アフターコロナにおけるダイバーシティ戦略
2021.09.24
ツイート近年、注目を集めている「ダイバーシティ」。
アフターコロナにおいても、注目される経営戦略であることは十分に予測できますが、どのような点が変化していくのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
そもそもダイバーシティとは?
ダイバーシティとは、直訳すると多様性を表します。年齢や性別、人種や宗教などに超え、様々な人が集まっている中で、多用な働き方を推進していくことを指します。
近年の日本では非常に注目度が高く、組織の生産性向上や競争力強化という観点から、多くの企業で取り入れられてきました。
これまでのダイバーシティ
コロナ禍以前のダイバーシティを振り返ると、女性活躍を連想する方は多いのではないでしょうか?実際にこれまででは、「女性の活躍」や「女性役員の登用」などが注目されがちでした。働く女性の活躍を推進することが、すなわちダイバーシティとして認識していた企業もあるでしょう。
また、世の中の風潮が相まって、LGBTQなどについても多く語られるようになりました。セクシャルマイノリティを表す言葉として知られ、企業内でもLGBTQの存在を認知し、対応を検討する企業も増えました。
もちろんダイバーシティを語る上では、これらが全てではありません。しかし多くの企業が取り組んだこととして、理解がある方は多いのではないしょうか。
アフターコロナのダイバーシティとは?
では、アフターコロナにおいては、ダイバーシティはどのように変化するのでしょうか?
想定される内容を詳しく見ていきましょう。
ダイバーシティに求められるもの
圧倒的な柔軟性
これまでの「女性活躍」や「LGBTQの理解促進」などに加え、企業はより高い柔軟性を求められています。
アフターコロナと言っても、完全に新型コロナウイルス感染症がなくなるとは考えられません。また、似たようなウイルスが登場する可能性もゼロではないでしょう。したがって間違いないと言えることは、コロナ禍以前の働き方と、全く同じ日常に戻ることはないということです。
日々変化する社会情勢に合わせて、企業は社員が安心・安全に就業できることはもちろん、働き方の転換を積極的に行う必要があるのです。これまでのやり方に固執するのではなく、適宜世の中に対応する柔軟性が求められていると言えるでしょう。
アフターコロナにおける変化
働き方の変化
新型コロナウイルス感染症が私たちにもたらした、大きな変化のひとつに働き方があります。これまでは出社前提だった勤務は、リモートワークが前提の勤務となりました。また、出社しないことを前提に、富士通やZOZOテクノロジーズが遠方勤務を認めています。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68281050Z10C21A1MM8000/
参考:https://press-tech.zozo.com/entry/20210118_zozotech
このように働き方が変わると、今までのような制度や仕組みの運用では、網羅できない部分が出てくるでしょう。しかし、コロナ禍以前よりも多様な働き方を前提とした価値観が主流となっています。では企業は、どのようなダイバーシティ戦略を推進していくべきなのでしょうか?
アフターコロナに求められるダイバーシティ戦略とは?
生産性向上を目指したダイバーシティ戦略
アフターコロナにおいては、コロナ禍の制限が緩和され、より自由な働き方が広がるでしょう。自由な働き方が広がるということは、企業の視点に立つと、さらに社員それぞれの背景を認め、働き方を多様化させる必要があります。
コロナ禍以前は、「自宅か会社か」といった働く場所の選択や、「フルタイムか時短か」といった二者択一の調整がほとんどでした。しかし世の中の事情が変わり、社員それぞれの家族構成や背景事情によって、どのような場所で、どうやって働くと最も高い生産性を期待できるのか、一概に言えなくなっています。
企業は社員の生産性向上、さらには能力の最大化を目指し、働き方や働く場所、働く時間の多様性を持つ必要があるでしょう。制度や仕組みがなければ、声を上げにくい社員もいるかもしれません。まず取り組んだ上で、必要なければやめてみるといった柔軟性も必要になってくるでしょう。
成績評価におけるダイバーシティ戦略
これまでは全員が出社していたため、仕事の進め方や成果物をすぐに確認することができていました。しかし働き方に多様性が生まれることで、社員それぞれの時間の使い方や成果物を確認することが難しくなってしまいます。
また、評価をする側だけではなく、評価された側も適正を判断しにくくなります。他者比較が困難になるため、自分の評価に対する納得感を持つことが難しくなるでしょう。
なぜこの評価なのかということを本人、そして周囲にきちんと伝えるコミュニケーションや、仕組みが必要不可欠です。この機会に人事制度や評価基準の見直し、より納得感が高い評価という観点で、ジョブ型の組織に切り替えるなど、前向きな対応を検討してみてはいかがでしょうか。
人材獲得のためのダイバーシティ戦略
ダイバーシティ経営の推進は、多くの企業が実施していくでしょう。したがって、コロナ禍以前よりも就業者は色々な企業を選択しやすくなります。選択の幅が広がれば、優秀な人材は多くの企業で獲得競争が起こるでしょう。
したがって、優秀人材を獲得できるような制度や仕組み、さらには採用戦略やブランディングが重要となります。また、これまでのような人材を優秀とするのではなく、職種に特化した方を週に一度雇用したり、インターン生や高齢者など、幅広い世代を雇用するといった工夫が重要です。
優秀な人ほど、会社を選びやすい世の中になることを前提に、週5でコミットしてもらう以外の方法を検討しても良いかもしれません。柔軟な発想で、ピンチをチャンスとして切り替えましょう。
まとめ
アフターコロナにおいては、ダイバーシティはより重要視されるでしょう。コロナ禍以前と比較すると、企業の柔軟性が必要となる中で、ダイバーシティ戦略は非常に重要です。
数年後ではなく、数カ月先もぼんやりとしている現状だからこそ、納得感が高いダイバーシティ戦略で乗り越えていきましょう。
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