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3分で読める人材教育の話

人材育成や組織競争力の強化に結び付く権限委譲のやり方。

2019.08.02

権限委譲とは――上司が部下に一定の権限を与えて、自律的な行動を引き出すこと

「権限委譲」は「エンパワーメント(empowerment)」という言葉でも知られています。文字通り、組織の上位者が下位者に対して自主的で自律的な行動をとる「力をつける」ための支援を行うことです。

この権限委譲の効果を最大限に引き出すためには、権限委譲の持つ意味や進め方を正確に認識することが何より重要になります。

リーダーが権限委譲する意義

組織におけるリーダーの役割とは、①事業戦略を立てて伝えること、②組織を統括すること、③権限委譲を進めること、④ロールモデルになること、この4点に集約できるでしょう。

組織の中にこうした条件を備えた優れたリーダーが存在すれば、組織としてのパフォーマンスを最大化することができます。つまり、権限委譲は、組織の成長につながる、リーダーが身に付けておくべき重要な経営テクニックの一つだと位置付けられるのです。

権限委譲が進めば、リーダーが一人で業務を抱え込むことはなくなり、組織のメンバー個々の裁量で判断・実行できるようになります。これによって、組織として効率的に業務を進められるようになり、生産性も向上します。

  • 営業職やサービス業での権限委譲の重要性

顧客と直接向き合うことが多い営業職やサービス業などの現場を考えると、権限委譲の重要性を理解しやすいでしょう。

訪問先の顧客の要望やニーズを受けて、現場スタッフがその都度上司の判断を仰いでいては、顧客の心を掴むことはできません。その場で臨機応変に判断・対応してこそ、顧客の満足度は向上するはずです。

現場スタッフも、「任される」ことによって、ワンランク上の業務や目標をやり遂げるモチベーションを維持する、あるいは課題解決能力も身に付くことが期待され、それがスタッフ自身の成長を促すことになります。

変化の速い昨今のビジネス環境においては、営業職やサービス業に限らず、企業全体にもスピード感が求められます。経営者や管理職レベルの人々がおのおのに権限委譲の意識を持って推進していくことが、企業としての成長力や競争力の強化につながります。

阻害要因が何かを認識することも大事

権限委譲の重要性について、すでに認識している人も多いのではないでしょうか。ただ、組織の中で権限委譲が進まない状況を克服できていないだけなのかもしれません。

権限委譲が進まない原因には、「失敗が許されない企業風土があるから」、「職務権限規定で『職務遂行には上位者による承認が必要である』と規定されているから」、といった理由も考えられます。

前者のように、長年かけて培われてきた企業独特の考え方や行動パターンを変革することは一朝一夕で成し遂げられるものではありません。一方、後者のケースでは、職務権限規定が古く、近年のビジネス環境にそぐわなくなっているだけなので、早急に見直しを進めるべきでしょう。

「任せて失敗したら顧客の信用を失うかもしれない」、「権限委譲できるような人材がみつからない」などといった理由が挙げられることもあります。その場合には、「機会を与えられ鍛えられることで人は育つ」ことを再認識するのが先決です。

優れた人材を自在に起用できる環境にはなく、人材を育てる必要性がある中小企業においてはなおさらです。

権限委譲の効果的な進め方――放任するのではなく、自律的な活動を支援する

権限委譲の名のもとに、ただ仕事を託すだけでは、人材育成や組織の競争力強化には結び付きません。 もっとも重要なことは、上司が部下に対して以下の点を徹底することです。

・ビジョンを明確に示し、浸透させる

・委譲した仕事の最終責任は上司が負う姿勢を示す

・失敗を恐れることなく自主的な判断で業務を遂行させる

権限委譲をスムーズに進めるためには、環境を整備する、またはバックアップ体制をとることで、部下を支援することも大切になります。

権限委譲した業務を行う部下に対しては、以下のような配慮が必要です。

・部下自身が必要と考える経営資源を、可能な限り手当てする

こうした配慮を欠かさないことで、部下は力を十分に発揮して伸び伸びと業務に取り組むことができます。重大なミスやトラブルも、大半は回避できるでしょう。

権限委譲の勘所は「自主自律」

スピード感のある経営や組織のパフォーマンス最大化のカギを握る権限委譲。組織のリーダーや上司の重要な役割であり、人材育成の好機でもあります。

権限委譲のゴールである「自主的・自律的に考え判断できる人材の育成」のためには、細かな指示や解決策を示すのではなく、問題点を自分でみつけて、答えを導き出せるようにサポートすることが何より大事です。

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