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誰でもできる自己肯定感の高め方~ネガティブ要因の特定と3ステップがカギ~

2021.09.27

近年、「自己肯定感」という言葉がメディアを闊歩しています。それだけ、多くの人が「自己肯定感の低さ」を自覚し、改善したいと考えていることの裏返しでもあります。

今回は、専門家たちのさまざまな提案を咀嚼して、立ちはだかる壁や課題の克服につなげていくための「誰でもできる自己肯定感の高め方」を提案します。

「自己肯定感」とは?これから自分が進化するための大事な基盤

「自己肯定感」とは「今の自分をポジティブに肯定できる感情」、例えば、今の自分のままでよい、あるいは今の自分には生きる価値があると感じることです。

自己肯定感と仕事の成果とは直接的な関係があり、自己肯定感が高いと仕事のパフォーマンスが上がることがわかっています。逆に、自己肯定感が低いと、仕事で成果が出ない、人間関係に支障が出る、何をやってもうまくいかない・続かないという、負の連鎖に陥ることになります。

自分の目標達成、あるいは自己実現のための基盤として、自己肯定感、それも高い自己肯定感が必要になるのです。

日本人の若者の自己肯定感は他国に比べて低い傾向

内閣府は2018年に、各国の満13歳から29歳の男女に対して、若者の意識に対する調査を実施しました。調査の分析結果から、日本人の若者は、他国の同年代の人々に比べて、自己肯定感が低い傾向にあることが浮き彫りになりました。

※内閣府『令和元年版 子供・若者白書(概要版)「特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」』から一部抜粋

上記で取り上げた2つの質問は、自己肯定感を測るための代表的な質問です。どちらの質問についても、日本の若者の「そう思う」という回答は10%代であり、調査対象国の中でダントツに低い数値となっています。

こうした日本の若者、ひいては多くの日本人の自己肯定感の低さは、無意識の行動または思考パターン、本人の性質に起因する場合が多くあります。そのため、何もしないで待っているだけでは自己肯定感は高まりません。

自己肯定感を高めるには?3つのステップでポジティブな自分にアップデート

まずは「自己肯定感の低い自分を変えたい」という意思をもつこと。これがすべてのスタートです。

次に、意識的に現状を認識し、適切な対策をとることで、着実に自己肯定感が高まり、目標達成能力の向上や仕事のパフォーマンス改善につながっていきます。

ここでは、誰もが取り組める3つのステップによる、低い自己肯定感を高める方法を紹介します。

自己肯定感を高めるためのステップ1 ― 自己肯定感を下げている要因を探る

メンタルコーチの中村 輝氏は、東洋経済ONLINEに『「自己肯定感が低い人」に足りない6つの感情』(2020430日付)という記事を投稿しています。その中で、自己肯定感は「6つの感」によって形成されており、そのうちの一つが傷つくだけでも、それ以外の感と相互作用し、結果として自己肯定感が下がってしまうと指摘しています。

※中村 輝氏執筆 東洋経済ONLINE『「自己肯定感が低い人」に足りない6つの感情』
2020430日付)から、筆者がイメージ化

最初に、自分の自己肯定感を下げている要因が、上図の6つの感のうちの何であるかを分析します。

ビジネスシーンで認識しやすいのは「自己決定感」や「自己効力感」、「自己有用感」でしょう。

自分の判断に自信がもてず、第三者の意見に合わせてしまうと、自分自身で判断したという「自己決定感」が損なわれ、「自己効力感」(自分はできるという感情)や、「自己有用感」(自分は役に立っているという感情)を感じられなくなります。

こうした状況下に置かれると、今の自分にネガティブな印象しか持てなくなり、「自尊感情」(今の自分には価値がある)、「自己信頼感」(自分の行いが正しいと信じる)、さらには「自己受容感」(自分のありのままの姿を受け入れる)さえも、もてなくなります。

これによって、時には「自己否定感」、つまり、自分なんか何をやってもダメだ、自分には何の価値もないなど、自分の存在意義を貶めるネガティブな感情が生じることもあります。

自己肯定感を高めるステップ2 ― 1つでもよいので、ポジティブ感をもてるようにする

上述の中村氏は、6つの感は密接に連携しながら、自己肯定感という感情に作用すると述べています。そのため、6つのうちの一つが好転するだけでも、その影響が他の5つの感に伝播して、自己肯定感を高める結果を期待できます。

自分で決められなかった、つまり自己決定感の喪失が根本にあると認識できていれば、「最終的な判断は自分が下す」ことを常に心掛けることで、次第に自己決定感が満たされるようになります。

根本的な原因であった自己決定感の喪失が回復することで、一気に自己効力感や自己信頼感、自尊感情が改善し、その後すべてに作用して自己肯定感が高まります。

自己肯定感を下げていた直接的な原因に楔を打つことで、もっとも早く自己肯定感を高めることができるでしょう。

自分だけでは自己決定感の回復は難しいという人の場合は、他の5つの感のうち、取り組みやすい1つの要因に対処するだけでも効果があります。1つの感が回復すると、次第に全体にプラスの影響を及ぼし、ゆくゆくは自己肯定感も高まってきます。

どうしても自信をもって自分で判断を下せない、得意なことなんてないという人でも、「自己受容感」の回復なら、もっと簡単に、いつでも誰でも取り組むことができます。

できることとできないこと、長所と短所、好きなことと嫌いなことなど、どんな場面においても、ありのままの自分の姿を「自分はこんな人」と受け入れることが「自己受容感」です。自己受容感が高まるだけでも、回りまわって、他の5つの感にもプラスの作用が及びます。

自己肯定感を高めるステップ3 ― 4行日記で自己受容感アップトレーニング

 自己受容感を回復させる方法は、専門家から、さまざまな方法が提示されています。

その中から、精神科医の樺沢紫苑氏が提唱する「自己受容の4行日記」(東洋経済ONLINE『自己肯定感が低すぎてつらい人のための処方箋』、202039日付)を紹介し、自己受容の4行日記をもとに、誰もが取り組みやすい、シンプルな方法を提案します。

樺沢氏発案の「自己受容の4行日記」は、以下のような構成で毎日書き留めます。

わざわざ日記なんか書きたくない、毎日日記を書くのは大変だ、そんな人は、毎晩、寝る前に、自己受容の4行日記を心の中でつぶやいてもよいでしょう。

大事なことは、毎日ネガティブな自分とポジティブな自分をしっかりイメージし、認識することです。この取り組みを継続することで自己受容感が高まり、それがゆくゆくは自己肯定感の向上につながります。

 

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