何のために仕事をするのか、自分が何をしたいのか
社会人経験を積み重ねる中で、幾度も自問する言葉。
同僚や知人に答えのヒントを求めてみても要領を得ない。
この問いの答えは、やはり自分自身で探し続けるしかないのだと思い知らされます。
この自問は何か特別なきっかけ等なくてもやってくることがあります。
ふとした時に「あれ、今の自分は何かがおかしい」と感覚に訴えてきます。
もし、こうした感覚にふいに襲われることが多いと感じるならば、
これから紹介する本が役に立つかもしれません。
著者:伊藤 嘉明
出版社:総合法令出版 (2017年10月発売)
要約
◆時代の変化に適応できないビジネスパーソンは仕事を失う
現代は変化を拒むことがリスクとなる時代である
環境が変化しているのに、そこに適応できない生物は淘汰され滅びるのは自然の摂理
◆差別化ではなく"差異化"をしよう
差別化…二つ以上のもので優劣を区別するもの
差異化…同じカテゴリーだが本質的に違うもの
◆会社ではなく、職で選ぶ
この職業は10年後、20年後も存在するだろうか?という視点を持つ
いま現在、業績が良い企業が数年後も同じだとは限らない
◆3年を目途に仕事を変える
定期的に違う仕事にチャレンジする機会を得て、仕事の幅を広げる
1つの仕事をやり続けるのはリスクとも言える
◆自分の市場価値を知る
自分が社会でどれほどの価値があるのか、同業他社ではどんな評価をされるのか、
転職エージェントに会って話をすることは有益な行為
◆仕事への慣れ = 成長の鈍化
仕事に慣れて楽になったということは、成長の余地が残っていないということ
居心地が良い場所からは抜け出して、自分を追い込むことが成長のカギ
E氏の私見
今の自分に違和感があるのなら、今の自分を甘んじて受け入れるか、
もしくは自分自身を変える勇気を持たねばなりません。
しかし、私も含めて多くの人が自分を変えることに戸惑いを覚えます。
人間は本能的に変化を恐れる生き物です。
たとえ目の前に大きなチャンスや挑戦の機会がぶら下がっていたとしても、
失敗することの恐怖から身動きが取れないことがあります。
例えば、ずっと仲の良かった異性の友達に告白をしたいと思っても、
振られて今の関係が変わってしまうのが怖くて、なかなか口に出せない、
といった経験をした人も多くいることでしょう。
この恐怖の原因は、「恒常性維持」の本能、いわゆるホメオスタシスにあります。
一般的にホメオスタシスが関わっているのは、自律神経系や免疫系、ホルモンを生成する内分泌系です。
私たち哺乳類は、周囲の気温に合わせて体温を上げたり下げたりはしません。
自律神経が機能することで、体温は一定に調節されて保たれています。
本来、ホメオスタシスは生物学の用語ですが、
「変わりたいけど変われない」というのが人間心理のホメオスタシスですね。
そのため変化しなければいけない状況に不安になったり、恐怖を感じたりするのは仕方のないことなのです。
そうは言っても、変化に適応できないビジネスパーソンは仕事を失う、と本書でも書かれている通り、
それに立ち向かう勇気を持たなければ、もはや生き残ってはいけないのです。
現代社会ほど本能に抗う精神力が求められる時代もないかもしれませんね。
本書には自分に変化を起こすためのヒントがたくさん紹介されていますので、
いま一つ不安や恐怖に打ち勝つことができない方は、ぜひ読んでみることをオススメします。
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