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あゝ人材教育!3分ななめ読み

あなたの言動が、ハラスメント!と言われる可能性 ~ハラスメントの発生要因を考える~

2020.09.17

近年、ハラスメントに関連する話題やニュースを多く見聞きすると思います。
2020年61日からは「職場でのハラスメント防止対策」が強化されました。
これにあわせて、ハラスメントの定義や対策について研修を受けた人もいることでしょう。
なぜ、これだけハラスメントが話題になるのか。ハラスメントの発生要因について5つにまとめてみました。

1.経営環境の変化

現代社会は、急速なIT技術の進化、グローバル化の影響により常に世の中は大きく変動し、先を予測するのが難しいと言われる時代になっています。企業競争の激化により、一人当たりの業務負荷増、変化への迅速な対応、管理職のプレイヤー化等、主業務が忙しく十分な部下指導・コミュニケーションを取る時間が減っていると考えられます。長期に渡る経済不況も影響し、一人一人の精神的余裕のなさがハラスメント発生の要因につながっていると考えられます。

2.雇用の変化

年功序列・終身雇用の以前の日本型雇用は、一度企業に属すると、定年までは勤めることが普通のこととされ、エスカレーター式に役職・賃金が上がっていきました。家族関係のような組織風土の企業も多くありました。

しかし、能力主義・成果主義となったことで人々の働き方も多く変わりました。結果を求められることから、個々人の企業内外での競争も激化しています。個人主義的な働き方を求められるようになったことで、以前は家族的な雰囲気で顕在化していなかったハラスメントが、発生していると考えられます。

また、雇用形態が多様化し、パートアルバイト、契約社員も企業内で大きな割合を占めています。以前であれば、終身雇用という長期的視野の中で飲み込んで我慢してきたことが顕在化しているとも考えられます。

現在の役職者の多くは、以前の企業風土の下で職歴を重ねていることもあり現在の雇用環境とのギャップ、従業員・部下との意識のギャップがハラスメント発生にもつながっています。

3.価値観の変化

労働者を取り巻く上記の背景から、最近は“個の尊重” が当たり前となっています。会社のために奉仕するという考え方をする人は少なくなってきています。「嫌なものは嫌」「納得できないことはしない」と考える人が増えてきています。

一方で、企業では同じ目標に向かって成果を上げることが求められます。ハラスメント問題の多くは、「目標達成に向けた協力体制を作る」ことと「個人の意見や価値観を尊重する」という、一見正反対に見えることの融合がうまくいかないことにより引き起こされていると考えられます。

4.働く女性の増加

平成以前は、女性は結婚や出産を機に仕事を辞める割合が高かったのですが、現在は様々なライフイベントを経て女性が働き続けることが当たり前となっています。かつては若いうちの数年しかいないものとして扱っていた女性が、男性と肩を並べて働く存在になった、その変化に対応できない人の言動がセクシュアルハラスメントと捉えられることがよくあります。また、マタニティハラスメントも妊娠中や子育て中の女性社員をどう扱ったら良いのか分からない職場で発生している問題だと考えられます。

5.社会的認知度の向上

以前はハラスメントとして認識されなかった言動でもハラスメントとして認知されてきているため、問題発生の起因にもなっています。社会的認知度の向上は、具体的には、ハラスメントに係る各種法令の整備、企業内でのハラスメントへの理解促進や対策・対応窓口の設置などで相談しやすい環境が整ったことや、インターネットで情報収集と拡散が容易になったこと等があげられます。

これらは、今までも被害者が我慢の上で成り立っていた関係がハラスメント問題として顕在化することになり、より健全な職場環境への整備が進む要因とも考えられます。

 

いかがでしたでしょうか。
ハラスメントは企業・個人を取り巻く様々な環境の変化が要因となり発生している、または、顕在化していると言えると思います。
昨日までは普通のことと考えていた言動が、翌日にはハラスメントと捉えられてしまうことだってあります。そのくらい、環境や個人の変化は激しいものです。

今現在の“当たり前”で行動をするのではなく、常に周囲や相手を尊重した言動をすることで自分がハラスメント加害者となることを防ぐことができます。そして、慣例・組織風土にとらわれずに、一個人を大切にした職場環境を作っていくことが、組織としてのハラスメント予防につながります。

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