研修を内製化すると、何がよいのか、考えてみましょう。
① コストダウンができる
だいたい、外部の専門研修というものは、東京や大阪などの大都市圏で、受講者を日本中から集めて開催することが多いものです。研修の地方行脚など、ビジネスとして成り立たず、民間の研修機関では、残念ながらまず考えられません。
唯一の例外としては、中央官庁や、官庁の外郭団体が主催する、「安全大会」のように、都道府県を毎年異なる地域で開催していくようなものがあります。地方の企業にとってはありがたく、東京までは出せないが、地元であれば出張で学びに出していい、というようなことになります。
都心で開催すると、会場費だけで経費がかさみます。往復の交通費や宿泊費用や日当を足しこんでいくと、地方から受講生を派遣した場合、一人当たりの研修費用は10万円以上なることもあるでしょう。10人を参加させれば、すぐに100万円となります。予算100万円ならば、外注の講師を呼んで社内で集合研修もできてしまいますが、社員講師で、自社内で実施できるとなれば、そのコスト差は非常に大きなものになりますし、長い間のコストを比べると顕著なコストダウンの効果を得られることでしょう。
内製化できれば、研修会場も自由に設定できるようになります。仮に、社内の施設内で行うと、新たな会場の賃借費用はかからず、受講する社員の交通費も発生しないなど、やはり、外部参加型研修や、自社発注型研修で外部の会場を借りる場合と比べても経費が大幅に節約できます。
② 教える側の社員が育つ
内製化できた時には、社員の誰かが講師となります。講師と言えば、「先生」になるわけですから、いい加減な知識やノウハウだけでは自信をもって教えることはできません。
勉強をして、準備をしてから、心構えを作り、教え方も工夫しなければなりません。上手く伝えることができないと、生徒たる受講生が、講義中に居眠りしてしまうことも、普通に想像できます。教えるという行為自体、非常に難しいものです。それゆえに、講師に任命された社員が、よい講義をしようと考えます。教える側の能力伸長に役立つことになります。
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