土曜・日曜・祝祭日は、年末年始・GW・お盆休みと同様、体重と腹囲にとって脅威となりますので、くれぐれもお気を付け下さい。
体重は特に、年末年始・GW・お盆休みの期間に増加する傾向が報告されています。
これは摂食が増え、日中の活動量が減るためと考えられています。ダイエットにおいても同様に、週末に生活習慣パターンの変化が、体重増加や減量の遅滞を招き、大幅な減量状態を維持する上で問題になると考えられており、私はこれを「土日祝日症候群」と呼んでいます。
食事療法群の被験者の体重は平日には減ったが、週末は食べ過ぎが影響し減量が滞った!
これは米国で行われたCALERIE試験のことです。CALERIE(エネルギー摂取量の抑制による長期効果の包括的評価[Comprehensive Assessment of Long-term Effects of Reducing Intake of Energy])試験は、2年間のカロリー制限により老化作用を遅延させ、特定疾患のリスクを低減することができるかを検討します。米国政府援助による試験であり、臨床試験に参加したのは50-60歳の中年男性の48例を対象に実施されました。
この研究チームの目的は、週末の食事パターンや活動パターンの変化によって減量が促進されたり妨害されたりするかを調べることでした。
研究者らは被験者を以下3群に分けました。
① 第1群では、毎日の摂取カロリーは25%少なくしたが、活動レベルは変えなかった
② 第2群では、毎日の運動計画は増やしたが、食事については変更せず、エネルギー削減量が第1群と同程度になるようにした
③ 第3群では、食事も活動レベルも変更しなかった
対象者は、食事日記・定期的な体重測定・加速度計による運動の測定が課せられ経過の追跡に有用でした。
試験開始時に、被験者の運動習慣や食習慣、肥満度指数(BMI)を調査しましたが、肥満と判定された被験者はいませんでした。
研究の結果、多くの対象者は、カロリーの大部分を土曜日に摂取していた事が判明しました。
試験開始時点では、対象者の総摂取カロリーの約36%はホリデイに摂取されていたのに対し、ウィークデイでは、摂取された高脂肪食の摂取は35%未満でした。厳密な食事療法と運動プログラムを実行している人でも、週末のほうが平日よりも摂取カロリーが増える傾向にあることが明らかになった瞬間です。
試験開始前から減量を試みている人は、週末が問題となっている人がいるのではないかと仮説を立てていました。
案の定、介入前や介入中も知見に一貫性が認められました。
① カロリー制限群の被験者でも、週末の減量が停滞した
② 運動増強群の被験者では、土曜日の摂食が増え、実際に週末には体重増加がみられた
週末における生活習慣パターンの変化が、減量の努力を無駄にする!
研究者たちは、試験開始時点で典型的にみられた週末における体重増加は、平均すると年間の体重が4㎏ほどの体重増加につながったと述べています。しかし、食事と運動への介入を行った後でも、この生活習慣は変化しないことが明らかになったと同時に、試験期間中ずっと週末が減量を遅滞させ続けるという経過に驚愕したそうです。
さらに学術誌等に掲載されている減量の維持および減量を目的にした多くの臨床研究が、減量の割合が比較的低い理由(食事療法試験で5%前後、運動療法3%前後)を説明することができる、と研究者たちは報告しています。多くの臨床試験対象者は、週末がダイエットに不向きであることに、気付いていなかったわけです。
週末のせいで減量の努力が無駄にならないように「気を使う」生活習慣を作る。
とくに夕食1回量の調節がたいへん重要であり、週末の豪華な多量飲食には、特に注意すべきです。
また、ウィークデイも夕食豪華主義は絶対にダメ!です。とくに寝る直前食いの生活習慣は、メタボまっしぐらです。
だから、私は「週末の減量・ダイエットには要注意‼」と、何度も声を大にして言い続けるのです。
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