提案制度のように積極的にアイデアの出現を促す活動は、企業競争力を上げるために必要であるが、それと共に今後重要になってきているものが、破壊的アイデアを生み出す発想力だ!
成熟社会になり、消費者の欲しいものが多様化してきた。企業は生き残りをかけて新しい発想のもと、付加価値の高い商品やサービスの提供に迫られている。
そこには右肩上がりの成長経済とは違った、従来の延長線でない破壊的アイデアの出現が求められる。
しかし破壊的アイデアを生み出すのを邪魔するものがある。それは常識や固定観念といったものである。
これらは大きな壁となり柔軟な発想、自由な発想を抑えてしまう。まずこの壁を打ち破る必要があるのだ。
そこで効果的に常識・固定観念を破る5つのポイントをまとめると次のようになる。
1. 高い目標を掲げる
来期の売り上げを30%アップするとか、20%のコストダウンといった目標でなく、売り上げ2倍、コストを半分にするといった大胆な目標設定を行う。
2. 現状を否定してみる
現実に囚われないということである。科学は従来の法則を否定することで進歩してきた。
アイスクリームは夏に食べるものを否定すると、冬でも売れる雪見大福の開発へとつながる。
3. 制約や条件がない仮定で考える
「もしも~であったら」と問いかけるのである。
「もしもお金がいくらでもあったら」とか「もしもこの規制がなかったら」と問いかけて解決案を探ると、可能性や矛盾点が見えてくる。
4. ゼロベースで考える
問題のポイントを思いきってやめる。なくしてみるといったことである。現状から対策や改良を考えると、思考の範囲が対象部分の延長線上になりやすい。
ダイソンのサイクロン式掃除機やINAXのタンクレストイレの事例が該当する。
5. 逆転の発想で考える
反面教師を自ら作り出す感じである。極端に悪くすることを発想すると、問題のポイントが浮き上がる。
例えば雨の日でも滑らない歩道を考えるとき、雨の日に滑りやすくするにはと逆に考える。
この5つの発想ポイントにより、従来の延長戦でない枠を飛び出した発想が得られるのである。
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