エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する
2022.12.23
ツイート無駄な頑張りを捨てよう
私たちには、たとえ無駄であっても、多少の遠回りをしていても、
目標に向かって愚直に頑張り続けることが美徳とされる一面があります。
特に日本人は、この傾向が強いかもしれません。
もし、無駄な努力を一切排除して、
最短経路で楽に成果を手に入れられるとしたら・・・。
きっと誰もがその方法を知りたい、学びたいと思うでしょう。
実は、その方法がまとめられている書籍があります。
それが今回紹介する『エフォートレス思考』です。
タイトル:エフォートレス思考
著者:グレッグ・マキューン
訳:高橋 璃子
出版社:かんき出版 (2021年12月発売)
エフォートレス思考って何?
エフォートレス思考とは、簡単に言ってしまえば、
頑張らなくても結果を出せる思考法のことであり、
精神、行動、しくみ化の3つのステップで成り立っています。
ここからは、もう少し具体的な中身を見ていきましょう。
エフォートレスな精神
エフォートレスな精神は、心身の重荷がなくて、
頭がスッキリした状態を指します。
余計な考えにとらわれず、今この瞬間に集中できる状態、
と言えば分かりやすいでしょうか。
私たちは、仕事に対してそれなりの時間をエネルギーを注ぎ込みますが。
それは時に心身の健康を犠牲にしてしまうことも。
多くの人が重要な仕事ほど時間と労力をかけるものの、
いつでも期待通りの結果を得られるとは限りません。
まず、重要な仕事に取り掛かる前に考えたいのが、
180度違う方向から物事にアプローチしてみることです。
最初に思いついたやり方を、ひっくり返してみる。
そうして物事を逆転させると、見落としていた前提に
気が付きやすくなるといいます。
重要な仕事ほど困難なものであることが多いですが、
それは自分の能力が不足しているからというより、
もっと楽な方法があるのを見つけられていないだけなのかもしれません。
エフォートレスな行動
あなたは仕事をするスピードや量にムラがあるタイプですか?
もしそうだとしたら、本書が示すエフォートレスな行動の一例が
大いに役立つかもしれません。
仕事のスピードや量にムラがある人は、
最初から全力で物事に取り組む傾向にあります。
しかし、最初からフルスピードでは、
すぐに息切れして結果的には遅くなってしまいます。
好調と不調の波に左右されないためにも
常に一定の自分だけのペースを見つけて守ることが肝心です。
本書の中では、著者の友人であるミュージシャンの例が出てきます。
そのミュージシャンは作曲をするとき、週に2本のペースで書くことを
ひたすら守ることで成功を収めました。
あなたも経験があるかもしれません。
何だか今日は調子が良くて仕事がどんどん捗る、と感じたこと。
このように気分が乗っている時でも、
先のミュージシャンは作曲を止めてしまうのです。
これは逆に生産性を下げる悪手のように思えますが、
実際には、この自制心が何よりも大切なキーファクターなのです。
自分のペースを上げ過ぎれば、本来の道から脱線してしまうし、
逆に下げ過ぎれば、前進する勢いがなくなってしまうもの。
円滑に仕事を進める最善の方法は、
自分のペースを守ることだと肝に銘じておきましょう。
エフォートレスなしくみ化
私たち人間は、できるだけ楽をしたいと常に考えています。
ますます忙しくなる生活の中で、
手軽な解決策があれば欲しいと思っていますが、
手軽な解決策は必ずしも目の前の問題を解決してくれるとは限りません。
エフォートレスなしくみ化では、
特定の問題に対する解決策を学ぶよりも、
もっと根幹にある原理原則を学ぶことを重要視しています。
原理原則は、こうはんな 問題に何度も応用が可能であり、
基本的に普遍的で永続的なものです。
例えば、顧客のニーズを深く理解した起業家は、
その知識を多様な製品やサービスのプロモーションに応用できます。
しかし、特定の商品の特定のプロモーションだけにしか効果がない
知識を持っていても、それは他に応用できないのです。
まとめ
エフォートレス思考を身につけることで、
私たちの仕事や人生への向き合い方は大きく変わるはずです。
いままでは我慢するしかなかった不快なものを
「楽しい」ものに変えることができたり、
自分の身近な問題発生を未然に防いで、
ストレスを劇的に減らしたりすることができるでしょう。
エフォートレス思考は、無駄な努力を一切排除して成功する方法ですが、
決して怠惰なやり方ではありません。
いまを生きる私たちにはパラダイムシフトが起きており、
汗水たらしてとにかく必死に頑張れば良い時代ではなくなりました。
いかに最短効率で最大の成果を上げることができるか、
そのルートを自分で創る力があるかどうかが成功の分かれ目となる時代です。
今までの価値観を見つめ直し、新たな思考方法を手に入れなければ、
心と身体を疲弊させていくばかりです。
現代における成功を具現化していくのを手助けしてもらうのに、
本書以上に有用な書籍を私は他に知りません。