2020.07.02

自由に自分の未来をデザインしよう! ~キャリアデザインで拡散思考が重要なわけ

あゝ人材教育!3分ななめ読み

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新型コロナウィルスによるイレギュラーな状況下で、自分のキャリアを見直す節目と捉えている方も多いのではないでしょうか。また、個人に寄り添ったキャリア支援の必要性を感じている担当者の方も多いのでしょうか。
今回はキャリアデザインを考える上で重要な「拡散思考」についてご紹介します。

自由な発想を広げる「拡散思考」とは

アメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した概念で、人の思考法を大きく2分類に分けたものの一つです。もう一つは「収束思考」といいます。
新しい商品やサービスを考える時、問題の状況分析や原因分析をする時など、現状見えていない答えを探したい時に、2つの思考法を下図のように段階的に使っていくと良いと言われています。

あるテーマについて、まずは「拡散思考」で質より量の自由で柔軟な発想でアイデアを出していきます。十分な量のアイデアが出たら「収束思考」でアイデアの検討を進めて結論へと導きます。
上図の三角の面積はアイデア量と捉えてください。拡散思考が進むにつれアイデア量が増えていき、結論を下す時にはアイデア量を精査し絞り込んでいるイメージ図になります。

例えば、「新しいジュースを開発する」というテーマで考えていきます。まずは拡散思考でアイデアを出していきます。「甘い」「すっぱい」「すっきり」「旬の果実」「持ち運べるサイズ」「大人向け」「インスタ映え」「コンビニ販売」…等、様々な切り口で自由にアイデアを出していきます。
アイデアをたくさん出したら、今度は”味“”ターゲット“”見た目“”販売経路“…と様々な切り口で検討・絞り込みを行っていき結論を出します。はじめから「若い女性向け、インスタ映え」等条件を絞って商品を考えることも一つの手法ですが、拡散思考から収束思考というプロセスを経た方が、今までにない新しい商品を開発できる可能性が高いのです。

なお、拡散思考をする際の有名な手法の一つにブレインストーミングがあります。

ブレインストーミングとは?

ブレインストーミングとは、複数人が集まって自由に意見を述べる方法です。アレックス・F・オズボーン氏が発案、脳を嵐のように回転させてアイデアを出すという比喩から名づけられました。
「批判厳禁」「自由な発想・発言を歓迎する」「質より量」「出たアイデアからさらに新たに連想したり、アイデアの組み合わせを歓迎する」というグランドルールのもと、参加メンバーで発想を広げていく方法です。

収束思考の手法としてはKJ法やロジカルシンキングを活用していきます。

自分のことなのになぜ「拡散思考」が重要?

キャリアデザインを考える上で、自分自身のことなのに、「拡散思考」がなぜ重要なのでしょうか。
むしろ、自分自身のことだからこそ、「拡散思考」は必要であるとも考えられます。
自分自身のことは自分では見えにくいものです。

キャリアデザインを考える上でも、「今の職場にはあと3年はいるだろうから…」「5年目になったら〇〇に違いない」と日常の延長線上から将来のイメージを抱くことが大いにあります。それ自体ももちろん一つのデザインではありますが、キャリア開発で重要な「自分らしさ」「ありたい姿」を深く考える前の段階で制約条件がすでにある状態になってしまいます。

(20207)であれば新型コロナウィルスが終息するのか…という外部の条件を踏まえて考えがちですが、長きにわたる人生のキャリアデザインを行う際には、自由な発想の妨げになるとも言えます。(無論、避けては通れない方もいらっしゃると思いますが、とらわれすぎないことが重要です)

VUCAと言われる変化の激しい現代社会、10年後の未来の予測も難しいと言われています。予測できない未来へのキャリアデザインは、現状の延長にとらわれず視点を様々に変え、拡散思考で自身の可能性の幅を広げて考えていきましょう。より充実したキャリア人生へとつながります。

ライフキャリアの小話

キャリアデザイン研修に参加していたある受講生の女性の話です。

自身のキャリア(仕事)と同時にライフキャリア(仕事外のプライベート等)をデザインしていた時に、「家庭を気づきたい」という自分の思いに気づかされ、「35歳位までには結婚したい」と結婚相手がいない現状に縛られることなく夢を語りました。

結果、当時32歳だった彼女は33歳で結婚相手に出会い34歳で結婚しました。

「拡散思考でのぞんだからこそ、潜在的な結婚願望に気づき、行動することができた。相手はいなかったけど、未来の家庭像まで想像して気づきがなければ、今の生活ではなかったかもしれない」と語っています。

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