目的設定における重要な4つの領域
研修を行うにあたり、目的設定は必要不可欠である、
と前回のコラムでお伝えいたしましたが、
この研修目的を以下の4つの領域から考えると
より効果的な目的を設定することができます。
①認知領域…どんな知識を習得してもらうか
②感情領域…どのように感じてもらうか
③行動領域…どんな行動をとってもらいたいか
➃対人関係領域…どんな相手や状況に対して、何ができるようになってほしいか
これらを実際に例にはめ込んで考えてみましょう。
比較をするために前回のコラムで使用した営業研修のケースを使うこととします。
(研修実施の背景やニーズというものは一旦無視します)
それぞれの領域から考える目的の違い
①認知領域
この領域における「知識」というのは
「研修後に習得するスキルや行動における前提知識」という意味を持ちます。
なぜなら、研修は知識の習得だけでは完結しないからです。
そこで得た知識を持ち帰り、職場で実践し成果を出すことが重要であるということです。
つまり、知識習得レベルの目標設定にとどまらず
「どのレベルまで学び」、「どう活用するか」まで見据えた目標設定が重要です。
<CASE例>
・A社とB社の営業フローの違いを理解する
・A社のクロージング技術を学ぶ
②感情領域
我々が行動変容を起こすには、知識だけでなく
そこに感情が伴うことが必要不可欠です。
研修で得た知識を持って、行動を変えよう!という感情を持ってもらうために
「研修中にどんな感情を持つか」だけでなく
実践の場において「どんな感情になっていてほしいか」を想定して
目的を考える必要があります。
ただし、この領域目標は受講者に示す必要はありません。
例えば「○○を好きになってもらう」が目的の研修だと、どうでしょうか?
おそらくほとんどの人が抵抗を感じることでしょう。
あくまで「研修のデザインにおいて意識しておく必要があるもの」ということです。
<CASE例>
・A社の営業は面白そうだと感じてもらう
・A社の営業なら結果が出せそうと感じてもらう
③行動領域
前述にもある通り、研修はゴールではなく
得た知識を持ち帰り、職場で実践し成果を出すことが重要です。
なので、この領域においては
「何ができるようになってほしいか」、あるいは
「どんな行動をとってほしいか」を明確にする必要があります。
<CASE例>
・基本的な営業活動は一人で問題なく行えるようになる
・未経験者視点で客観的にA社営業の課題点を見つけ、フィードバックをし
よりよい営業スタイルにブラッシュアップしていく
➃対人関係領域
これまでの3つとは違い、「相手や状況に合わせて行動する」という応用的な目標です。
「どんなシチュエーションでも、いつも同じ対応しかできない」
ではもちろんダメです。
基本知識やスキルを身につけたうえで
「○○な相手」、「○○な状況」に対して、
「どのようなことができるようになってほしいか」を明確にする必要があります。
<CASE例>
・緊急性の高いお客様に対しては迅速な対応ができるようになる
目的の精度を高めることは必要不可欠
これら4つの領域で目標設定をし、
研修目的の精度を高めていくことは
効果的な研修デザインには必要不可欠なのです。
次回は目的設定における
もう一つの重要なポイントについてお話しますのでお楽しみに!
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