近年、わたしたちの身の回りには睡眠商材が増えていることはご存じでしょうか。
睡眠に直接関連する寝具のみならず、「睡眠の質向上」を謳った飲料や食材、サプリメント、
本、ガジェットなど、ありとあらゆる場所で「睡眠」に関する商材を多く目にするようになりました。
なぜこんなにも「睡眠」が注目を浴びているのか、本日はこの謎を解明していきます。
日本は世界一寝ていない国
実は、日本は世界一寝ていない国と言われています。
2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)のデータによると、
日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟国30カ国中最下位でした。
OECD加盟国の平均睡眠時間は8時間25分のため、
日本人の睡眠時間は平均より1時間も短いということになります。
なぜ日本人は寝ないのか
日本人が寝ない理由の一つとして、
「寝ないで頑張ることが美学である」という精神が挙げられます。
人口不足や少子高齢化の理由から、ビジネスパーソン一人ひとりにおける業務量は増えています。
また、予想ができない時代に突入したことで、
過去の経験が必ずしも将来に通用するとは限らなくなりました。
これまで以上に努力をしなければ成功をつかむことが難しい時代となったのです。
その結果、寝る間も惜しんで働くことを選択する人が増え、
一人当たりの睡眠時間が減ったことが予想されます。
加えて、日本人の特性として、睡眠不足を問題視するのではなく、
美学として捉える傾向がいまだに存在します。
十分な睡眠をとって生産性向上するよりも、
寝不足になるほど頑張っているという方が素晴らしいと考える傾向があるため、
睡眠不足を改善しようとする意識が低いことも、日本人の平均睡眠時間が低い理由と考えられます。
寝てない日本人に振りかかる悲劇
経済不況
睡眠不足による悲劇の1つが経済不況です。
アメリカのシンクタンク(ある特定の分野における課題や事象に対して調査・分析を行い、
政策立案等を行う研究機関)によると、日本の睡眠不足が引き起こす経済損失額は年間15億と言われています。
働き手不足により一人ひとりの業務量が増えているため、
限られた時間の中で多くの業務を遂行する必要があります。
これまで通り、寝る間を惜しんで働く長時間労働ではなく、
各自の生産性を向上させる働き方へ転換できなければ、
日本の経済は停滞したまま、もしくは損失していくと予想されます。
健康被害
睡眠不足がもたらす悲劇の2つ目に健康被害が挙げられます。
「睡眠負債」という言葉をご存じでしょうか。
睡眠負債とは、日々の睡眠不足が積み重なることで、生活習慣病や肥満、
うつ病などの病気を引き起こすという意味です。
「睡眠の借金」が蓄積されることで、健康を損ねる可能性が高まるのです。
「睡眠」に関する商品が多いワケ
睡眠不足は個人だけでなく、組織そして国と様々な分野、場所でマイナスの影響を及ぼします。
そのため、個々人の睡眠の質を向上させることで、パフォーマンスを向上させ、
生産性を上げることをねらいとして近年、睡眠に関する商品が増えていると言えるでしょう。
毎日が忙しい現代こそ、睡眠を大切にすることで明るい将来が期待できるのではないでしょうか。
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