「伝える」と「言う」には違いがある

2023.07.18

人材育成におけるコミュニケーションは、社員との相互作用を通じて
知識やスキルを共有し、成長を促進するために欠かせません。
コミュニケーションを取るには相手に自身の考えやすべきことを
「言う」または「伝える」の2パターンがあります。
どちらも同じように感じられますが、意味合いが少し異なっています。

今回は「言う」・「伝える」の違いについて解説していきます。

「伝える」ということ

まず初めに「伝える」とは、単に情報や指示を伝達することを意味しています。
これは一方的なコミュニケーションであり、相手の理解や共感を考慮する余地が少ないです。

例えば、トレーニングセッションで講師がプレゼンテーションを行い、
情報を一方的に伝えることは「伝える」行為と言えます。
しかし、この場合、参加者の理解やフィードバックを受けることなく、
情報の伝達が終わってしまいます。

一方で、「言う」とは、相手とのコミュニケーションを通じて
意見や感情、理解を共有する行為を指しています。
これは一方的にではなく、双方向のコミュニケーションであり、
相手の立場や視点を尊重しながら、共感し合いながら意見を交換することです。

例えば、トレーニングセッションで講師が参加者と対話し、
彼らの経験や意見を積極的に受け入れることは「言う」行為と言えます。
この場合、参加者は自身の意見やフィードバックを述べることで、
共感や理解が深まり、より有意義な学びが生まれます。

なぜ人材育成において「言う」が重要となるのでしょうか。
それは、相手との共感や理解を築くことが、成果を最大化させるからです。

相手の意見やフィードバックを受け入れ、共感し合いながら
コミュニケーションを行うことで、双方の関係性が深まっていき、
より良い学びと成長の機会が生まれやすくなります。

また、相手の意見や視点を尊重することで、彼らのモチベーションや参加意欲を高めることもできます。
効果的な「言う」のためには、以下のポイントに留意することが重要です。

相手の感情やニーズに共感し、理解を示すことで、信頼関係を築くことができます。
これにより、参加者は積極的に自身の意見や考えを述べることができるようになるでしょう。

双方向のコミュニケーションを促進するためには、
質問やフィードバックの機会を設けるようにしましょう。
参加者からの意見や考えを引き出し、それに対して適切なフィードバックをおこなうことで、
より深い理解と学びが生まれるでしょう。

参加者同士が自由に意見を交換し、アイデアを出し合える環境を整えましょう。
これにより、より多様な視点や知見が得られ、
参加者の成長と共に組織全体のイノベーションも促進されるようになるでしょう。

人材育成では、「伝える」と「言う」の違いが重要となります。
ただただ情報を伝えるだけではなく、相手との共感や理解を大切にしていきましょう。

「伝える」は一方的なコミュニケーションで、情報や指示を伝えることです。
しかし、「言う」はお互いに話し合い、意見を交換しながら進めることです。

効果的なコミュニケーションのためには、次のポイントに注意しましょう。
相手の感情やニーズに共感し、理解を示し、信頼関係を築きます。
質問やフィードバックを重視し、双方向のコミュニケーションを促進します。
また、自由な対話の場を提供し、異なる視点や知識を得ることができます。

人材育成では、相手とのコミュニケーションを通じて共感や理解を深めることが重要です。
双方向の対話や共感を大切にし、参加者の意見やフィードバックに真摯に耳を傾けましょう。
これにより、良い学びと成長の機会を作り、組織と社員の双方にとって有益な人材育成を実現しましょう。