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『君主論』から学ぶコロナ時代のマネジメント

2020.05.12

君主論といえば、マキャベリズム。
マキャベリズムといえば、目的のために手段を選ばない。
と認識している方も多いのではないでしょうか。

実際にマキャベリズムを辞書で調べてみると、こんなことが書いてあります。
「どんな手段でも、また、たとえ非道徳的行為であっても,
結果として国家の利益を増進させるなら許されるとする考え方。
イタリアの政治思想家マキャベリの思想から。」(出典:三省堂 大辞林 第三版)

ここだけ見ると、君主論は冷酷な書と言われるだけのことはありますよね。

そもそも君主論とは何か?

君主論は中世イタリア時代、フィレンツェ共和国の政治思想家であり外交官であった、
マキャベリ(1469年~1527年)によって書かれた書物です。

君主論はその名の通り、国家君主について論じていて、
君主がいかに国家を統治するか、その原理原則を示しています。

その中で本当に優れた君主は人から恐れられる存在であると述べています。
つまり、君主は国家に安全と繁栄をもたらすために悪徳を恐れてはならないというんですね。

また「全ての国にとって重要な土台となるのは、よい法律とよい武力である」とも書いています。
よい武力とは、自国民から編成する自国軍のことを指しています。

君主論が生まれた15世紀後半のイタリアはまさに戦国時代。
国と国が領土征服のために過激に争っていた時代であり、
小国家などは自国の武力として傭兵軍や外国支援軍などを用いていました。

マキャベリのフィレンツェ共和国もフランスの傭兵軍を借り受けていましたが、
手の内でコントロールすることができず、ピサの奪回戦に失敗した過去があります。

そうした経験を踏まえてマキャベリは、自国軍の必要性を説き、
そのうえで人を従えて支配し、目的へと動かす能力と才覚の重要性にも
同時に着目するようになっていったのです。
残念ながらフィレンツェには他人の兵を支配できる力量の人間がいなかった、
ということも大きかったのかもしれません。

そんな動乱の中でフランス軍の精鋭を率いて次々と領土を
制圧していくイタリアの風雲児が現れます。
その人の名はチェーザレ・ボルジア。

マキャベリはチェーザレが冷酷に徹することで人から恐れられ、また慕われ、
世の平和と民衆の忠誠を手に入れていく様子を見ながら、
彼こそまぎれもない強力な君主であると確信。
その才覚、統治の方法を君主論に記したのでした。

コロナ時代のトップマネジメント

マキャベリの時代と比べると今の世の中は様相が異なるものの、
国家やトップ、リーダーの決断力や振る舞いの重要性は依然として変わることがありません。

特に顕著だったのが新型コロナウイルスの出現でしょう。
こんなにも世界中の国のトップによるリーダーシップが問われた出来事は、
過去の歴史を紐解いてみても数少ないことです。

まさに現代も混乱極まる状況であり、トップの方針や政策によっては、
国力が著しく低下してしまう可能性を大いに秘めています。
これは国だけでなく、企業にとっても全く同じですね。

平時であればそれなりの方針や行動でもそれなりの結果がついてきますが、
明日も分からぬ乱世のような状況下では、
企業のトップがいつもと同じ旗振りをしていても、決して生き残れません。

生き残りに必要なのは強力な君主であり、リーダーです。
敵であろうと味方であろうと秩序を乱すものは情け容赦なく徹底的に排除する。
こうした冷酷さは平時ではただただ人を脅かすだけですが、
人心が乱れた非常事態の中では逆に生き残るための術になると君主論は言います。

過酷な状況でも生き残っていくためにはチームで成果を上げることが必要で、
そのために社長やリーダーとして組織を引っ張っていくトップやマネジメント層は、
部下から嫌われ、恐れられるぐらいの
存在にならないといけないわけです。

でもそれじゃ部下が付いてきませんよね?
と思われた方、ごもっともです。

それに対してマキャベリはこう答えています。
人から恐れられるだけでなく恨まれない人間になれ」と。

恨まれないリーダーになるためには、常に正義と力が求められます。
恐くても自分を守ってくれる人には敬意の念を抱きます。
逆にどんなにリーダーが正しき人でも力がなければ守るものも守れませんよね。

また、リーダーにはもう一つ心掛けるべきことがあります。
それは「軽蔑を避けること」です。

そのためにリーダーは部下に判断力の欠けるところを見せてはなりません。
争いや面倒ごとを避けてばかりいるとか、
よく言えば中立、悪く言えばどっちつかずの中途半端な決断ばかりするとか、
危険に対して見て見ぬふりをしてやり過ごすのは最もやってはならないこと。

非常時において、何もしなくても時間が解決してくれるというのは、
身を滅ぼすだけの優柔不断である、ということなんですね。

だから、ときに君主やリーダーは辛い局面を乗り越えるときに、
非情な決断をしなければならない時もあります。
傍から見れば暴君、冷酷、残虐という見方もされますが、
真のリーダーは人から理解が得られず、恐れられて孤独になろうとも、
達成すべき目標のために手段を選ばない心の強さを持つ人なのでしょうね。

君主論はウィズコロナ、アフターコロナ時代を生き抜くための処世術。
未読の方はぜひ一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

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