1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
2020.11.17
ツイート伝説のコーチ、その名はビル・キャンベル
Apple創業者スティーブ・ジョブズ
Google創業者のラリー・ペイジ
YouTube共同創業者チャド・ハーリー
など数多くのビジネス界の偉人に絶大な影響を与えた人物。それがビル・キャンベルです。
でも、そのような凄い影響力を持つ人物の名は、私たちに聴き馴染みがありません。
ビル・キャンベルが名コーチといわれる所以は一体何なのか。
今回ご紹介する本を通じて、その実態を探ります。
著者:エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ
出版社:ダイヤモンド社 (2019年11月発売)
要約
◆すばやく動く
ビル・キャンベルが本格的にビジネスの世界に足を踏み入れたのは39歳のとき
同年代の集団を常に追いかけている気持ちで仕事に打ち込んだ
◆チームをコミュニティにする
様々な利害をまとめ、個人としても集団としても全力で取り組むチームこそ
企業の成功には必要不可欠である
◆ビルのメソッド「4つの原理」
マネジメントスキル…スタッフとの1on1、難しい従業員への対処の実践
信頼関係…一緒に働く人達との関係性
チーム構築…チームファーストの考え方
職場に愛を…存在そのものを受け入れる
◆マネジメントは細部にこだわれ
いま会社が直面している危機は何か?採用はどうなっているのか?
チーム育成は進んでいるか?スタッフミーティングはどうであったか?
会社がしっかり運営されているかを細かく見ることが重要
◆部下をやる気にさせる
ああしろこうしろと指図をせず、自分は大事にされていると部下に実感させる
そのために部下の話に真剣に耳を傾けて、注意を払う。それが最高のマネジャーである
◆全員がチームファーストになる
ビルが指針とした原則は「チーム最優先」
メンバー全員がチームに忠実で、チームを勝たせることが最優先事項でなければならない
◆存在をまるごと受け入れる
チームメイトに対して愛を持ち、その存在をまるごと受け入れることが、
チーム全体を強くさせ、また会社に心と魂が宿る
E氏の私見
本書はビジネス書大賞2020にノミネートされた作品でもあり、
書店で目にした、耳にしたことがある方も多いと思われます。
ここ最近は企業でも「コーチング研修」の導入が盛んで、
それだけコーチングは注目度が高いワードの一つとなっています。
この背景には、コロナ禍により人材マネジメントの在り方が激変し、
これまで通りの管理手法では、思う様に成果が出なくなっていることを
経営層やマネジメント層が痛感したためです。
リモートワークになってから急にアウトプットの質が悪くなった、
仕事の進捗が遅くなった、報連相がスムーズに行われないなど、
組織内での歪みが表層化し、その解決策の一つにコーチングが選ばれているのです。
コーチングの根源的な考え方は人の可能性を信じること。これに尽きます。
よく私たちは、仕事が遅い人を見ると、「この人はこの仕事に向いていない」
「この人は仕事ができない人だ」と安易に結論を出してしまうことがあります。
ある側面だけをみて仕事ができる、できないの線引きをしてしまえば、
その人が本当に活躍できるフィールドがあっても、その芽を摘んでしまうことになります。
このような勝手な決めつけや思い込みを止め、人間の可能性を信じ、
「自分は価値ある人間として会社、組織、上司、先輩、同僚、後輩に尊重されている」と
実感させてあげることが、いま最も求められていることなのではないでしょうか。
本書はコーチングの基本から実践までのノウハウが全て詰め込まれているわけではありませんが、
少なくともコーチングのエッセンスは凝縮されています。
部下や後輩の育成でヒントを得たい方は。ぜひ読んでみてください。