感情的知性にフォーカスしよう
コロナ禍になりリモートワークが浸透し、働く場所がリアルとバーチャルのハイブリットになりました。
そうした就業環境の変化におりメンタル不調を起こしたり、パフォーマンスが低下してしまったり、
肉体的な健康を損なってしまった人もいることは周知の事実かと思います。
東日本大震災の際にはレジリエンスなどの概念が注目を集めましたが、
こうした未曽有の事態に起きた際には、人間の心に関するテーマが勃興します。
学問の世界では、長らく行動経済学の分野が人の感情にフォーカスを当てていましたが、
近年ではビジネスにおいても「感情的知性」という言葉を度々耳にするようになりました。
実際、世界経済フォーラムのダボスが異議でも取り上げられたほどです。
感情的知性(EI:Emotional Intelligence)とは、感情を認識、制御、評価する能力を指します。
この概念自体は、ダニエル・ゴールマンが自らの書籍で発表したことで有名になりました。
(彼の提唱するものとしては、EQ(心の知能指数)の方が最も知られているかもしれませんが)
EIは4つの領域と12の特性で構成されています。
領域
自己認識
自己管理
社会性
人間関係管理
特性
感情の自己認識
感情のコントロール
柔軟な適応力
達成志向
プラス思考
共感
組織感覚
影響力
指導・育成
対立管理
チームワーク
インスパイア型リーダーシップ
これら12の特性は、優れたリーダーが備えるコンピテンシーと同義であると言われています。
これまで業務遂行とそこからの成果・アウトプットが最重要視され、
リーダーやメンバーの感情に焦点があてられる機会は少なかったものの、
実際のところは働く人々の感情が結果に大きな影響を与えます。
どんなに知識や技能に優れたスペシャリスト集団を作り上げたとしても、
必ず高い成果を挙げられるわけではないことは、皆さんもお分かりになることでしょう。
EIを活かしたマネジメント行動とは?
大事なことは、職場のメンバー一人ひとりが自らのEIを育み、活かしながら仕事を遂行することです。
そしてリーダーは、部下やメンバーのエンゲージメントを高め、ウェルビーイングをサポートするような
マネジメント行動を起こさなければなりません。
そのための具体的な行動は次のようなものです。
部下を信頼し、ある程度の裁量を持たせる
コロナ前であれば、同じ時間に同じ空間で仕事をできていましたが、今やそうではありません、
仕事を進めるペースや報連相のタイミングは、各メンバーによって異なりますので、
リーダーは、ある程度の範囲まではメンバーに裁量を委ねて任せることが必要です。
くれくぐれも仕事を監視したり、逐一チェックを入れるなどマイクロマネジメントはしないように心がけます。
定期的なコミュニケーションを図る
リモートなどで一人で仕事をする環境は、社内の人間とのコミュニケーション機会が激減します。
定期的にコミュニケーションを図ることは、部下やメンバーのエンゲージメントを高める効果があるため、
オンライン会議システムやチャットツールを駆使しながら、リーダーは定期的に声掛けを行いましょう。
昨今では、1on1ミーティングを導入して運用している企業もありますが、効果的な施策と言えます。
表情や声の変化に注目する
職場の同僚の些細な変化に、あなたはどれほど気が付いているでしょうか?
相手の表情や顔色、声のトーン、話し方などに注意を払っていますか?
メールやチャットばかりのコミュニケーションでは、こうした変化に気が付くことはできません。
フェイスtoフェイスで相手に興味関心を持ち、意識を向けることで、
何かしらのサポートを行うことができるかもしれません。
まとめ
この他にもEIを活かしたマネジメント行動はいくつかありますが、
まずは自分ができることから始めていきましょう。
物理的な距離が離れた環境で働くことが当たり前になりつつある今、
職場のメンバー全員が安心安全のもとで、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、
リーダーは組織マネジメントを行っていくことが必要不可欠なのです。
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