ヒップスターゲート

有料級の情報の泉!セミナーログ

研修講師・松本敏明が語る「緊急提言!【23年度新人研修振り返り】自律型新人を育てる上司・先輩の関わり方とは?」

2023.07.06

会社側は、自律して働く姿勢が早期に身につくことを期待して新人研修を企画するのですが、思うような効果が得られないことも多々あります。実際のところ、研修だけでは基礎的な知識やスキルの習得に終わり、自律的に働くマインドを定着させるのは難しいものです。だからこそ新人研修が終わった後、現場配属されてからの周囲の関わり方が非常に重要なのです。新人に対する職場での成長支援策、有効なフォローアップの方法とは、どのようなものなのでしょうか。

セミナー名

緊急提言!【23年度新人研修振り返り】自律型新人を育てる上司・先輩の関わり方とは?

アジェンダ

・2023年度の新入社員の傾向
・新入社員との向き合い方
・自律型人材を育てる組織・上司・研修の役割とは?

2023年度の新入社員の傾向

人材育成担当者様や研修講師からのヒアリングによると、23年度の新入社員の傾向は「良くも悪くも目立つ行動を取る人がいない」「真面目で素直」「相手の意見を否定しない」の3つに分類できます。

この傾向は対面の研修とオンライン研修で共通して見られた印象です。特に、様子を伺ったり、遠慮し合ったり、空気を読むような言動が多くありました。しかし一方で、受け身の姿勢でもなく、学ぶ意欲がないわけでもありません。真面目で素直で、学習することには積極的な意欲を見せる一面も持ち合わせていました。

また、コロナ禍によりリアルなコミュニケーションが取りにくい状況が続いた影響もあってか、少人数でグループディスカッションをさせても議論に発展性がありません。自分の考えとは違っていても、意見を飲み込んでしまう様子があったように感じています。

もしかすると背景にあるのは、育ってきた環境もあるのかもしれません。SNSでのコミュニケーションが当たり前で、対面コミュニケーションを取る必要性がそこまでないまま成長してきたとも言えます。

新入社員との向き合い方

こうした傾向を踏まえて、新入社員を受け入れる側の上司や先輩がどのような関わりを持つべきなのかを考えていくと、「好奇心」が最も重要なキーワードであると思っています。好奇心とは、ワクワクや楽しいという感情、もっと知りたいという欲求ですね。

「これは一体どうなっているのだろう?」という興味関心は、人間が生まれたばかりの赤ちゃんから備わっているものです。いま何をやりたいのか、何をやっているときが一番ワクワクするのか、ここを押さえて伸ばしてあげることがポイントではないでしょうか。アメとムチを使って、上司が思う方向に無理やり行かせようとするよりも、新入社員が興味関心を持っている物事にアンテナを張って寄り添うことが非常に大事なのかなと思っています。

しかし、会社や組織の中においては、成果も求められるので、何でも好き勝手にやっていいというわけにはいきません。この限られた条件の中で、いかに好奇心を育んでいくのか。仕事って面白い、自分で考えて工夫してやってみたい、と思わせられるかどうかが鍵ですね。

好奇心を育てる3つの観点

好奇心を伸ばすためには次の3つの視点を持つことが重要です。

多様性の観点

多様性は最近のトレンドワードにもなっていますが、あらゆる立場の人の考え方、価値観を踏まえた視点を持てるかどうかですね。「新入社員」と画一的に捉えてしまうと、可能性の芽を摘んでしまうこともあり得ます。当たり前の話ですが、一人ひとりを見つめる視点を持つことが、好奇心を伸ばしていくことに繋がっていくはずです。

探究の観点

探究の視点は上司や先輩のみならず、新入社員本人にも持ってもらいたいものです。とくに新入社員には「なぜこうなっているんだろう」「どうしたらもっとうまくいくんだろう」というように、物事を深く考え、本質を捉えようとする思考や観点を期待したいです。探究の観点が職場に文化として根付いていると、新入社員もそれに倣います。忙しいと物事を表面的に済ませてしまうこともありますが、やはり大事なのは、中長期で見た時のパフォーマンスや成果です。そうした時に、探究の視点があるかないかは、結果に大きな差を生じさせると思います。

問いかけの視点

問いかけは、上司が「多様性と探求」を新入社員に気づかせるための質問です。育成側の上司には、問いかけによって本人に気付かせる質問スキルを持っていてほしいものです。ただ教えるだけではなくて、いかに本人に考えさせ、気付かせるか。問いかけが上手になると、新入社員の好奇心が伸びていきやすいです。

自律型人材を育てる組織・上司・研修の役割とは?

会社や上司・先輩からすると、新入社員には自律型人材に育ってほしいと思うわけですが、具体的にどのような支援が必要なのでしょうか。組織・上司・研修の観点から紐解いていきます。

組織の役割

自己組織化されたチームを作ることです。昨今、WBCなどで日本のチーム力みたいなところがスポットライトを浴びました。ここには一人ひとりがしっかりと考えて動く力を持っていることが大前提にあります。当たり前ですが、個人が受け身の状態では、チーム力、組織力、パフォーマンスは最大化していきません。

そのため新入社員をはじめチームメンバーに決定権を委譲していくことが、本人の自主性を育てることに繋がっていきます。子育ての話で恐縮ですが、子どもが歩き始めるのと全く同じプロセスです。親が転ばせないようにすればするほど、本人は転び方がわからなくて、受け身の取り方を知らないまま成長していきます。そのまま大人になれば、転んだ時に大怪我をしてしまいますよね。そのため、致命的な怪我にならない限りは、ある程度は自由にさせて転ばせる、失敗させる経験が大事になってくるのです。

上司の役割

上司としては、まず新入社員との対話を通して、本人の強みをしっかりと把握することです。そのうえで、その強みが活きるような業務を任せてみること。そして、そのプロセスの中でフィードバックを与えていきましょう。フィードバックは結果に対して行うものだと思われがちですが、行動したこと自体に肯定的なフィードバックをしてあげると、新人本人が行動することに意味があると認識できるので、自律が促進されていきます。

研修の役割

研修内容が最新のものにアップデートされているかはぜひ気を付けていただきたい点です。昨今のビジネス環境は動きが激しく、世の中の状況は常に変化しています。今良いと言われているものが、1年後、全く違った評価に変わっている可能性もあるわけです。それこそAIの出現によって、教育全体が大きく変わっていく可能性もあると感じています。それにも関わらず、10年前と同じような内容の教育・研修をずっとやっているのであれば、さすがに今の時代にマッチしないなと思うわけです。研修をこまめにアップデートして、現代の若者、新入社員の考え方や価値観にフィットさせているかどうかは、とても大事なポイントだと思います。

松本 敏明 氏

株式会社ヒップスターゲート 研修講師

1979年、東京都生まれ。2011年にプロコーチの資格を取得後、ロンドンオリンピックの日本人選手をコーチングでサポートするプロジェクト「ロンドン38+」で2年間活動。「心の整え方」や「成長サイクルの考え方」を活かして、現在に至るまでサッカー日本代表選手、J1選手、J3チーム首脳陣、プロを目指す高校球児、スラックライン元世界ランキング1位女子選手など、種目や性別を問わず世界レベルで活躍する選手を継続的にサポートしている。

アーカイブ配信の申込

本記事内容についてもっと詳しく知りたい人の為に、セミナー動画のアーカイブを配信しておりますので、お気軽にお申込みください。(同業の方はお断りします。)

・視聴期間:申込日から14日間
・視聴方法:申込日より3営業日以内に担当者からメールでご連絡いたします。
・視聴制限:視聴期間中は、いつでも・何度でも繰り返しご覧いただけます。

お気軽にお問い合わせください!月-金/9:00-18:00

お電話でのお問い合わせ 0354650506 メールでのお問い合わせ お問い合わせフォーム