はじめに:若手の「折れやすさ」の正体とは
「少し厳しく指摘しただけで、翌日から元気がなくなる」 「一度ミスをすると、その後ずっと引きずってしまい、仕事の質が落ちる」
現場を預かるマネージャーの皆さまにとって、若手社員のメンタルコンディションの維持は、今や業務管理以上に重要な課題かもしれません。現代の若手社員は、SNS等の影響もあり、他者の目を過度に気にしたり、失敗を「回避すべき悪」と捉えたりする傾向が強まっています。
しかし、ビジネスに失敗はつきものです。重要なのは、失敗をしないことではなく、失敗からいかに素早く立ち直り、それを糧にできるかという能力です。この「逆境力」「回復力」を指す概念が「レジリエンス」です。
本コラムでは、マネージャーが部下のレジリエンスを高め、しなやかに挑戦を続けられるチームを作るための「型」を徹底解説します。
第1章:レジリエンスは「資質」ではなく「技術」である
多くのマネージャーは、部下が落ち込んでいるのを見て「あいつは根性がない」「メンタルが弱い」と個人の資質のせいにしてしまいがちです。しかし、レジリエンスは生まれ持った性格だけではなく、後天的に習得できる「技術」です。
1. 「鋼の心」よりも「柳の心」
レジリエンスとは、硬くて折れない「鋼」のような強さではありません。風に吹かれても、重圧がかかっても、しなやかにしなって元に戻る「柳」のような強さです。マネージャーが目指すべきは、部下を叩き直して硬くすることではなく、衝撃を吸収し、適応する力を育むことです。
2. ネガティブな感情の「扱い方」を知る
レジリエンスが高い人は、落ち込まないわけではありません。落ち込んだ自分を客観視し、その感情を長引かせない技術を持っています。部下が失敗した際、マネージャーが「いつまでも気にするな」と感情を否定するのではなく、「どうすればこの状況から抜け出せるか」というプロセスを提示することが重要です。
第2章:部下の心を支えるマネージャーの「4つの型」
部下のレジリエンスを高めるために、マネージャーが日常の関わりの中で意識すべき4つの視点を紹介します。
1. 「ABC理論」による思考の癖の修正
失敗という「出来事(A)」が起きたとき、人はそれぞれの「捉え方(B)」によって「感情・行動(C)」を引き起こします。 部下が過度に落ち込んでいるなら、それは出来事のせいではなく、部下特有の「極端な捉え方の癖(全か無か、自己批判など)」が原因です。マネージャーは対話を通じて、「別の見方はできないか?」と問いかけ、捉え方の柔軟性を養う手助けをします。
2. 成功体験を言語化する「自己効力感」の醸成
「自分ならなんとかなる」という感覚(自己効力感)こそが、折れない心の土台です。大きな成功だけでなく、日々の小さな進歩をマネージャーが具体的にフィードバックすることで、部下の心に「成功の貯金」を積み立てていきます。
3. 心理的安全性の確保
「失敗しても見捨てられない」「このチームなら助けを求められる」という安心感こそが、最大のレジリエンス向上策です。マネージャー自身が過去の失敗談を共有したり、弱さを見せたりすることで、部下がミスを隠さず、早期にリカバリーに動ける環境を作ります。
4. つながりを再構築する「ソーシャルサポート」
一人の力には限界があります。周囲に相談できる相手がいること自体が、高いレジリエンスの指標です。マネージャーは部下と一対一の関係を築くだけでなく、チーム内で助け合える「関係性の質」を高める工夫が求められます。
第3章:失敗後の「フォローアップ」が成長を加速させる
部下が失敗した直後こそ、マネージャーがその手腕を発揮すべきタイミングです。
★ 感情の「クールダウン」を待つ
失敗直後は、脳がパニック状態にあります。ここでロジカルな説教をしても、部下の心には届きません。まずは「大変だったね」と事実を受け止め、感情が落ち着くのを待つ「余白」が必要です。
★ 「なぜ」ではなく「どのように」を問う
「なぜミスしたんだ?」という問いは、過去への追及になり、部下を萎縮させます。「次、同じ状況になったらどのように動く?」「今回の経験から何を学んだ?」という未来志向の問いに変えることで、失敗は「恥」から「学習」へと昇華されます。
第4章:日常のマネジメントに「しなやかさ」を組み込む
レジリエンスの向上は、一過性の声掛けで終わるものではありません。日常のマネジメントサイクルの中に、いかに「心の回復」の仕組みを組み込むかが重要です。
★定期的なリフレクション(内省)の場を作る
週に一度、あるいは隔週の1on1などで、単なる進捗確認だけでなく「今、何がハードルになっているか」「その壁をどう乗り越えようとしているか」を対話する時間を持ちます。こうした対話の習慣が、部下自身の「思考のしなやかさ」を鍛えます。
★組織全体の「失敗に対する定義」を書き換える
マネージャーが先頭に立って、「失敗は成功へのデータ収集である」という価値観をチームに浸透させます。成功のみを称賛するのではなく、失敗から何を学び、どう立ち直ったかというプロセスを評価する文化を創ることで、部下は安心して全力を出せるようになります。
まとめ:折れない心は、マネージャーの「眼差し」から生まれる
レジリエンスを育てることは、部下の甘やかしではありません。自分自身で立ち直り、より高い目標に挑み続けるための「自律」を促す行為です。
マネージャーが部下の可能性を信じ、失敗を「通過点」として捉える眼差しを持ち続けること。その姿勢が、部下の心に「もう一度やってみよう」という勇気の種を撒きます。しなやかで力強いチームを作るために、まずはレジリエンスという新しい「型」を、あなたのマネジメントに取り入れてみませんか。
若手の折れない心を育む「レジリエンスの型」研修スライド
今回のコラムで解説した「失敗への耐性向上」や「しなやかな心の育て方」を、社内でより体系的に教育し、若手の離職防止やモチベーション向上に繋げたい。そんなマネージャー様・人事担当者様にお勧めしたい、プロ仕様の研修スライドをご紹介します。
■ 折れない心をつくる「レジリエンスの型」研修スライド
https://manabislide.base.shop/items/129555297
この研修スライドは、ストレスフルな現代社会において、困難を乗り越えてしなやかに活躍し続けるためのマインドセットを習得することをねらいとしています。
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ねらい: 逆境や困難に遭遇した際に、適切に対処し回復する力(レジリエンス)を高めるための手法を学び、持続的な成長とパフォーマンス向上を実現する。
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体系的な学び: 感情のコントロール、思考の癖の修正、自己効力感の高め方など、レジリエンスを構成する要素を、教育効果の高いスライド構成でまとめられています。
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柔軟なカスタマイズ: PowerPoint形式のため、自社の若手社員が直面しやすいストレス要因や、現場のマネジメント方針に合わせて、スライド内容を自由に調整可能です。
「一度の失敗で折れる社員」を「逆境を糧にする社員」へ。組織の土台となるメンタルタフネスを強化し、挑戦を称える文化を作るための教育ツールとして、ぜひご活用ください。
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