2023.07.13

働きアリの法則から考える組織強化

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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働きアリの法則とは

働きアリの法則は、「2:6:2」とも表され、組織内で真剣に働いているのは全体の20%に過ぎないという法則です。

実際には、働きアリの中で能動的に仕事をこなすのは20%のみであり、残りの60%は通常通り働くアリで、残りの20%は怠け者のアリから構成されています。

この割合は、集団が変わっても同様のグループに分かれることが明らかになっています。言い換えれば、優れた働きアリの20%だけを集めたグループを作っても、時間の経過とともに「2:6:2」の割合に分かれてしまうということです。

同様に、働かない20%のアリだけを集めた集団でも同じ変化が起こることがわかっています。

 

働かない2割が生まれる理由

働きアリの法則によると、働かない2割が存在するのは反応閾値の影響があるとされます。

反応閾値とは、刺激が発生する最低限の量を示す言葉であり、ある値を超えた時に反応が起こる境目と言えます。

仕事において反応閾値が低い社員は、わずかな刺激でも迅速に行動に移しますが、反応閾値が高い社員は鈍重でなかなか行動に移れません。

その結果、行動の速さに優れた社員に仕事が集中し、働かない2割の社員が生まれると考えられています。

このように、仕事への反応の速さは成果に密接に関連しており、反応閾値の差は非常に重要です。

仕事が人生の大部分を占めるなかで、この差は非常に重要であり、「仕事に対する積極性」と「行動の迅速さ」は成果につながる要素であり、能力向上において非常に重要なポイントです。

 

働くアリだけ集めても良いチームは作れない?!

実験では普通に働く6割のアリとよく働く2割のアリだけでグループを形成しても、2割のアリが8割の仕事を引き受けてしまうことがわかりました。

驚いたことに、よく働くアリのグループからは2割の働かないアリが出現したのです。

また、働きアリの法則が状況に変化しても有効なのは、反応閾値の差がその原因だとされています。

反応の差によってよく働くアリの序列が決まり、仕事量で区別したアリの割合は2:6:2のままであるという結論に至りました。

そのため、優秀な人材だけを集めても、必ず中間層や下位層が生まれます。

つまり、社内で優れた成績を収めた人材だけを集めてチームを組織しても、その中からは必ず「成績の中くらいの人」と「怠ける人」が現れることが考えられ、資金や努力を惜しまず人材を集めても、「全員が働きアリの組織」を作ることはできません。

層をなくすことではなく、各層に適切に対応することが重要であることを認識しておく必要があります。

 

各層へのアプローチ

上層には難易度の高い課題を与える

上位層には、「モチベーションを高めるために難易度の高い課題を与える」というアプローチを取りましょう。

これにより、日々の業務における「慣れ」や「飽き」を解消し、モチベーションを向上させる効果が期待できます。

さらに、上位の社員には責任の大きな仕事や売上への直接的な関与を求めることで、チーム全体のパフォーマンス向上を図ることができます。

また、優秀な人材は将来的には組織の運営に関わる可能性が高いため、マネジメントスキルの習得も重要です。

社内研修やセミナー、メンター制度などを通じて、管理職としての教育を行うことで、期待に応える実感を得てモチベーションを維持することができるでしょう。

 

さらに、上位の2割の社員は自主的に仕事に取り組む傾向があります。

彼らは会社にとって重要で有益な存在ですが、さらなる成長のためにはより高い目標を設定することが重要です。

ただし、肉体労働には限界があるため、高い目標を達成するためにはアイデアを活用して克服するように指導しましょう。意見交換の場を設けて、効率的に目標を達成するための議論を促し、より高い目標に向けて進んでいくようサポートしましょう。

 

中間層には主体性を伸ばす課題を与える

中間層の社員には、「問題解決能力の育成」「プロジェクトチームの編成」「ロールモデルの設定」といったアプローチが有効です。

中間層には、自主的に課題を見つけて解決に取り組む姿勢やモチベーションが欠けているケースがあります。管理職のフォローのもとで、彼らに自主的な課題設定や解決に挑戦する機会を繰り返し提供することで、彼らの業務範囲を広げることができます。

また、中間層のメンバーだけでプロジェクトチームを組むことも有益です。上位層に頼れる存在がいないため、問題解決のための意見交換が活発化し、全員が試行錯誤しながら解決策を模索することになります。

協力して問題解決に取り組むことで、一人ひとりのスキルアップに貢献します。

さらに、中間層は方向性を見失ってモチベーションを保つことが難しい場合もあるため、ロールモデルを設定することもおすすめです。

 

下位層にはパフォーマンス不調の原因解明を行う

下位層に対しては、まずパフォーマンス不調の原因解明に取り組みましょう。

仕事環境の不適合やスキルと業務のミスマッチ、人間関係の悪さなど、さまざまな要因が関与しています。ヒアリングを通じてパフォーマンス不調の理由を明確にし、解決策を見つけることが重要です。

また、下位層の社員は自身の能力を十分に把握できない場合や具体的なキャリアプランを描けない場合もあります。そのような時には、マネージャーやリーダーが客観的に評価し、簡単な課題を与えてみましょう。

与えられた課題を通じて、自分に求められている役割や必要なスキルを理解できるはずです。

成功体験を積むためにロールモデルを示し、フォローアップを行うことでモチベーションを向上させる取り組みを行いましょう。

また、働きアリの法則における下位の2割の社員は、自分にどのような仕事が求められているか分からない場合や自発的に行動に移せない場合が多くあります。

そこで、個々に小さな課題を与えることが効果的です。また、下位2割の社員だけが発言できる場や勉強会を開くことも有益です。

そうすることで、リーダー的な立場を持つ上位2割と一般的な参加者である6割の社員が交流し、活発な意見交換が生まれます。残りの2割の社員には、まずは小さな課題を達成することを通じて、仕事への自信と主体的な行動力を育んでいきましょう。

 

まとめ

働きアリの法則に基づいて組織内の各層に対して適切なアプローチを行い、全体のパフォーマンスを向上させることが重要です。

上位層には難易度の高い課題を与えてモチベーションを高め、中間層には主体性を伸ばす課題を与えて問題解決能力を育成し、下位層にはパフォーマンス不調の原因解明を行い、小さな課題を与えて自信と行動力を育みましょう。

優れたチームを形成するためには、各層に適切なサポートと指導を行い、それぞれの個人の成長と能力向上に貢献することが必要です。

全てのアリが働きアリとなることは難しいかもしれませんが、各層がバランスよく機能し、組織全体が協力して目標に向かうことができる環境を作り上げることが目指すべき姿です。

 

 

 

 

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