2019.10.01

インストラクショナルデザインと目的設定(その3)

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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研修目的設定におけるもう一つの重要なポイント

4つの領域で目的設定をし、
研修目的の精度を高めていくことは
効果的な研修デザインには必要不可欠であると
前回のコラムでお伝えいたしました。 

今回は目的設定における
もう一つの重要なポイントについてお話します!

それは、「研修の成果を何で判断するか」という点です。

成果から逆にデザインする

具体的にどういうことかというと、
・この研修の成果は何で、どう判断されるか
・研修に送り出す人(経営者や受講者の上司など)は研修の成功をどう定義するのか

 上記のような問いについて、あらかじめ答えを準備したうえで
その答えを達成するために、どんな目的を設定する必要があるか考える。
ということです。

これらがなぜ必要なのでしょうか? 

研修を行った成果として何を得るかを事前に明確にしておく必要性

まずは受講者を研修に送り出す人の視点から考えます。

研修に送り出す人達は、最も興味があるのは
「研修を行ったうえで、どんな成果につながったか」ということであり、
受講者の研修や講師への「満足度」というのはあまり意味を持ちません。

 例えば、新商品の販促イベントを行った結果が
「イベントが楽しかった」という報告で済むはずはありませんよね。
イベントの結果がどのくらいのシェアや売上につながったのか、
という部分が問われる部分です。

もう一方で、受講者視点でも考えてみます。
ピアノのレッスンを例に考えてみましょう。
あなたは「弾けるようになりたい曲」があり、
1か月間だけ、ピアノ教室に通い始めたとします。

 この時レッスン始める前に、
1か月後にピアノ教室の発表会があるからそこで演奏してほしい」
と予告されたら、おそらくそのイベントを意識して
この1か月間レッスンに励むのではないでしょうか 

逆に、発表会のことは知らされずにレッスンを行い、
発表会の直前に発表会で演奏してほしい旨を伝えられたらどうでしょう。 

この場合、どちらのほうがレッスンの効果が高まり、
発表会のパフォーマンスアップにつながるかは、
多くの方が前者と答えるでしょう。

研修も同様に、「研修後に何をどう実践して、どんな成果を出したいか」
イメージして取り組むほうが、より成果に近づきやすいということです。

研修目的と成果の関係性を仮説する

ただ、様々な外的要因による作用も考慮すると
実際に何を行えば、研修の成果を確実に得られるかを
特定することは不可能に近いと言えるでしょう。

ですが、少なくとも
「研修で設定した目的を達成すること」が
「得たい成果に大きく貢献するはずである」という仮説が成り立たなければ、
その研修目的では不十分であるということは断言できます。

研修デザインの担当者だけでは答えを出すのが難しい場合は、
研修に送り出す人達ともしっかりと連携を取り、納得できる目的設定をしてから
具体的な研修内容のデザインに進むとよいでしょう!

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