2022.10.17

脳の多様性「ニューロダイバーシティ」とは!?~発達障害は個性である~

ダイバーシティのプロが呟くアレコレ

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いま様々な場面で、互いの価値観や考え方を認める動き「ダイバーシティ」が重要視されています。

特にビジネスの場面においては、マイノリティや女性が差別を受けない採用活動や評価制度、処遇が
求められるようになりました。

こうした動きの中で、障害者や自閉症の方々が働きやすい環境を実現するために
「ニューロダイバーシティ」という考えが推進されています。

ニューロダイバーシティとは

ニューロダイバーシティとは、ニューロ(脳・神経)とダイバーシティ(多様性)という
2つの言葉が組み合わされた言葉です。

発達障害は「違い」のひとつであり、脳や神経に由来する様々な特性を劣勢ではなく、
多様な個性として尊重し、社会の中で活かしていこうという考え方です。

自閉症、ADHD、失語症などの発達障害は、必ずしも治療する必要はなく、
周囲による支援や協力、理解をもとに能力が開花されるとされています。

ニューロダイバーシティの歴史

ニューロダイバーシティは90年代にアメリカのシリコンバレーで生まれた言葉です。

当時、シリコンバレーでは優秀なエンジニアやプログラマーには
アスペルガー症候群の傾向があると噂されていました。

その噂が広がり、アスペルガー症候群の人はシステム化や分析に秀でているとされ、
その特性を活かして自社の戦力にしようとする取り組みが行われました。

これまでは、コミュニケーションが苦手など、「できない」ことに目を向けられ
疎外されがちだった発達障害の人たちが、彼らの高い集中力と分析的思考力など、
「できる(才能が秀でている)」部分に焦点があてられるようになったのです。

近年では、シリコンバレーに本社を構えていたテスラの創業者イーロン・マスク氏も、
アスペルガー症候群であることを明かし、話題となりました。

ニューロダイバーシティ人材の特徴

上記のような、発達障害などを持つ人はニューロダイバーシティ人材と呼ばれます。

彼らが優れている点は、高い集中力とシステム化です。そして、細部までこだわり、正確性があります。

そのためクオリティの高い成果物の作成、ミスを少なく業務を遂行できます。

また、ADHDのひとは想像力が豊かだと言われており、ニューノーマルの人が思いつかないアイディアを
豊富に思い浮かべることが可能です。

日本での取り組み

ニューロダイバーシティに向けた取り組みは、すでに大手企業でも見られます。

日本では先日、武田製薬工業が「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」を発足したことを
発表しました。

これには花王、野村ホールディングス、三井不動産など日本橋にゆかりのある企業・団体11組が参加し、
ニューロダイバーシティを実現するために取組む姿勢を示しています。

具体的な取り組みとしては、特設ページ(https://www.n-neurodiversity.jp/)を公開、
啓発冊子をデジタル配布しています。

また。今後は実態調査やワークショップを展開していくことを発表しています。

まとめ

ニューロダイバーシティは、脳や神経の違いから現れる発達障害などの違いを
優劣ではなく多様性として尊重する考え方のことです。

彼らには、高い集中力や正確性、システム化もしくは豊かな想像力があります。

企業は彼らの特徴が生きるような人材配置をすることで、
組織の生産性向上や新たな価値の創造を期待することができるでしょう。

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