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ダイバーシティのプロが呟くアレコレ

「食」におけるダイバーシティとは

2022.08.29

近年、「ダイバーシティ」や「多様性」という言葉をビジネスから日常生活まで、
様々な場面で目にする機会が多くなってきました。

ダイバーシティとは、多様性という意味で、国籍、性別、年齢、ライフスタイルなど、
互いの個性や価値観を尊重し、受け入れている状態のことを指します。

日本では、ダイバーシティ経営などビジネスの場で、
様々な働き方を受け入れようとする動きが高まっていることから、
働き方改革の一つとして、ダイバーシティという言葉を聞いたことある方々が多いかもしれません。

しかし、ダイバーシティとは実は様々な場面で考え方が広まっているのです。
その中でも、近年日本において「食」のダイバーシティが重要視されていることはご存知でしょうか。

「食の多様性」が世界中で注目を浴びている

フードダイバーシティと呼ばれる「食の多様性」が現在、世界中で求められています。

日本人にとって、馴染みがない方が多いかもしれませんが、
世界中には宗教上の問題から、口にできる食材に限りのある方がいます。
もちろん宗教に限らず、健康問題やアレルギー、ヴィーガンの観点から、
食べられない、食べないものがある人が世の中には多くいます。

この様な人々が同じ食卓を囲い、自分たちの食事を楽しめる状態のことをフードダイバーシティと呼びます。

「食の多様性」が注目されている背景

食の多様性が注目されている背景の一つに、インバウンドや在住外国人が増えたことが挙げられます。

日本では、超高齢化社会を背景に多くの企業が外国人採用を増加しています。
加えて、インバウンドの増加もあり、様々なバックグラウンドを持った人々が日本に集まるようになりました。

現在は新型コロナウイルスの影響で、海外からの観光客はかなり少なくなっていますが、
政府は2030年までに訪日外国人観光客数を6,000万人にすることを掲げています。

また、2025年には大阪・関西万博で日本国債万博会が開催される予定です。
多くの外国人が日本に訪れることが予想されるため、それに伴いフードダイバーシティに対する対応が求められています。

「食の多様性」を考える3つの観点

フードダイバーシティを適切に捉えるためには、
「食べることができないもの」「食べてはいけないもの」「食べたくないもの」の
3点から考えると上手く整理することが出来ます。

食べることができないもの「アレルギー」

アレルギー症状を引き起こしてしまうという理由から、
特定の食材を食べることができない人は一定数います。
この場合、該当する食材を口にした場合、死に至るケースがあるため、
同じ食卓を囲う場合、十分に注意を払う必要があります。

食べてはいけないもの「食の禁忌」

食の禁忌とは、主に宗教の理由が多く挙げられます。
例えば、イスラム教のハラールでは豚肉とアルコール、
ユダヤ教のカシュルートでは、イカ・タコ・エビなどの貝類が禁止されています。 

また、近年ではヴィーガンと呼ばれる肉や魚介類、卵製品や乳製品などの
動物性食品を一切口にしない人々が増えています。

食べたくないもの「好き嫌い」

個人の嗜好で、食べたくない食材がある人は多いです。

口にしても健康上問題を引き起こす可能性は極めて低いですが、
心地よく食事をするためには、一緒に食事をする相手の嗜好を把握しておく必要がありそうです。 

日本における「食の多様性」の広がり

日本において、徐々にフードダイバーシティへの理解が深まりつつあります。
例えば、とあるラーメン屋さんではヴィーガンのラーメンを提供し、
麺もグルテンフリーに対応するなどの取り組みを行っているお店があります。

また、地域でフードダイバーシティに取組んでいる場合もあります。
東京都の台東区では、「ハラール認証取得助成制度」を設け、
台東区を訪れたムスリム旅行者が安心して飲食できるような取り組みを行っています。

まとめ

6月に外国人観光客の受け入れが再開して約2か月が経ちました。徐々に町に外国人観光客増えています。
彼らが日本に訪れる楽しみの一つに、「日本食を食べること」が上位に挙げられます。

しかし、日本ではフードダイバーシティに対する理解が十分とは言えず、
楽しみにしていた日本食が食べられない方が多くいます。
日本に訪れた人、様々なアレルギーを持っている人、様々な人が、
楽しく場所を選ばず食事ができるようになるための取り組みが、いま日本に求められています。

 

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