HIPSTER GATE

読書マニアE氏の推薦ビジネス書

メンタルローテーション “回転脳”をつくる

2019.08.20

脳が持つ不思議な能力とは?

以前、実物大の脳の模型が欲しいと思ってググったら値段にビックリしたE氏です。

さて皆さんは"メンタルローテーション"という言葉をご存知でしょうか?
メンタルローテーションとは一言でいえば、「頭の中で物体をクルリと回転させる能力」のことです。

私たち人間には物体を見たとき、実に様々な角度から対象物を捉える想像力が備わっています。
たとえある一部分しか見えていなくても、その物体を物理的に移動させることなく、
脳内で補正、補完することにより、スムーズに情報処理をすることができるのです。

実際に試してみましょう。
いまこの画面をスマホで見ている人はスマホを横にして、このコラムを眺めてみてください。
(パソコンの人は、、、頑張って首を90度横に曲げてみてください。。。)

いかがでしょうか。多少の読みにくさはありますが、ある程度スラスラ読めるはずです。
これがメンタルローテーションであり、脳が持つ本質的な能力です。

さて、いつもより前置きが長くなりましたが、
今回おすすめするビジネス書はこちら。

著者:池谷 裕二
出版社:扶桑社 (2019年6月発売)

要約

●メンタルローテーションと知能指数(IQ)には深い関係がある
 IQテストに空間物体問題が含まれているなど、メンタルローテーションの能力が
 反映されるようにデザインされている。

●メンタルローテーションに男女差があるかどうかは疑わしい
 性差よりも個人差のほうが大きく、「だから男は○○で女は△△」といった
 世俗的な一般論に惑わされてはいけない。
 実際、VRのような視覚空間内で試験しても男女差は見られなかった。

●メンタルローテーションはヒト、サル、アシカ、トリなど幅広い動物に備わっている
 ヒトは3ヶ月齢くらいから芽生え、5ヶ月齢では十分な能力を発揮することが分かっており、
 メンタルローテーションは生物にとって早く発達する必要がある能力である。

●メンタルローテーションは仮想的な身体運動である
 頭の中で物体をクルリと回転させるイメージ操作なのではなく、
 実際には自分自身が物体の周りを巡って別の角度から眺めている。
 つまり、自己中心的ではなく対象中心的とした視点移動である。

●メンタルローテーションを行っている時は脳の上頭頂小葉が活発になっている
 上頭頂小葉は「内観」を生み出す働きを担っており、客観的に「今の自分の状態」を認知するのに必要。
 自分を冷静に眺めて自己分析したり、自己修復(自分の短所を反省する)したりするのに役立つ。

●メンタルローテーションは努力で鍛えられる
 上述のように本質は身体運動であるため、赤ちゃんが体の使い方を覚えていくように、
 メンタルローテーションは誰でも訓練によって向上させることができる。

【問題例】
枠内のブロックと組み合わせた時、3×3の立方体になるのは、
次のア~エのどれでしょう?

【答え】
本書でご確認ください。

E氏の私見

池谷裕二さんの本はいくつか読んだことがありますが、語り口が軽妙でとても読みやすいのが特長ですね。
しかも本書は300ページあるなかで260ページくらいは、メンタルローテーションの問題になっているので、
クイズが好きな方、脳を鍛えてみたい方、活字が苦手な方には打ってつけの本です。
私も頭の中でグルグル回転させてみては、ああでもない、こうでもないと夢中になって解きました。

本書の中で池谷さんは、メンタルローテーションは「垂直思考」と「水平思考」に応用できると説いています。
ビジネスの世界では、垂直思考はロジカルシンキングのことで、一つの問題を徹底的に深く掘り下げて考え方。
水平思考はラテラルシンキングと呼ばれ、現象を様々な角度から眺め、自由で大胆な発想をする考え方ですね。

両者は社員研修でも取り上げられることが多く、フレームワークを学んで演習で実践という流れなのですが、
例えば演習の代わりにメンタルローテーションの問題を活用してみても面白いのかもしれません。
実際にメンタルローテーションの能力は論理力や算術力、問題解決力とよく相関するようですので、
ビジネスにおける知的能力のベースアップには役立つでしょう。

ちなみにメンタルローテーションは本書のクイズだけでなく、日常生活の中でも鍛えることができます。
私が普段行っているのは、「スマホの地図アプリ」での訓練です。
いまの地図アプリは便利なもので、目的地をセットすれば自動でルートを算出し、
進むべき方向と方角を指し示してくれます。
つまり、何も考えなくてもスマホの指示に従えば済んでしまうわけです。
それでは脳の活性化にはなりませんので(むしろ退化するのではと個人的には思う)、
現在地と目的地の場所だけを確認したらスマホを閉じて、
あとは脳内地図を頼りにひたすら突き進みます。
もちろん道に迷うこともありますが、何度か試行錯誤を繰り返していくうちに、
脳内地図がアップデートされ、精度が高くなっていきます。
さらに歩きスマホにならず、周りの景色を楽しむこともできますので、
メンタルローテーションを鍛えたい方にはオススメです。

今回は以上です。
それではまた次回お会いしましょう!

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