無意識にリモートハラスメントしていないですか??
2021.07.07
ツイートリモートワーク普及の裏側で・・・
リモートワークやテレワークが働き方のひとつとして広がりを見せていることを背景に、
「リモートハラスメント(リモハラ)」という新しいハラスメントが生まれています。
コロナ禍になってからもう1年以上が経過しているにも関わらず、
未だにこのような事態が続いているという現状に危機感を覚えた小池百合子都知事が
「リモハラに対して特別な相談窓口を開いて対応を行う」と発表するほどに大きな問題となっています。
確かに、リモートワークにはPCを介したコミュニケーションならではの難しさがあり、
対面ではあまり気にならなかった言動が相手にとってストレスとなる場合があります。
特にコロナ禍前までは出社スタイルを取る組織が大半だったと思いますので、
そこの切り替えはそう簡単ではないということですね。
リモートハラスメント事例
①WEB会議を過度に求める
WEB会議はリモートワーク中に欠かせないコミュニケーション手段のひとつですが、
何かあるたびに「とりあえずWEB会議をしましょう」、というのは本来の業務に支障が出かねません。
メールやチャットなどのテキストコミュニケ-ションでも問題ないか、今一度考えるようにしましょう。
②自身の映像を映すことを執拗に求める
相手の状況が常に見えるようにWEBカメラをONにしておくよう要求するのは、
相手にとって相当な精神的プレッシャーになります。
また、映像内のプライベートな部分に対しての干渉は、言うまでもなくリモートハラスメントに該当します。
③チャット上での言葉遣いに配慮が無い
主に社内で使用するチャットは、Eメールと比較すると気軽かつスピーディーに連絡することが可能です。
ただし、気軽であってもビジネスで使用する文章としてのマナーや気遣いが必要です。
気軽に文字を打ち込めるため、つい自分本位になったり感情が入ることがあるかもしれませんので、
「相手がどう読み取るか」を意識して、読みやすいメッセージを書き込むことを忘れないようにしましょう。
➃通常の業務時間を超えたやりとりの強要
リモートワークの普及によって、いつでも連絡がとれる環境になった反面、
業務時間の概念が希薄化し、長時間労働になりやすいというデメリットが挙げられます。
基本的に、業務時間外のチャット対応やWEB会議の参加の強要は行わないようにしましょう。
なお、リモートワーク先進国と呼ばれるフランスでは、業務とプライベートの境界線を明確化するため、
労働者が勤務時間外や休日の対応を拒否できる権利=「つながらない権利」が法律で保護されており、
従業員が50人以上の会社はこれを定款に盛り込むことが義務付けられているほどです。
日本の現状と今後
2020年6月に日本労働組合総連合会が、テレワークを経験した労働者1,000名に対して行った調査では、
「通常勤務よりも長時間労働になることがあった」と回答した人が51.5%と半数を超えました。
(出典:「テレワークに関する調査2020」)
こうした状況も受け、厚生労働省は2021年3月に
「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を公開しました。
本ガイドラインでは、先述した“つながらない権利”にも触れられており、
日本国内でも本制度を導入する企業が増えることが期待されています。
その他、時間外、休日または所定外深夜のメールなどに対応しないことは
不利益な人事評価を行う理由として適切ではない等の具体的内容も明記されており、
リモートハラスメント撲滅は意外と近くまで来ているのかもしれません。
とはいえ、やはりハラスメントは個々の意識による部分も大きいので、
是非本記事を読んだあなたから、組織内で啓蒙活動をしていってくださいね。
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