私たちは何を、いかに、どう学び続けるべきか
インテリジェンスという言葉に見合う大人になりたいE氏です。
個人的にインテリジェンス溢れるビジネスパーソンの代表格といえば
池上彰さんと佐藤優さんのお二人です。
お二人は共著でいくつか書籍を出版しており、
一般的な教養領域について幅広くカバーされています。
全ての書籍に共通して言えることなのですが、
対談本のため非常に読みやすく、どれもためになることばかりです。
これからの時代を生き抜くために何をどのように学び続けるべきか、
今回のコラムでは、その知恵を授けてくれる一冊をご紹介します。
著者:池上 彰、佐藤 優
出版社:文藝春秋(2020年3月発売)
要約
●45歳は人生の折り返し地点
45歳までに自分は何をやってきたのかをリストを作って棚卸しをする
その蓄積量によって、そのあとの人生もおのずと決まってくる
●大人は好きな勉強だけすればいい
45歳以降は自分の限界を知り、何を諦めて何を勉強するかの取捨選択が大事
限られた時間を有効に使うためにも嫌いな科目の勉強はしなくていい
●SNSを控えて、本を読む
SNSは貴重な時間を奪う存在
落ち着いた空間を確保して本を読むことから勉強の習慣をつけていく
●プロにお金を払って学ぶ
独学で変な型が身に付いてしまうと矯正するのにも時間がかかる
看板をちゃんとした人がやるセミナーや勉強会が最も学習効率が良い
●アウトプットを意識して本を読む
人に話すことを前提としてインプットすると、記憶力が断然違う
目的もなく、何となく本を読んでも身になるところは少ない
●教養とは適切な場面で立ち止まれること
短いネットニュースを安易に信じないこと
自分の頭で考える習慣を身につけなければ知的水準はどんどん下がる
E氏の私見
このところ「教養ブーム」が起きています。書店の店頭には、その類の書籍が数多く並んでいます。
この本を手に取ったあなたにも、「教養を身につけなければ」という焦燥感があるのかも知れませんね。
本書の冒頭「はじめに」で池上さんはこのように述べています。
まさに私自身も同じような焦燥感、もっというと強迫観念に近いような感覚があって、
本屋に行くとついつい教養と名の付いた本に手を伸ばしてしまいます。
改めて考えてみるとその背景には、これからの激動の時代を生き抜くためにも
幅広い分野の基礎的知識が必要であるから勉強せねばならないと思っているからなのかもしれません。
しかしながら、果たして教養とは一体何なのでしょうか?
一言に教養といっても人によってイメージは異なります。
そもそも言葉としての教養が定義されないままに、
比較的自由に使われているからでしょう。
ときに教養は常識と混同されることもありますが、
常識が広く一般的な基礎知識を意味するのに対して、
教養は情報をただ単に知っているだけではなく、それを自分の考具、
つまり考えるための道具にできることを指すのではないでしょうか。
そうすると教養とは知識を活かせることであり、
知恵に近いものと認識するのが良いのかもしれません。
知識を活かすことは本を読むだけでは到達できません。
インプットしたものをアウトプットして体験を重ねることが必要条件。
本書を読むだけで教養が身につくことはありませんが、
少なくともどのように教養を身につけていけば良いのかの道は示されています。
知識だけを武装し続けて、ただの頭でっかちな常識人になることなく、
真に教養あるビジネスパーソンになりたいものです。
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