「ストレングスファインダー®」―自分の潜在的資質を探るツール
「ストレングスファインダー®」は、米国のギャラップ社が開発したWEBテスト型の才能診断ツールです。
書籍購入、ギャラップ公式サイト、あるいはスマートフォン専用アプリのいずれかのチャネルから診断サイトにアクセスして、診断を受けます。どのチャネルでも日本語サイトが用意されているため、英語が不慣れな人でも安心して受検できます。
ストレスファインダー®のWEBサイトで計177個の質問に答えると、受検者の潜在的な才能が34の資質ごとに評価されて、診断結果として、特徴的な5つの資質が提示されます。
34の資質は4つのグループに分類される
ストレスファインダー®診断で評価される34の資質は、「実行力の資質」「影響力の資質」「人間関係構築力の資質」「戦略的思考力の資質」という大きな4つのグループに分類されます。
・「実行力の資質」
達成欲、アレンジ、信念、公平性、慎重さ、規律性、目標志向、責任感、回復志向、
この領域の資質が上位の人は、物事を遂行する力を秘めています。チームとして行動する場合も、チームの目標をまとめ上げ、成果を上げる推進力となれる可能性があります。
・「影響力の資質」
活発性、指令性、コミュニケーション、競争性、最上志向、自己確信、自我、社交性
影響力の資質に強みをもつ人は、自分の考えや思いを周囲の人に余すところなく伝えることができる能力をもっています。チームの一員である場合、チームとしての意見をとりまとめて、それを周囲にうまく伝達することができます。
・「人間関係構築力の資質」
適応性、運命思考、成長促進、共感性、調和性、包含、個別化、ポジティブ、親密性
この領域の資質が高い人はコミュニケーション力が高く、良好な関係を築きながら協同することが得意です。チームの良いまとめ役になる素質をもっています。
・「戦略的思考力の資質」
分析思考、原点思考、未来志向、着想、収集心、内省、学習欲、戦略性、
目的や目標を達成するために、あらかじめ準備や計画を立てて実行する傾向が強い人は、戦略的思考力領域の資質が高位になる場合が多いです。
診断結果の5つの資質の捉え方 自分の資質を知って強みに変える
診断結果で提示される資質とは、無意識のうちに思考を働かせている、強い感情が表出しやすい、あるいは繰り返される一定の行動パターンを、潜在的な能力の要素として一般化したものです。
34の資質のうち、上位5つの資質の順位を加味した組み合わせの数は3,300万通りにものぼるため、診断結果は受検者固有のもの、言い換えると受検者が本来もっている個性であり、無意識に行動する際の傾向性であるといえるでしょう。
受検者の個性や傾向性を形づくる資質はそれぞれ二面性を備えているため、活かし方には注意が必要です。資質をうまく活かせると「長所」や「強み」になるものの、相手や場所によっては人から「短所」に見えてしまうからです。
自分の資質を知って意識して行動できるようになれば、自分の長所として活かして仕事などで能力を発揮することも可能です。逆に、短所に見えてしまう相手や場所がわかっていれば、十分な注意を払って、ネガティブなイメージを抑えることができます。
ストレングスファインダー®は適職探しのツールではない
求職活動のタイミングでストレングスファインダー®を受検すると、診断結果から適職がわかると勘違いする人がいるかもしれません。しかし、ストレングスファインダー®から得られる診断結果は、受検者が潜在的にもつ強みを可視化したに過ぎず、資質に近い特性のある職業を示唆したものではありません。
診断結果の活用方法―できることをみつけるのではなく、どう活かすかを考える
ストレングスファインダー®の診断結果は、受検者自身がはっきり気付いていない能力や強みを特定し、本人に明示してくれます。ここで得られた情報、つまり5つの資質の組み合わせと、これまでの自分の行動とを照らし合わせれば、「資質=得意分野や指向性」であることに納得できるのではないでしょうか。
自分の強みや得意分野、行動パターンがわかったら、次はその強みをどのように活用して、仕事でのパフォーマンス最大化につなげるかを紹介します。
1つの資質だけに注目するのではなく、5つの資質を多面的に勘案する
受検者の個性は5つの資質の組み合わせで成り立っています。そのため、必ず複数の資質をセットで捉えて、得意な分野の活かし方を探ります。
例えば、診断結果に「達成欲(実行力の資質)」「目標志向(実行力の資質)」「コミュニケーション(影響力の資質)」「調和性(人間関係構築力の資質)」「分析思考(戦略的思考力の資質)」の5つの資質が出た場合をみてみましょう。
仮に「達成欲」や「目標志向」だけを取り上げると、自分の立てた高い目標を達成することに高揚感を感じるタイプであるように解釈できます。
ところが、他の資質、とりわけ「コミュニケーション」と「調和性」も強みであるため、自分だけの目標達成というよりは、自分自身がチームの融和や協調を図る役割を担うことに喜びを感じ、チーム一丸となって高い目標を達成することを志向すると読み取ることができます。
さらに「分析思考」が加わるので、チームメンバーとのコミュニケーションや、目標達成の過程において、誰もが納得できる客観的事実やデータを示しながら論理的に進めていくことを得意とする資質があるのがわかります。
自分自身にこのような資質があることを確認できれば、職業や職種にかかわらず、チームリーダーとしての役割を担うことで、チームを円滑に統率して、チームの成果を最大化できると考えられます。
ストレングスファインダー®の診断結果―能力を活かす方向性を示す羅針盤
ストレングスファインダー®を利用する最大のメリットは、自分の潜在的な能力を知って、その能力を最大限に活用できる場所の見当をつけることです。
診断結果で適職が判定されるわけではありませんが、それまで気付かなかった自分の可能性を広げて、活躍できる場をみつけるきっかけになるのは間違いないでしょう。
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