研修を内製化する際や勉強会の資料をつくる際、教材の構成に頭を悩ませていませんか。
そこでヒントとなる考え方が、「ガニエの9教授事象」です。
ガニエの9教授事象とは
ガニエの9教授事象とは、人が新しい知識やスキルを学習する際の脳のプロセスに基づいて、学習効果を高めるために必要な外部からの働きかけを9つのプロセスに整理した学習支援モデルです。
特に、授業や研修などで使用すう教材を構成するヒントとして活用されることが多いです。
9つの教授事象の内容
ガニエの9教授事象の項目は以下の通りです。
1 学習者の注意を獲得する
2 学習の目標を知らせる
3 前提条件を思い出させる
4 新しい事項を提示する
5 学習の指針を与える
6 練習の機会をつくる
7 フィードバックを与える
8 学習の成果を評価
9 保持と転移を高める
4つのパート
これらの9つのプロセスは、大きく4つにまとめることができます。
導入
オリエンテーションなど本題に入る前段となります。
1学習者の注意を喚起する
学習内容に入る前に、内容に関する簡単なクイズやミニゲームなどで注意を引くことです。
例)AとB、どちらのデザインの方が目を惹かれますか
2 学習の目標を知らせる
本学習と通じて習得できる知識やスキルを共有、それらを今後どのように活かしてほしいかなど、学習後のゴールイメージを伝えます。
例)色やデザインなどの視覚情報を上手に活用することで、相手の考えや意思決定などをコントロールできるようになってほしい
3 前提条件を思い出させる
本学習に関するテーマをこれまでに学んだことがあれば、それらを振り返る時間を設けます。
例)色が人に与える印象などはすでに学習したことがある
情報提示
4 新しい事項を提示する
本学習で習う新しい情報を提示します。
例)今日新しく学習することは、色の配色方法や組み合わせなどを学習します。
5 学習の指針を与える
図やイラストを活用し、4で学習したことを整理することで、さらなる理解を深めます。
学習活動
6 練習の機会をつくる
ワークやケーススタディ、ロールプレイングなどでインプットした内容をアウトプットする機会を設け、知識の定着化を図ります。
例)3色の配色について、自分で考えて色を塗ってみましょう。
7 フィードバックを与える
6の練習機会で間違えた部分や理解が及んでいない箇所に対して、フィードバックをし、アドバイスをします。
まとめ
8 学習の効果を評価する
テストや事後課題を設けることで、その日学習したことの最終的な理解度を図ります。
9 保持と転移を高める
学習したことを、学習後も覚えているか、現場で活用ができるようにすることです。個人的に学習ができるようEラーニングの活用したり、フォローアップ研修を実施したりと、その場限りの学びにならないように持続して学習の機会を与えるようにしましょう。
研修を内製化する企業も増えていますが、いきなり研修内容を作成することは決して簡単なことではありません。
そのため、この「ガニエの9教授事象モデル」を活用し、受講生の成長を期待できる研修作りをしてみてはいかがでしょうか。
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