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新入社員研修はこう作る、成果が上がる新入社員の人材開発術

2020.03.27

新入社員研修を実施するからには、「実施した」という実績だけでなく、新入社員の能力を開発できる研修であることが何より重要です。そのためには、研修プログラムの設計を始める前に、この研修の目的と、開発したいスキルなどを整理しておく必要があります。

新入社員研修の目的―円滑に業務を始めるための土壌づくり

最初に、「新入社員研修を実施する本来の目的」を確認しておきましょう。

直前まで学生であった新入社員にとって、新入社員研修とは、社会人として実際の業務をスムーズに始めるための準備の場です。

研修は、社会人としての価値基準やマナー、スキルを身に付け、企業へのエンゲージメントを向上させる絶好の機会。こうした目的を達成できるような実効性のある研修コンテンツやスケジュールを組まなければなりません。

押さえておきたい、3大人材開発項目

新入社員研修をとおして開発したい項目は、一般的には次の3つに分類されます。新入社員研修では、これらを新入社員が身に付けられるように、企業の現状に適したプログラムを設計します。

① 企業理念や業界動向などの理解
② 社会人としての基本マナーやビジネスマナーの習得
③ 業務上必要になる汎用的スキル

上記の項目を研修プログラムに組み込む意義を簡単にまとめると、以下のようになります。

① 企業理念や業界動向などの理解

新入社員にとって、企業理念や企業風土、業界の動向あるいは展望を知ることは、その後のキャリアロードマップをイメージするのに大いに役立ちます。

具体的な企業あるいは業界のビジネス環境やニーズを、実際に聞いて理解を深めることで、自身が社内で果たすべき役割や目標を可視化できるようになります。それが実体験に基づく現場に即した情報であれば、新入社員は主観的に受け止めることができます。

企業や業界に対する理解の深化は、働くことに対するモチベーションアップや、企業へのエンゲージメント(帰属意識)の向上にもつながります。

② 社会人としての基本マナーやビジネスマナーの習得

新入社員は、社会人あるいはビジネスパーソンとしての挨拶や礼儀、基本的なビジネスマナーを身に付けてから、本格的に業務に入る必要があります。

社内外の人間関係が円滑であることは、業務でパフォーマンスを上げるための必要条件であり、そのための基盤づくりは新入社員研修が果たす大きな役割です。

③ 業務上必要な汎用的スキル

実際の業務で必要になる汎用的なスキルや知識を、新入社員研修で最低限身に付けておくことも大切です。

例えば、英語力や簿記知識、PCスキル、プレゼンテーションスキル、判断力、リーダーシップなどは、企業や業種を問わず、社会人にとって必要な汎用性のあるスキルです。こうしたスキルや知識に触れておけば、配属先がどこであれ、業務を開始する際に手助けになります。

汎用的なスキルは、新入社員研修後のいつの時点でも、本人の意思次第でブラッシュアップが可能です。

資格取得や社会人教育の機会を設けて、自分にとって必要な専門知識を学ぶことができます。自己啓発をとおして、ビジネスパーソンとしての価値を上げるための洞察力や判断力、リーダーシップなどを自身で強化することもできます。

新入社員研修で重要なのは、このような汎用的なスキルの効果や実践方法を新入社員が俯瞰的に知ることです。

研修の実践方法 企業の独自色が強いコンテンツは内製化がベター

上述のような目的を実現できる新入社員研修プログラムは、集合研修やe-ラーニングのようなOFF-JTの形式で設定されるのが一般的です。

OFF-JTによる研修コンテンツの内製化と外部委託

OFF-JTによる新入社員研修の場合、研修コンテンツの内製化、あるいは外部委託のどちらが適しているかは、研修プログラムの性質や予算によっても変わってきます。

研修コンテンツをすべて、企業の実情に合わせて内製化できれば、それが一番です。しかし、すべてを自社開発して実際に実施することは、講師役となる社内人材の確保や、研修内容の共通化など、考慮すべきことも少なくありません。

そこで、費用対効果を見ながら、外部委託できるプログラムについては外部委託を検討するのも一考です。予算を確保できるのであれば、ビジネスマナーやビジネススキル、英語学習、簿記知識などの、知識付与型研修プログラムを外部委託してもよいでしょう。

これによって、人事・研修部門の労力を軽減できます。英語学習や簿記知識などは、外部の専門業者による専門的なカリキュラムを利用したほうが、高い効果を期待できる場合もあります。

独自色が強いコンテンツや現場経験者ならではのコンテンツ 内製化で効果拡大

新入社員研修で、新入社員が最初に触れる企業理念や企業風土、業界について学ぶプログラムは、企業の独自色が強いため、内製化のほうが効果的です。

経営者や経営幹部が事業目的やビジョンを語る姿は、新入社員が仕事に向き合う姿勢や覚悟を醸成するのに役立ちます。

現場経験者である社内講師が、企業を取り巻く業界の動向や展望、技術的な基礎知識、さらには実際のプレゼンテーションの進め方や顧客対応などについて講義すれば、圧倒的な説得力をもって受講者に伝わります。

業界独特のビジネスルールやビジネスマナーが存在するような場合は、プログラムを外部委託ではなく内製化すると、新入社員がすぐに現場で実践することができます。

内製化はコンテンツの伝え方やナレッジの蓄積方法が肝

研修プログラムの内製化にあたって、その成果を左右するのは、選任される社内講師の存在です。活きた内製化プログラムにするためには、講師が現場経験者であることが望ましいですが、それには解決すべき問題もあります。

日常業務をやりくりしながら社内講師役を引き受けることは大きな負担になります。

自己の仕事を振り返ることが学び直しにつながること、講師としての経験が将来的に管理職としての指導力向上を後押しすることなど、社内講師体験がメリットになることを候補者に理解してもらうことが重要になります。

経営幹部が研修コンテンツの内製化や社内講師による講義に対してコミットメントすることで、社内講師選定がスムーズに進む場合も考えられます。

社内講師は教えることが専門ではないため、教え方の質にバラつきが出るリスクもあります。せっかくの質の高い講義内容を、翌年以降、社内のナレッジとしてどのように蓄積し、体系化していくかも検討しなければなりません。

研修プログラムの内製化 さまざまなスタイルを機動的に取り入れて設計する

新入社員研修を内製化することはコスト圧縮につながりますが、その反面、内製化を実施する局面でさまざまな検討課題に直面します。ここが人事・研修担当部門の腕の見せ所です。

参加人数や予算、プログラムのコンテンツ、ナレッジの蓄積方法などを見極めながら、集合研修、e-ラーニング、グループワークなど、研修プログラムの目的に適したスタイルを機動的に研修に取り入れましょう。

新入社員研修プログラムの内製化の目標は、新入社員の能力を効率的に開発し、自社の発展に結び付けていくことです。この点に留意しながら、研修の設計に取り組みたいものです。

 

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