VUCA 変化の時代を生き抜く7つの条件
2020.09.08
ツイート時代や環境変化への適応なくして生き残りはない
テレビや書籍、SNSなどでも目にする機会が多くなった「VUCA」。
このVUCAを最も体感的に理解しているのは、おそらく経営層の人々でしょう。
2000年代以降、世界経済は急速にグローバル化が進み、市場は急激な変化を遂げてきました。
そこからリーマンショック、東日本大震災、そしてコロナウイルスと未曽有の事態が襲い掛かり、
まさに経営者は先行きの見えぬ一寸先は闇の中で経営の舵取りをしてきたのです。
そんな彼らにとっては、"現代社会は安定で不確実で複雑で曖昧なもの"とは言われるまでもなく、
身を持って体験してきた当然の事実といえるでしょう。
一方でビジネスパーソン、とりわけ労働者の肌感覚はどうでしょうか?
何かあっても会社が守ってくれる。自分にはあまり関係のない話。
このように考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、この考えは近い将来、確実に通用しなくなります。
大企業、中小企業など企業規模に関係なく、会社はいつ潰れるか分かりません。
それにも関わらず企業に依存したキャリアを選択し続けることは、リスクが高いと言わざるを得ません。
VUCA時代、私たちが真に目指すべきキャリア、志向は一体何なのか。
考えるヒントを教えてくれるのが、こちらの本です。
著者:柴田 彰、岡部 雅仁、加藤 守和
出版社:日本経済新聞出版社(2019年11月発売)
要約
◆名門企業・優良企業でも倒産の危機は十分にある
東芝、JAL、DeNA、ライザップ、ミクシィなど有名で名の売れた企業であっても、
急転直下で凋落すること決して珍しいことではない
◆日本企業は優秀さを再定義する必要がある
日本…会社に忠義を尽くし、努力を惜しまず真面目に働いて成果を出すこと(プロセス重視)
海外…合理的でスマートな働き方により成果を出すこと(結果重視)
◆分不相応な仕事を経験せよ
仕事の変化がなく、ルーティン業務を繰り返していただけでは成長する機会もない
多少ストレッチの利いた目標や仕事にチャレンジすることでキャリアは拓ける
◆世界で働く
同質性の高い日本社会で、なかなか体験できないのが異文化のギャップを乗り越えること
常識が通用しない環境に身を置くことで担力が鍛えられ、視野が広がる
◆ベンチャー企業で自立型人材になる
ベンチャー企業で活躍できるのは、不確かな状況を楽しみ、自らゴールまで全速力で駆け抜けられる人材
圧倒的なスピード感と当事者意識が求められるため、個の力を磨くには最適な環境
◆VUCA時代に成長するための7つの条件
1. 学びのアジリティ
⇒事業を成功させるために必要な知識を高速で習得する
2. 修羅場経験の幅
⇒分不相応な仕事を経験
3. 客観的認識力
⇒自分の強み、弱みを第三者視点で分析し、市場価値を見極める
4. パターン認識力
⇒個別の事象やデータから共通性を見出し、意思決定を下す
5. リーダーの役割を担う内発的動機
⇒社会や会社で実現したいことを明確にし、多様な他者を通じて成果を出すことを動機にする
6. リーダーに適した性格特性
⇒大局性、粘り強さ、曖昧さの許容、積極性、前向きさを持つ
7. 自滅リスクを回避する力
⇒ 強いプレッシャーがかかっても自分を見失わない
◆「使われる」から企業を「使う」側へ
会社からの指示にただただ従うのではなく、身の丈以上の仕事を経験する学習の場として、
上手に活用することを意識する
◆複業やパラレルキャリアで選択肢を広げる
本業以外に多様な経験をすることで、自身の市場価値は高まる
E氏の私見
私がヒップスターゲートに参画したのが2017年10月のこと。
初めての転職ということもあり、入社を決断するまでに非常に悩んだことを覚えています。
あれから約3年。その時のキャリア選択は正しかったと胸を張って言うことができます。
新卒で入った会社は人事給与アウトソーサー業界の中ではNo.1の業績を誇る企業でした。
従業員数もそれなり多く、東京、大阪、沖縄、さらには中国にオフィスがありましたので、
大企業といっても差し支えないでしょう。
しかし、入社してから3年もすると分不相応な仕事など一切なく、
毎月、毎日がルーティン業務を繰り返す日々を過ごすようになっていたのです。
この頃から自分自身のキャリアというものを真剣に考え始めました。
私自身が心の底から仕事に求めるものは一体何なのか?
自問自答を繰り返し、キャリアコンサルタント等にも話を聴いてもらいながら辿り着いた一つの答えが、
「自分自身で考え、裁量を持ちながら新しい仕事にチャレンジできること」でした。
そこから人材教育領域で本格的に職探しを始め、ご縁をいただきヒップスターゲートに入社。
ヒップスターゲートは今年で創立10周年を迎えますが、
ベンチャー企業精神を忘れず、常に新たなことにチャレンジしている会社です。
役職や肩書きに縛られることなく、会社の成長や売上貢献につながるものであれば、
誰でも自由にアイデアを実現できる風土があるため、まさに自立型人材にはピッタリの環境。
本書でもベンチャー企業の有用性について触れられていますが、
ベンチャー企業は、経験とキャリアを積むには最適な環境の一つです。
本書を通じて、今後のキャリアひいては働き方を見直すきっかけになりました。
事例も豊富に掲載されていますので、VUCA時代を生き抜くために
自分自身に何が必要かを整理したい方にはオススメの一冊です。