンシャス・バイアスとして無意識に誰かを傷つけている場合があります。 こちらは先ほどのジェンダーに関わるアンコンシャス・バイアスと異なり、恋愛や結婚に関するアンコンシャス・バイアスは男性が対象となることが多いとされています。女性に対して、年齢や結婚観を聞くことはセクハラなどに該当する可能性が高いという認識が広がる一方で、男性に対しては同様の意識でコミュニケーションを取れない人は少なくありません。 そのような認識を持つ人々が、無意識にアンコンシャス・バイアスを作用させてしまい、不特定多数の人々を傷つけている可能性があります。 性的指向や恋愛指向はあくまでも個人の自由であり、そもそも職場の関係性の中で深堀りする内容ではありません。加えて、性差によって語られるべき内容でもありません。この点を理解し、自身のアンコンシャス・バイアスを認識することが大切です。
文化や環境に関するアンコンシャス・バイアス
ジェンダーや性的・恋愛指向に関するアンコンシャス・バイアス以外にも、職場には様々なアンコンシャス・バイアスがあります。多国籍の社員を有する場合に起こりがちなのは、文化や環境に関するアンコンシャス・バイアスです。 「アジア出身なのに英語が話せるの?」といった、質問者は相手の外見から話せる言語を想像し、無意識に偏見を交えたコミュニケーションを取ってしまうケースが想定されます。このほかにも、育ってきた環境が異なる国の出身者に対して、質問者は無意識に無礼な発言をしてしまう可能性もあるでしょう。 育ってきた国や地域が違えば、一般的とされる文化や環境は異なります。また、メディアが作り上げたイメージによって、気付かぬうちにアンコンシャス・バイアスを持っている可能性もあります。 主に正しい情報を知らない可能性が高いことを前提に、自身のアンコンシャス・バイアスをきちんと認識できるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?アンコンシャス・バイアスそのものに良し悪しはなかったとしても、これまでの生活の中で得た知識や情報を元に、無意識のうちにアンコンシャス・バイアスが作用してしまう可能性があります。
アンコンシャス・バイアスと自身が正しく付き合うことができれば、自身の視野を拡げながらコミュニケーションを取ることも可能です。自身のアンコンシャス・バイアスをしっかり認識しながら、職場でも業務を行っていきましょう。
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