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HRD用語【社内勉強会】

2020.05.20

【社内勉強会】

社員が主体となって企画・運営をする企業内学習の取り組み。企業の人材育成部門が主催する研修とは異なり、有志参加者による少人数での開催が一般的。スキルのある社員による講義だけでなく、参加者が各々アウトプットする場として機能することもある。昼休憩や就業時間外に開催するグループもあるが、就業時間中の開催を認める企業もあり、自由参加の学習の場でありながら、効果的な人材育成のシステムとして取り入れられている。

 

学習の必要性の認識

社内勉強会に積極的に取り組む企業が年々増えている。

とくに超速で進歩するIT関連のエンジニアは、新しい技術を身に付けなければ市場価値を保てない。エンジニアは所属企業の集合研修を待っていては学習が追い付かず、社外の勉強会に有料で参加するか、社内でエンジニアが集まって勉強会を行い自主的に学ぶ。ITエンジニアが自ら企画して行う社内勉強会は切実である。

では、それ以外の職種の社員は社内勉強会を真剣に捉えることができるだろうか。

「リカレント教育」という言葉が聞かれるようになって久しいが、株式会社エン・ジャパンの調査(n値:2,204)によると、「今後リカレント教育を受けたいか」という質問に90%の人が「受けたい」と回答したという。リカレント教育は大学など教育機関での受講を指すことが多く社内勉強会と同義には扱えないが、少なくない社会人が「学習の必要性」について認識していることがわかる。

※リカレント教育…仕事に活かすために社会人が学びなおすこと。生涯学習。201712月に発表された安倍政権の「人づくり革命」における施策の1つ

人は学びたい、そして怠けたい

中国最古の詩編「詩経」に“日就月将”の言葉がある。日ごとに月ごとに少しずつでも学び進歩して大きく光り輝くようになりたい。といった意味である。古の昔から人は学びたい生き物なのだ。一方で、過度な自己愛や逆に自分に否定的すぎることを起因とした怠け癖を持つ人も多い。そうした人は業務以外の活動に取り組む意義を見いだせず、「学習の必要性」を認識しつつも、社内勉強会への誘いに応える気持ちにはなりにくい。

参加強制力のない社内勉強会は、何を学ぶか、なぜ学ぶかが明確かつ魅力的に打ち出されていなければ成立せず継続しない。

社内勉強会を継続させる2つの取り組み

最後に、社内勉強会を継続するための取り組みについて2点紹介する。

①目的を定める

目的は社内勉強会の発足時に定めておきたい。技術習得や情報交換など、その目的は様々だが、参加メンバーや勉強会の数が増えると方向性が定まらなくなる。勉強会は自主的な活動ではあるが社内リソースを利用しての取り組みであるため、その範囲を超えてはならない。また、活発に運営できている勉強会では、「通常業務に著しく支障が出る」「部門の指示命令系統を乱す活動に発展する」といったことも起こりうる。時には、会社側の勉強会介入で当初の目的が歪曲され、参加者が離れていくケースもあるときく。運営側が勉強会の方向性を修正するときに、あらかじめ目的が定まっていることが大いに役立つ。

②社内承認を得る

「①目的を定める」の説明でも触れたが、社内勉強会は人材、場所、ツールなど、社内リソースを利用するため、非公式な位置づけで継続的、発展的に運営しようとすると限界がある。また、非公式であるがゆえに、学習意欲があっても参加に至らない社員も多くいる。さらに、勉強会の参加が暗に強制的な意味合いを持ちだすと、労基法上の問題にも波及する。社内承認を得ることによって、参加の「強制・非強制の区別」や「開催時間」、「社内リソースの正当な利用」などの運営ルールが整備され、例えば、労働時間のグレーゾーンを排除するといった時代の流れに沿った対策が可能となる。

その他、勉強会の告知は普段使用しているコラボレーションツールを使う、参加者数が少なくても「とにかく継続する」など、勉強会を行ってきたチームの体験から得た知恵もある。これから社内勉強会を発足させようとする有志の方々には、参考にしていただきたい。

アメリカの自己啓発作家、ジョン・C・マクスウェルの言葉に、「学習の最大の敵はすでに学んだこと」がある。人生100年時代、学びたいことは日々更新される。学んでこなかったことを学ぶのでは時代に追いつかない。

 

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