教育研修をデザインする際の“制約条件”を考える
2015.10.30
ツイート「そうだ!研修を作ろう!」
と思っても、実際には何から始めていいか分からないご担当者の方も多いようです。特に他部署から異動したての方や、まだ経験の少ない若手の方などが特にそうではないでしょうか。
→○○ならできる!
という発想で考えることも当然必要なのですが、まだそこまでの引き出しが自分の中にないときは、
→○○はできない(○○は決まっている)
という発想の方が良いかもしれません。
つまり、「制約条件を整理する」ということですね。
①基本的な制約条件
②納期と予算の制約条件
③ソフトウェアの制約条件
④過去の制約条件
①は、研修の根幹をなす基本的な制約条件です。例えば、研修のゴールがあらかじめ決められている場合は、それが制約条件となります。
慣例により、研修に充てられる時間が決まっている場合も、それが制約条件となります。
②は、ビジネスでは当たり前のことですね。納期(いつまで)、予算(いくら)、開発参加者(誰が)といったことです。
③は、意外に落とし穴になる場合があります。身近なところですとWordやExcel、Powerpointです。
過去のものを流用したりすると、作成者の癖やソフトのバージョンの違いで、思わぬところで「あれ?デザインがずれた…」ということもあります。もちろん力技でいけばやってやれないことはないのですが、時間の浪費ははかりしれないですね。
したがって、ここではあえて制約条件としていれてみました。
④は、過去の事例のことです。例えば、これまで幾度となく納期遅延となっていた。
これはなぜかと原因を探ると、チェックする人の業務が多忙すぎて確認に手が回らない。
だとすると、今回も納期遅延が発生する可能性がでてきます。それなら、何か対策を考えられます。
意外かもしれませんが、こういった“開発に関連する過去の傾向”も制約条件に含まれると私は考えます。
なぜならこれらの諸条件が①②③に間接的にかかわってくるからです。
もちろん、細かな制約条件は企業ごとに異なると思います。
しかし、事前に把握すべき情報を“持っている”と“持っていない”では、後々開発の進行に大きな差が生まれます。
差が余裕を生み、余裕は新たなアイデアのヒントにつながります。
それくらいの意識で、ぜひ時間を有効に活用してみたらいかがでしょうか。