出来事をどのように解釈するかが大事
過去や既に起きてしまった出来事は、変えようがありません。
しかし、その出来事をどのように解釈するか、受け止めるか(=認知)はその人次第です。
この認知に働きかけて、気持ちを楽にするのが認知行動療法と言われるものです。
私たち人間は何か出来事が起こると、自然とポジティブかネガティブかいずれかに自分の感情が動きます。
ABC理論で感情をセルフコントロール
ABC理論とは、アメリカの臨床心理学者アルバート・エリスが提唱しました。
出来事をどのように受け取るかによって、人の行動や思考が決まる考え方をいい、
英語の頭文字を取ってABC理論です。
Activating events:出来事・事実
↓
Belief:認知・信念・価値観
↓
Consequences:結果・行動・思考
Aが出来事、Bが認知、C が結果になるという流れですので、
Aの出来事がC の感情を直接的に決定するわけではありません。
例えばスマホを道で落として壊れてしまったとします。これがAの出来事です。
次にBの認知が来ます。多くの人は「しまった、最悪だ」と思うことでしょう。
そしてCの結果として、その日一日はひどく落ち込み何も手が付かない、
ずっと壊れてしまったスマホのことを考えてしまうなどの行動や思考が表面化します。
ABC理論で大切なのは、Bの認知です。
スマホの例で、もし「壊れたのは仕方ない。新しいスマホに買い換えるチャンスだ」と
解釈を変えたらどうでしょうか。
きっとCの結果としては、最新スマホの情報を収集しよう、
家電量販店に行って実際に機種を見てみようなどの思考・行動になることが期待できます。
同じ出来事であっても、ある人はネガティブになり、ある人はポジティブになりますが、
この違いは個人の認知から来ています。
認知は幼少期からの影響が大きく、一晩で簡単に変えることができるものではありません。
そのため出来事を何でも自分の思い通りに認知をして感情をコントロールできるわけではありませんが、
認知によって感情が変わることを知っているだけで、少し冷静に自分自身と向き合うことができます。
無理やり感情コントロールしない
ABC理論を知っていれば、出来事を違う視点でとらえ直すことができますが、
嫌な出来事を何でもかんでもポジティブに考えれば良いかと言えば、それは少し違います。
例えばビジネスで大きな失敗をしてしまった、好きな人から振られてしまったなど、
簡単には認知を変えられない場面は数多く存在します。
そのような時には出来事や事実から目を逸らさずに真正面から受け止め、
自分自身を反省することも大切です。
したがってABC理論の有効な使い方としては、
比較的小さな出来事で認知の切り替えが簡単なものに適用すると良いのかもしれません。
決して無理やり感情をコントロールしなければ、コントロールしてやろうと気負わずに、
できるだけ快適な気分でいられる時間を増やせるようにしよう、というくらいの気持ちで
うまく日々の生活に取り入れてみては、いかがでしょうか。
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