半育休とは?育休との違いやメリット・デメリットを解説!
2023.04.17
ツイート「半育休」は、ワークライフバランスの推進に伴って注目を集めている新しい働き方です。この制度は、従来の育児休暇とは異なる特徴を持っています。本稿では、「半育休の仕組み」、「育休との違い」、そして「半育休を取得した際のメリットやデメリット」について、詳しく解説していきます。
半育休とは
半育休は、育児休業中に柔軟な働き方を選択できる制度です。1歳未満の子育て中の方なら、性別に関わらず利用できます。例えば、育児休業を取得しつつ、週に数日程度、本業や副業で就労することで、収入の確保が可能になります。育児と仕事の両立に悩む人にとって、半育休は有効な選択肢の一つといえるでしょう。収入面での不安を軽減しつつ、子育てに専念できる期間を設けられるのが大きな魅力です。
半育休と育休の違い
半育休と育休の主な違いは、育休取得中の就労の有無にあります。
育休を取得すると、一定期間仕事から離れることができます。一方で、半育休を取得した場合は、育休期間中に部分的に就労することが可能です。つまり、育児と仕事を両立する形で休業を取得できるのが半育休の特徴です。
例えば、育休を取得すれば、子育てに専念できる一方で、収入は育休手当のみとなります。一方で半育休では、週に2、3日程度、職場に出勤して業務を行うことができます。この間の給与は通常の勤務と同様に支給されるため、収入面での不安も軽減されます。
ただし、育休と半育休の基本的な条件、例えば休業期間や復職時の権利などは基本的に同じです。つまり、就労の有無以外は、両制度の利用者にとってほとんど違いはないといえます。
半育休取得のメリット
収入を確保できる
育児休業を取得する際、雇用保険法の「育児休業給付金」が支給されますが、通常の就労収入に比べると収入が減少する人が多いのが実情です。そのため、半育休制度を活用することで、収入を維持することが可能になります。
半育休とは、育児休業給付金の支給要件内で週の所定労働時間を短縮することで、給付金と賃金を組み合わせて収入を確保できる制度です。例えば、週3日の勤務に切り替えることで、育児休業給付金と短縮勤務分の賃金を合わせて得ることができます。この制度を活用すれば、育児と仕事の両立がしやすくなり、経済的な負担も軽減されるでしょう。
引継ぎが必要ではなくなる
育休を取得する際、「仕事の引継ぎ」は大きなネックとなります。引継ぎが上手くいかない場合、後任にとってプレッシャーとなり、トラブルの原因にもなりかねません。
しかし、半育休を活用すれば、この問題を効果的に解決できます。半育休では就労が可能なため、引継ぎをせずに仕事を続けられます。また、引継ぎをした場合でも、前任者が後任者をフォローしながら仕事を覚えられるため、ミスを未然に防ぐことができるのがメリットです。
例えば、ある企業では、プロジェクトマネージャーが育休を取る際、半育休制度を活用しました。プロジェクトの引継ぎを徹底的に行い、後任者が業務を円滑に引き継げるよう支援しました。その結果、プロジェクトの進捗に大きな影響を与えることなく、スムーズな交代が実現しました。
このように、半育休を活用すれば、育休取得時の「引継ぎ」の問題を解決し、業務の継続性を確保できるのです。
仕事の復帰がしやすい
育休得前に働いていた会社で一時的な就労をすることには多くのメリットがあります。ず、会社の最新の状況や情報を把握しやすいため、休暇から復帰する際のギャップが小さくなります。例えば、新しい取り組みや課題、社内の人事異動などを把握できるので、すぐに業務に復帰できるでしょう。
さらに、仕事への感覚が薄れにくいというメリットもあります。休暇中は業務に関わらないため、スキルが低下したり、仕事への集中力が落ちる可能性があります。しかし、一時的な就労を続けることで、そうした懸念を最小限に抑えられます。例えば、定期的に顧客への対応や会議への参加をすることで、仕事の感覚を維持できるでしょう。
このように、育休取得前の会社での一時的な就労は、復帰時の業務への適応を容易にし、スムーズな復職につながるのです。
半育休を取得する際の注意点(デメリット)
休業中の就業はあくまでも「臨時的・一時的」であること
半育休は、育児休業中に限定的に就労することで収入を確保できる制度です。しかし、この制度には重要な注意点があります。
まず、半育休での就労は「臨時的・一時的」なものでなければなりません。例えば、週1日や月に数日程度の短時間就労が想定されます。定期的・継続的に働いた場合は、育児休業とは見なされず、育児休業給付金の受給資格を失う可能性があります。
そのため、半育休を検討する際は、事前に雇用形態や就労時間などを十分に確認し、育児休業給付金の受給要件を逸脱していないかを慎重に確認する必要があります。給付金の受給資格を失うと、家計への影響が大きくなるため、慎重な検討が重要です。
育児休業給付金の受給条件
育児休業給付金を受け取るには、就労日数が10日以下であることが重要です。しかし、10日を超えた場合でも、月80時間以内の労働時間であれば、給付金を受け取ることができます。
ただし、注意が必要なのは、たとえ上記の条件を満たしていても、労働形態が定期的であれば、「毎日1時間働く」や「毎週○曜日は出勤日」のように、臨時的・一時的な就労とは見なされません。そのため、このような場合は育児休業給付金を受け取ることができません。
つまり、給付金を受け取るためには、就労日数が10日以下、または月80時間以内の短時間労働であり、かつ、その就労が臨時的・一時的なものであることが重要なのです。