今回のコロナ禍の影響で、これまで実施していた集合型研修を
オンラインでの実施に切り替えるケースが非常に増えたのではないかと思います。
ただ、それぞれの研修の性質によるプログラムの向き不向きや特長から、
“これまでのプログラムをそのままオンライン化する”
という方法はおススメできません。
そこで、本コラムでは、
オンライン研修のプログラム設計のポイントをいくつかご紹介します。
1.時間の設計
まずは研修全体の時間について、これまで集合型研修では当たり前だった1日間の研修も、
オンラインだとなかなかそういうわけにもいきません。
PC画面を見続けたり、イヤホンから音声を聞き取り続けることからくる疲労感や、
単純に受講しながらでも、画面外ではそれ以外のことが出来てしまうことから、
集中力の持続が期待できる、2時間~半日程度の短時間プログラムを推奨します。
また、オンライン研修においては通信環境やサーバーによるトラブルがつきものです。
さらに、オンライン上での会話では、
「誰かが完全に話し終わってからでないと、なかなか話し出せない」
というデメリットがあり、対面時よりより多くの時間がかかります。
そのため、研修のタイムスケジュール内には
通常よりも多めにバッファを用意しておくと良いでしょう。
2.ワークの設計
まず、オンライン研修においては
名刺交換や来客応対といった、実技を通してスキルや型を身につけていく実践型のワーク、
また、補助道具や研修備品が必要となるワークは不向きです。
これらについては、集合研修やe-Learningなどと併用しながら
実施することを推奨いたします。
そして、ワークの設計において特に重要となるのが、ワークのアウトプット形式です。
集合研修であれば、メモ用紙や実際のホワイトボードに書き込んでいくので、
特に迷うことはありませんが、オンラインだと少し話が変わってきます。
例えば、WEB会議システム内のホワイトボード一つとっても、
書き込み方などの操作方法がわからない、共同編集のやり方がわからないなど、
内容以前の問題でつまずいてしまう方も少なくはありません。
オンライン研修におけるワーク設計は
アウトプットツールの説明等も含めて、
出来る限りシンプルなものにすることを推奨いたします。
3.受講ルールの設計
集合型研修であれば、受講者全員が同じ環境下で研修を受講するので、
特に気にする必要がなかった部分かと思いますが、
オンライン研修においては、受講者それぞれの受講環境が異なるため、
受講ルール、いわゆるグランドルールの設計が非常に重要となります。
これらはオンライン研修の質を大きく左右する要因となります。
いくつか例をご紹介しますので、以下ご参考までにご覧ください。
<オンライン研修のグランドルール>
■ハード面のルール
・マイク付きイヤホンの使用
・使用するWEB会議システムの推奨通信速度が出せるWi-Fiを使用
・PCでの受講必須
・周囲が静かな環境で受講
■受講中のルール
・基本は映像オン×音声オフ
・投げかけ時のリアクションの統一
・トラブル時の緊急連絡先の明示
など
さいごに
オンライン研修の設計は、単なる“集合型研修のプログラムのオンライン化”ではなく、
オンラインのメリット・デメリットを十分に把握した上で
それらをフル活用したデザインを心掛ける必要があります。
是非、本コラムでご紹介した3つのポイントを参考にしてみてください。
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