熱戦続く甲子園と人材教育の変化を紐解く
2019.08.15
ツイート夏の定番、甲子園が熱気を帯びてきました。毎年熱戦が繰り広げられるこの時期ですが、昨年100回を迎えた同大会、ここ最近では色々と変化が起こっているようです。
「丸刈り」は是か否か
高校球児といえば、丸刈りのイメージが強いです。しかしながら、ここ最近はそういったイメージを払拭するような高校も増えてきています。花巻東(岩手)がその代表例で、野球そのものとは別の視点(丸刈りは是か否か)で議論を呼んでいます。
そもそも、なぜ丸刈りが推奨されてきたのでしょうか。
◆丸刈り推奨派の主な意見
・伝統だから
・一体感があるから
・手入れが楽だから(練習に時間をかけられる)
・暑いから
など意見は多数ありますが、高野連では特に規定を設けていないそうです。
一方で、脱・丸刈り派の意見としては、下記が挙げられています。
◆脱・丸刈り推奨派の意見
・競技人口減少の歯止めに繋がる
・強制はよくない
・オシャレをしたい
など、こちらの意見も様々です。
確かに全員丸刈りにするとチームとしての一体感はでるかもしれませんが、その一方で競技人気は落ち、かつて「チャラい」と一般的に言われていたサッカーと同等またはそれ以下の人気になっている可能性も否めません。
時代は変わる、伝統も変わる、人の考え方も変わる
似たような論争は高校球児に限らず、ここ最近非常によく耳にします。例えば、私たち教育業界における最も身近な例でいうと、「セクハラ」「パワハラ」がこれに該当します。昭和から平成初期にかけては、日常的に行われていた事象も、今の考え方に合わせると、確実にアウトということも多くなってきました。
つい先日、サッカーJリーグの湘南ベルマーレ曺貴裁監督が、パワハラを発端とした騒動を理由に、辞意の意向を示しました(8/14現在)。曺監督といえば、湘南ベルマーレを長年率い、結果も残した監督として認知されています。しかしながら、このような事案で進退が議論されるということは、時代が「結果<人権」を明確に示した例ともいえるのではないでしょうか。この問題が今後どういった着地となるかはまだ見えませんが、スポーツ指導者はじめ多くの人に大きな影響を与えることになるでしょう。
人材教育の観点に話を戻しますが、このような変化を正しく認識して、今の時代に合わせられる人も多数います。その一方で、変化に適応できない人がいることも事実です。ここ最近、ハラスメント研修の依頼が増えてきていることも、そういった背景があると思うのですが、研修という一種の強制力で考えを改めさせる方法も必要なことなのでしょう。
時代も昭和がずいぶん昔のこととなり、平成が過ぎ、令和になりました。物や技術の進化とともに、人も進化をしなければなりません。伝統や過去の考えにとらわれず、今の時代に合わせる教育こそ必要といえるのではないでしょうか。