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あゝ人材教育!3分ななめ読み

研修会社が様々に翻弄される営業研修って一体?

2015.06.09

企業研修は階層やセクションごとに行われテーマもテクニックも様々だ。ご承知のことと思うが研修会社にはそれぞれ得意な領域があり、講師もその分野に特化することが多い。しかし、企業が人材育成を考えるとき、それこそ階層やセクションごとに課題を抱えており、研修会社はその要望に応えるべきである。

さて、今回は営業研修について書いていきたいのだが、この「営業研修」ほど研修会社が様々に翻弄されるテーマはないだろう。

それは“営業”という仕事に正攻法がないからだ。

そもそも営業スタイルは多様で、BtoB、BtoC、ルートセールス、店舗営業などがあり、求人雑誌を見ると提案営業、企画営業、また販売スタッフというのも営業職の一種のようだ。つまり、研修を行いたい企業の数だけ営業のスタイルがあり、「売上を上げるには」の正解はその倍々で着地点があるだろう。更に言えば、一企業で業績をあげている営業パーソン達がみな、同じ方法で顧客を獲得しているわけではない。試しにトップセールス同士で営業手法を交換してみたところで上手くいかないことは容易に想像できるのである。

業種により、営業パーソンにより正解が違う。そんな職種の研修って一体??

研修会社が用意するプログラムは大概がカスタマイズ可能である。営業研修も業種に合わせてカスタマイズの余地はあるだろう。しかし、どんなプログラムでも大筋を変更することは危険だ。ストーリーがブレては伝わるものが半減する。ではどうするか。営業職の基礎に特化するか、できる営業パーソンの共通点を調査しプログラムするかである。

営業職の基礎については概ねどの企業でも研修内容は似かよう。CS(顧客満足)、マナー、コミュニケーションスキルなどがカリキュラミングされ、受講者の営業経験によって数字の管理、提案書作成、プレゼンテーションスキルなどのテーマを追加受講することになろう。場合によってはこれらテーマの追加を指してカスタマイズというかもしれない。ただ、営業研修はこれで良いのか。そこに思いが及んだとき、次に「できる営業パーソンの共通点」をプログラムしようとする。しかしそれが難しい。研修会社が翻弄されるのはこの部分だ。

 
ネットサーフィンにて、出来る営業パーソンの共通点を少し検索。

  • お客様への貢献が第一
  • 高い社内調整能力
  • 前向きな思考
  • 高い達成意欲
  • 自分、商品に自信がある

ざっとこんな所だろう。さて、お気づきだろうか、営業パーソンだから必要というわけではなく、企業人として当たり前のことばかりなのである。しかもスキルではなくマインドの要素が強い。流行の表現で言えば“人間力”が高いのである。自分より他人を大切にできる余裕、Win-Winの関係を築ける気配り、気落ちすることのない明るさ、目標が達成されるまで諦めない強さ、そんな人はもちろん自分を肯定できるだろう。

 「何をして業績を上げたのか」を知りたければ、トップセールス、その人の話しを聞けばよい。破天荒な営業法や苦労話は楽しいと思う。先輩に飲みに連れていってもらうのもよいし、講演会に出向くのも勉強になるだろう。しかしそれは、その人の場合の話であって、すべての営業パーソンにとっての即効薬ではない。なぜか。それは彼らが業績を上げた理由が、その営業法をとるに至った必然の“キャラクター”だからだ。
 
実は、営業経験のある人は本当は気づいているのだ。
 
自分より成績のよい同僚の活力・人間力をうらやましく思い、自分には到底かなわないと少なからず悔しい思いをする。かといって自身の思考や行動を一朝一夕に変えるのは困難だ。

・・・ほら、もう後ろ向き。
 
研修では営業職に必要なそれぞれのマインドに受講者を正面から対峙させ、腑に落としてもらうのがポイントだ。つまり、受講者の内省を促すプログラムであるかということ。技術もアイディアも出尽くした飽和状態で、商品力に差がないのが現代の市場である。顧客は自分の欲しいものが明確に分からなくなっている。そんな時こそ、顧客視点で考え、商品を提案できる活力をもった営業パーソンが活躍するのだ。

 
一研修で人間力を向上させるのは難しそうだが、そうではない。研修には“伸びようとする人材の背中を押す”側面があると思うからだ。営業パーソンは、現状に満足していることは少ない。常にプレッシャーがかかる状態で仕事をしていて、それでも上を向いていなければならない。企業業績の真ん中にいるのだ、双肩にかかる負荷を思えば何とかそれを支えたいと思う。

私たちはいくらでも背中を押すのだ!

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