商品企画や問題発見、カイゼンといった取り組みには、社員一人一人の意識や観察力が大きな力になる。
ヒット商品の開発にも固定観念を破る新しい視点が必要だ。
成熟社会になり、消費者の欲しいものが多様化しており、デフレ経済はモノやサービスへの価値観の変化をもたらした。
企業は生き残りをかけて新しい発想のもと、付加価値の高い消費者目線の商品やサービスの提供に迫られている。
そこには右肩上がりの成長経済とは違った、新しい視点での取り組みが必要であり、
従来の延長線でない破壊的アイデアの出現が求められる。
現状を疑って考えてみる意識が重要であり、そこには「なぜ?」といった問いかけが有効となる。
重要なのは多角的視点でモノを捉え考える意識である。同じモノでも捉え方でその性質は大きく異なるのだ。
そこには視点、視野、視座の3つの観察ポイントがあり、その特徴は以下のようなものとなる。
【視点・視野・視座】
視点(何に注目しているか):機能、効果、使い安さ、開発容易性などに注目してみる。
視野(どんな範囲で見ているか):自分の仕事、チーム全体、プロジェクト全体、業界全体といった視野でみる。
視座(どこから、どういう立場で見ているか):部下、上司、ユーザー、ユーザーの顧客の立場でみる。
これは、モノに限った事ではない。
統計のデータを見る場合にもいえる。
多くのデータを活用し多面的に判断する必要があるのだ。
また同じデータでも分析の仕方で見え方が異なる。
グラフを描く場合も棒グラフなのか、円グラフなのか、また軸のレンジをどの範囲に設定するかでも見え方が違ってしまう。
よく市場分析やロジカルシンキングなどでマトリックス分析を使うが、これも2軸の選び方で得られる結果が大きく異なる。
つまり分析にスキルが要求されることになるが、逆にいうとデータも多くの見え方ができるということである。
ひとつの指標だけで判断しない。これは経営分析の鉄則でもある。
木を見て森を見ずの喩えで指摘されるように、直接の結果や行動にとらわれない、
全体を俯瞰する姿勢が重要なのである。
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