複雑な問題を単純なルールで解決?
私たちの日常には実に様々な問題が溢れています。
そして、大抵が複雑です。
ビジネスに限った話だけではありません。
個人も家庭も政府でも同じです。
この複雑な問題たちに対して私たちはどのように向き合うべきか。
その答えは「シンプルなルール」にあるのかもしれません。
シンプルなルールとは一体何か?
その答えを教えてくれるのが、こちらの本です。
著者:ドナルド・サル、キャスリーン・アイゼンハート
出版社:三笠書房(2017年8月発売)
要約
◆シンプルなルールの4つの特徴
1. ルールの数が少ない
2. 使う人に合わせてカスタマイズできる
3. 具体的である
4. 柔軟性がある
◆シンプルなルールによる成功事例
iPad、イエズス会、ウィキペディア、ダイエットなど、
エンターテイメントから医療に至るまで多岐に渡る業界でシンプルなルールが功を奏している
◆自然界にもシンプルなルールは存在する
新しい巣に移動するミツバチの群れ、隊列を組んで歩くガチョウの集団などは、
全てシンプルなルールに基づいて行動している
◆ルール制定においては「境界線ルール(イエスかノーか)」を使う
泥棒は「外に車が停まっているかどうか」で空き巣に入るか否かを判断する
医師は「患者の両目が同じ方向に同時に動くかどうか」で脳梗塞か否かを判断する
◆株式投資の達人も意思決定はシンプルなルール
長きにわたってウォール街に君臨した投資家のジェラルド・ローブは、
「損失が10%になる前に損切りする」ことで成功した
◆不眠症もシンプルなルールで解消できる
1. 毎朝同じ時間に起きる
2. 眠くなるまでベッドに入らない
3. 眠くならないときは無理に寝ない
4. ベッドで過ごす時間を減らす
睡眠障害に悩む3分の2にあたる患者が睡眠の質が改善された。
E氏の私見
ルールとは厳格であり、緻密であり、やや複雑なものであるべきというのは、
私だけでなく多くの人が無意識に信じていることの一つであるように思います。
単純なルールであればあるほど、これで本当に大丈夫なのかと心配になり、
複雑であればあるほど、しっかり考え込まれて作られたものだと安心感に包まれます。
しかしながら、多くの場合、複雑なルールはうまく機能しないことが多いようです。
複雑で分かりにくいルールは混乱をきたすばかりでなく、それを守ろうとする意志さえ阻害します。
想像してみてください。
もし新しい電化製品を購入して、その説明書が200ページもある分厚いものだったら・・・。
きっと読む気も失せて、適当に使い始めてしまうはずです。
もちろん全てが単純明快なルールが最適であるとは限りません。
飛行機の操作、手術の手順、飲食チェーンのマニュアルなどは、
細部にわたって事細かに厳密なルールが制定されたものの方が良いでしょう。
ただ何でもかんでも複雑にする必要はないということです。
まずは単純なルールから試していって、足りなければつけ足していく、
そうして必要最小限の要素のみでルールを構築していくことで、
最終的にシンプルルールが完成するのだと思われます。
「ルールづくりは必要最小限のものから始める」
これもまた一つのシンプルなルールなのかもしれません。
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