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3分で読める人材教育の話

研修効果を高めるための最適な“振り返り”について考察する!

2021.03.03

研修は一種のドーピング!?

「研修での学びが、現場での行動変容に結びつかない」という悩みは、
多くの企業様が抱えられている課題ではないでしょうか。
それ、もしかすると“研修のやりっぱなし”が原因かもしれません。

確かに研修を受講することによって、
一時的な知識量増加やモチベーション向上は十分に期待できますが、
実際にそれらを行動変容につなげるには、研修で得たスキルを
現場で活用できるレベルまで自分に落とし込む、というステップが必須です。

また、研修はコストや社員拘束の面から考えると、
そう頻繁に実施できるものではありません。

だからこそ、研修で学んだ内容を振り返る機会を設けることが重要なのです。

エビングハウスの忘却曲線とレミニセンス現象について

“人間の記憶の仕組み”に関する面白いデータが2つあるので簡単に紹介します。

エビングハウスの忘却曲線

1回目の学習の後に1時間、1日と時間を空けて再学習をしてみた時、
覚え直しに必要な時間がどれぐらい変わるのかについて調べた実験です。

この比率のことを「節約率」と呼び、
以下グラフで言えば、一度学習した内容を20分後に再度学習し直そうとしたとき、
1回目と比べて58%の時間が節約できる、ということを示しています。

この実験結果については誤った解釈がしている方が非常に多いのですが、
グラフ内で示しているパーセンテージはあくまで節約率であって、
忘れてしまう記憶の割合のことではありません。

 

(引用:https://kougakukan.net/nagataenglish/word01/)

では、1度復習(2回目の学習)をした後の忘却曲線は
1回目の学習をした後の忘却曲線とどう変わるのか?、という点について、
結論から言うと、曲線の曲がり具合が緩やかになります。
要するに、“時間が経過しても、節約率が下がりづらくなる”ということです。
これは3回目の学習、もしくは4回目以降でも同じことが言えます。

この性質を利用した学習方法として「分散学習」と呼ばれるものがあります。
先ほど申し上げたように、忘却曲線は復習を繰り返す度に緩やかになるので、
復習の間隔は回数を重ねるごとに広げていっても問題ないということです。
例)1回目の復習:24時間後、2回目の復習:3日後、3回目の復習:1週間後 …

人間の記憶はザックリ分けると、
短期記憶(「電話をかけるまでの数分間、電話番号を憶えている」など)

長期記憶(「押し慣れた自宅の電話番号」など)2つに分けられますが、
こうして、忘れかけた頃にその知識を引き出そうと脳を刺激することが
短期記憶から長期記憶に移行させるための重要なポイントになります。

逆に復習の間隔が短すぎてしまうと、
あくまで“短期記憶の確認行為”に留まってしまうため、
実質的にあまり意味を成しません。

学生時代のテスト前日に一夜漬けで知識を詰め込んだけど、
テスト終了後にはすっかり内容を忘れていた、なんてことありませんでしたか?
あれは短期記憶のほとんどが長期記憶に移行されないまま、
一定期間が経過しまったからこそ、起きた事象なのです。

一部の方には十分にご理解・ご納得いただけたのではないでしょうか?()

ただし、この実験結果については賛否両論があります。
というのも、この実験で覚えた内容というのが、いわゆる学術的なものではなく、
子音+母音+子音(buk,pevなど)から成り立つ音節、
要するにそれだけでは意味を持たない文字の羅列だったので、
脳が、「長期記憶に移行させる必要が無い不要な情報」だと判断している可能性があり、
正確な検証結果ではないのでは?という説もあるためです。

レミニセンス現象

前述のエビングハウスの忘却曲線によると、
人間の記憶は時間が経過するとともに失われていく、という検証結果が出ていますが、
「あれ、昨日は思い出せなかったのに、今日は冴えてるぞ!?」という場面があるように、
一見、時間の経過と記憶の定着率が反比例していくような動きをする
「レミニセンス現象」というものがあります。

この原理として、脳はインプットされた情報が有効な情報か、
そうでないかを取捨選択する働きをしているのですが、その取捨選択に一定時間を要するため、
覚えた直後よりも少し時間が経過してからの方が思い出しやすくなるという仕組みです。
そして、この作業が脳内で行われるには脳のリラックス状態が大きく関係してくるのです。

またまた、学生時代を思い出させるような例で恐縮ですが、
一夜漬けをするより、潔く切り上げて寝た時の方が
案外試験の出来が良かったりしませんでしたか??

実は睡眠や休憩中など、脳がリラックスしている状態のときに
先ほどの情報の取捨選択を行うため、このような現象が起きるのです。

これら2つのデータを踏まえると、
研修で学習した内容を忘れないように復習することは必須ですが、
がむしゃらに復習をすれば良いというわけではなく、
あえてブランクを作りながら、中長期的に計画していく進め方が効果的であるということですね。

具体的にどんな風に研修の“振り返り”をしたらよいの?

あくまで一例ですが、 

<受講者自身で実施できるもの>

◆ 研修教材の読み直し(もしくは講義動画の再視聴)
◆ アクションプランの定期的な見直し
◆ 受講者同士で集まって社内勉強会の実施

 <教育担当者もしくは研修会社がフォローする必要があるもの>

◆ 理解度確認テストの実施
◆ アクションプランをもとに上司と1on1
◆ 一定期間後にフォローアップ研修の実施

 などなど

もちろん、受講者の自主的な動きを期待したい部分ではありますが、
教育担当者が適切な時期や方法を見極めて積極的にフォローしてあげた方がより効果的です。

 研修を企画される際に、予めここまでデザインしておけると
より高い研修効果、受講者の行動変容も大いに期待できるのではないかと思います。

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